第009話 侵攻
『突発な事由への対処は大変困難である』
軍隊は住民を西門以外の最寄りの城門から脱出をさせていた。火勢が強まる中で住民も軍隊も必死で城壁の外を目指していた。住民達の先頭が城壁外に脱出をし始めた頃、その避難民達に攻撃を仕掛ける集団が北と南の城門付近に突如出現した。
「
漆黒の鎧で全身を固め
城外から侵攻した
都市中央部から押し寄せていた住民は避難先のはずの城門から人が戻ってきている人々が
「
「別の門に逃げろっ!」
口々に騒いでいるのを聞いて、次第に目標としていた避難先に一大事が発生していることに気付き始めた。それから人の流れは徐々に逆流していったが、住民の多くは背後から敵国の騎士隊に蹂躙された。
それは南城門も同じように発生していたため、住民や軍隊の被害は甚大なものになっていた。
東城門付近の火事の被害が拡大していたが、住民達の避難は無事に進んでいた。住民達は避難できたことに安堵してから黒煙を上げて燃えている都市を振り返り、嘆き悲しみ、落胆しながら涙を流す者も多くいた。それでも皆が命があることに安堵し、不幸中の幸いであることを神に感謝していた。家族や知り合いと抱き合って喜ぶ者達もおり、ひとまず安心という空気が生まれていた。
その時雷が天空を駆けたような轟音が上空から地上に向けて響き渡った。暴風雨がほぼ暴風だけに変わっていたため天候は回復傾向かと思われていたので、雷鳴が轟音として広がっているのは不自然な現象だった。城門外の住民達はこぞって上空に目を送り、不自然な現象の源である音の正体を見出そうと曇天を凝視していた。そして住民達が見つけたのは伝説上の
天災と同意の
これで
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