第12話 王と学園長そして研究会

「連れてきました!」

「あっ、ライナ、ルーナ」

「レイクス君!、どういうこと!」

「いや、王立の魔導剣士の学園にいれられそうだったから、ライナとルーナもどうかなーと・・・・・・」

「それよりレイクス君!、国立競技祭どうすんですか!」

「あっ!、そんなことがあったな」

「学園長が怒るよー」

レイクスは、第十二回国立競技祭を忘れていたので、ライナがレイクスに国立競技祭のことを聞くとレイクスは、冷や汗をかきながらこれからどうしようと思った。

それもそのはず、レイクスは学園長に今回の国立競技祭で、今のレイクスの通う国立の魔導剣士の学園が勝てば、学園は有名になり志願者も増えるので、それを学園長は望んでいたのにレイクスが、王立の学園に入ると国立の競技祭に出られなくなるので、そんなの学園長が黙ってないと思いレイクスは、やばいと思った。

「レイクス!」

「げっ、学園長!」

レイクスが、必死になにかどちらも納得できる案を考えていると、レイクスとライナとルーナがいる部屋の扉が凄い勢いで開いた。

そして、レイクスの名を大きな声で言って学園長が、レイクスの所に来た。

それを見たレイクスは、固まって動けなくなりこれからどうなるんだと、それで頭がいっぱいになった。

「どういうことだレイクス、王立の学園に転入するというのは、聞いてないぞ!」

「落ち着いて下さい、学園長・・・」

「これが落ち着いていられるかーーー!!」

学園長は、顔を真っ赤にしてレイクスに言うと、レイクスがなんとか学園長に落ち着いてもらおうとしたが、学園長はさらに顔を真っ赤にして叫んだ。

「すまんな、バルドロッサ」

「陛下!、これはお見苦しいものを見せました、すみません」

学園長が、レイクスを縦に振っていると国王が、学園長の前に現れた。

そして、国王を見た学園長が落ち着きを取り戻して膝をついた。

「それで、レイクスを王立の魔導剣士の学園に転入させるということはどういうことですか、陛下・・・」

「それはだな、バルドロッサ、こんなレイクスのような逸材を国立などに入れることはできないのだよ」

「・・・」

学園長が、レイクスをなぜ、王立の魔導剣士の学園に入れるのかを問うと国王は、レイクスの強さを見込んで王立の魔導剣士の学園に入れることを決意したと話した。

そして、それを聞いた学園長は、下を向いて黙った。

「しかし・・・」

「おい、陛下の前だぞ!、口答えするな!」

「よい!、納得がいかないのは分かるバルドロッサ、しかし、仕方ないのだバルドロッサよ」

国王は、学園長が納得がいかないのは分かってはいるが、レイクスのような逸材を野放しにはできないと思い、学園長を説得した。

「わかりました、しかし条件がらあります」

「貴様!、王の前だぞ!」

「お前達黙れ!、なんだ、バルドロッサ」

学園長が、喋ることにやけに反発的な貴族に対して国王は、学園長の話すことに耳を傾けるために一時的に貴族を黙らせた。

「レイクスはまだ初等部です、国立でやるにはよい年齢なので、王立に入るのは十二歳の初等部卒業後の中等部からにしてくれませんか?」

「それで、レイクス君がよいならな」

学園長は、レイクスがまだ常識を知らないまま上級の貴族と共に勉強するのは、危ないと思いレイクスを初等部で、貴族との常識を教えて、中等部からの王立での学園生活を推薦した。

それに対して王は、レイクスが良いならいいと答えた。

「俺はまだ国立の方でいいです、むしろ、そっちの方が楽なので初等部の間は国立でお願いします」

レイクスは、まだこの時代の貴族との接し方も分からないので、初等部の間に貴族との接し方を身につけて中等部から王立の学園での生活を希望した。

「わかった、ではバルドロッサよ」

「はい」

「あと何年かで、レイクスを立派な人として育てるのだぞ!」

「はい!」

学園長は、少し嬉しそうしにしながら王の言葉に返事をした。

それを聞いていたレイクスは、途中に人じゃないみたいな言い方をされて、少しイラッとした。

しかし、相手は王様なのでここはグッと抑えこんで、黙って学園長を見守った。

そして、レイクス達は学生寮のある学園に帰って行った。

「いやー、助かったよ学園長!」

「お前にいま抜けられてもこっちのメリットなどないからな」

「それはどうも、あーざいまーす」

「なんだ、その返事は?」

「まあまあ」

レイクスと学園長は、仲良く学園へと帰って行ったのを見たライナとルーナは、ホッとした。

そして、学園に着くと何人かの先生が待っていた。

「学園長!、レイクス君はどうなったんですか」

「大丈夫だ、初等部の間はこの学園の生徒だ!」

「そうですか、ならあと何年かでレイクス君に貴族との接し方を教えるのですね」

「そうだ、皆、レイクスに貴族との接し方のレッスンを頼むぞ」

「はい!」

それを見たレイクスは、俺はそんなに非常識かと思った。

そして、先生方は学園長と共に学園に戻って行った。

「それじゃあ、俺達も学生寮に行こう」

「そうだね」

「うん」

そして、レイクスのライナとルーナは、ゆっくりと歩きながら学生寮へと戻って行った。

次の日になると、やけに外が騒がしかったのでレイクスは起きてしまった。

「なんだ?」

そして、レイクスが外を見るとたくさんの研究会の生徒が学生寮の前にいた。

「なんだ、あれ・・・」

「レイクス君!」

「うおぉー、なんだライナか・・・」

レイクスが、ライナがまた突然入ってきたのに驚いたが、ライナだったのですぐにホッとした。

「大変ですよレイクス君!」

「な、なにが?」

「レイクス君が王立の魔導剣士の学園に入りそうになったのが、広まって色んな研究会の人がレイクス君を取り込もうとしているんですよ!」

「へぇーーー」

「へぇーーー、じゃないです!」

ライナが、レイクスの態度に怒るとレイクスは、女って怖いなぁーと思った。

「それで、どうするんですか!」

「いや、全部断る・・・け、ど」

「えっ!、断るんですか!」

「もちろん!!!」

「まあ、レイクス君はそうですよね・・・」

ライナは、レイクスの強さに比例する研究会なんてないと、今更だけど実感した。

そして、同時に自分にも研究会の誘いが来てるのも思い出した。

「そうだレイクス君!、私も研究会の誘いが来てるんです!」

「へぇーー、そうなの」

「レイクス君が入らないなら私も入りません!」

「えっ・・・、別に入ってもいいんだけど」

「いえ、入りません!」

「お、おう、わかった・・・」

レイクスは、ライナの入らないという気迫に負けて一瞬戸惑った。

そして同時にライナとルーナには、国立から王立に転入の件でわるいことをしたから自由にやってほしいと思った。

「レイクス君!、ぜひ、攻撃魔法研究会に入らないか!」

「魔将十二天王を倒した英雄よ、ここはぜひ、神話魔法研究会に入るべきよ!」

「いや、身体強化魔法を極める研究会がいいよな!」

「お前ら違う!、レイクス君、防御魔法研究会の方がいいよな」

レイクスは、登校しようとすると朝から研究会の勧誘に疲れてしまった。

「あれはなんなんだーー!!!」

「しょうがないですよ、英雄を引き入れようとするのなんて普通ですよ」

「めんどくさいなー、どうしたら研究会の勧誘を無くせるかなー」

「だったらレイクス!、研究会を作ってしまえ!」

「ん?、あっ、学園長」

レイクスとライナとルーナが、中庭で困っていると、学園長がレイクス達に研究会を作ってしまえと言ってきた。

「えっ、どうしたら研究会って設立なの?」

「三人以上の人員と顧問の教師が一人必要だ!、やるなら俺が顧問をやるぞ!」

「やる気満々ですね、学園長・・・」

「当たり前だ!!、レイクスを育てるのが俺の使命だからな!」

「じゃあ、名前どうする?」

「うーん・・・・」

レイクスとライナとルーナは、必死に研究会の名前を考えた。

「じゃあ、極大魔法研究会なんてどう?」

「まあ、ネーミングセンスはわるいけど、めんどくさいからそれでいいや」

「わかった、じゃあ極大魔法研究会な!、部室は学園長室の下の部屋が空いてるからそこを使え!」

「わかりました!」

「俺も後からいくからな!」

こうして、レイクスの研究会が設立された。

そして、一人やる気満々な学園長は、レイクスの研究会が楽しで仕方なかった。

「よし、いろんな魔法を教えてあげるからな、ライナ、ルーナ」

「は、はい!」

「はいよー」

レイクスの言葉にライナは、緊張して返事をしてルーナは、軽く返事をした。

「それじゃあ、部長は誰やる?」

「レイクス君!」

「えっ、あっ、わかりました・・・」

ライナとルーナは、レイクスがこういうのは一番的確だと思いレイクスを部長にした。

「それじゃあ、今日から研究会やるか!」

「はい!」

「はいよー」

そして、レイクスとライナとルーナの研究会が、これからどうなるのかレイクスとライナとルーナは知らなかった。


























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