第10話 魔将十二天王、カルロス
「大変です!」
「どうした?」
「隣国のアメルス王国が!」
「アメルス王国が?」
「魔将、十二天王の一人に、か、壊滅させられました!」
「そ、それは本当か!」
「は、はい!」
ラダナ王国では、隣国のアメルス王国が壊滅してしまったので、このラダナ王国にも魔将十二天王が攻めてくると思い早急に対策をしていた。
しかも、アメルス王国は世界でも四番目に強いと言われる大国で世界の剣聖も三人もいるのにどうして壊滅したのかを不思議に思うのとその、アメルス王国ですらが壊滅する規模の魔将十二天王強さなので、ラダナ王国は早急に軍隊長達を集めて反撃の準備をしているところだった。
「魔将十二天王の名は!」
「情報によると、カルロスです!」
「マジかよ・・・」
「どうしました、王よ」
「カルロスというのは化け物だ・・・」
「というと・・・」
ラダナ王は、博識で魔将十二天王など昔の魔族や魔人や魔獣のことが詳しいので、そういう分類に詳しいラダナ王は、カルロスと聞いて頭を抱えた。
「カルロスというのは、残虐の覇王カルロス・グレナードだ!」
「ほ、本当ですか!」
「ありえない!」
ラダナ王の言葉に軍隊長達は、焦りながらラダナ王に言った。
それもそのはず、残虐の覇王カルロス・グレナードは、魔将十二天王の中で二番目に強い魔族で、その強さは剣聖が六人以上で戦わないと勝てないぐらいの強さなので、それを聞いた軍隊長達は、焦りを隠せなかった。
「くそ、ラダナ王国にいる剣聖は何人だ!」
「いま、四人です!」
「あと、二人か・・・」
「あのー」
「どうした、ダリウス!」
会議に参加していたダリウスが、手を挙げて誰かを推薦しようとした。
その頃、レイクスはくしゃみをしていた。
「風邪かなー、でも、風邪のシーズンは早いよなー」
レイクスは、自分がいまからどんな事に巻き込まれるかを知らないままのんびりと学園で魔法を作っていた。
「王よ、レイクスという少年を知っていますか?」
「あぁー、あの学園に入った規格外の少年のことか」
「それが、どうしたんですか、ダリウスさん?」
「いや、あの小僧の剣筋が、あの神話最強の魔導剣士のレオルス様に似ていたので」
「まさか、あの創世神レオルス様に似ている少年ですか!」
「はい、無詠唱の魔法コントロールに人界最強の魔剣に魔法創作に加えて神話魔法の使用ができます、あのこぞ、いや、レイクスは」
「そうか、では、その子を試してみますか」
「えっ・・・」
会議中の部屋に四人の男性と女性が入ってきた。
そして、それを見た軍隊長と王とダリウスは、固まった。
「あなた達は、剣聖の・・・」
「どうもー」
「どうしてここに・・・」
「いや、そのレイクスとかいう子を見に行こうと思いましてねー」
男性の剣聖の一人が、会議の中でいうとダリウス達が立ち上がった。
「いや、そんな必要はない!」
「構わん!、行ってこい剣聖、魔光剣のレザノフ・グラット二よ」
「大丈夫ですよダリウスさん、本当に強いのか調べるだけですよ」
剣聖のレザノフは、レイクスが本当に使い物になるかを確かめに学園へと向かった。
そして、このレザノフの強さはこの、ラダナ王国でも一番手強い強さなので、レザノフは負ける気はなかった。
むしろ、勝って自分より強いやつなんてこの国にはいないと思いしらせてやろうと思っていた。
────2時間後────
「王よ、いくらレイクスでも、レザノフが相手では、やられるというより、魔導剣士を辞めてしまいます!」
「構わん!」
「あいつは、手加減を知りません、危ないです!」
「そしたら、レイクスという子もそれだけという事だ」
会議が終わり軍隊長達が、帰っていくとダリウスが、ラダナ王に剣聖のレザノフとレイクスを戦わせるのをなぜ、止めないのか反論した。
そして、ダリウスがラダナ王にもう反論していると、会議室の扉が開いた。
「おー、レザノフ!、帰って、きた、か」
ラダナ王は、ボロボロになって帰ってきたレザノフを見て驚きながらレザノフを見た。
「どうした、レザノフ!、転んだか!」
「ち、違う・・・」
「レイクスか?」
「あぁ、あの小僧の強さはいかれてる」
レザノフは、レイクスと戦ってボロボロになって帰ってきたのを見た軍隊長達は、驚いていた。
それも無理はなかった、レザノフは、ラダナ王国最強の魔導剣士なので、こんなあっさりも負けて帰ってくる魔導剣士ではないのを軍隊長達や王は知っていたので事情をレザノフに聞こうとすると、レザノフは気絶した。
「レザノフ!」
「大丈夫です、気絶しているだけです」
「ならよい、魔将十二天王の戦い前に剣聖を失ってはまずいからな」
王は、レザノフがただの気絶だと知ってホッとした。
「どうだった、グライナ」
「レザノフは、頑張りました」
「それは知っている、こいつはそんな勝負に手を抜くやつではない」
「ただ、あのレイクスという子は剣聖なんかじゃ収まらない、一種の化け物です」
「そんなに強いのか!」
「はい、神話魔法や重力魔法に魔法剣技、すべてあの年齢ではできません、それに必死に食らいついたレザノフは、凄いと思いました、私だったら降参しますね」
「そうか・・・」
剣聖のグライナが、レイクスを化け物扱いすると、周りにいた軍隊長達や王は絶句していた。
「それでは、レイクスという少年を魔将十二天王のカルロス討伐隊に入れることを決定する、皆よいな!」
「はい!」
そして、会議が完全に終わり、レイクスのカルロス討伐隊の一員になりダリウスは、ホッとしながらレザノフを医務室に連れて行くためにレザノフを抱えた。
「頑張れ、レイクス」
その頃、レイクスは自分が勝手にカルロス討伐隊に入れられたことも知らないのと今日、レイクスと戦った相手がまさか剣聖だったとも知らずにレイクスは、のんびりベッドで横になっていた。
「なんだった、あの弱い魔導剣士は」
「レイクス君、ご飯出来たよ!」
「わかったー」
そして、レイクスはのんびりと夕飯を食べて風呂に入り次の日に備えて眠りについた。
次の日になりレイクスが起きると、やけに外の学園の方向が騒がしかった。
「なんだー?」
レイクスが、学園の方向を見るとレイクスの部屋の扉が開いた。
「レイクス君!」
「うぉ!、なんだ!」
レイクスの部屋の扉がいきなり開いてレイクスが驚いた。
そして、目の前には息切れをしたライナがいた。
「なんだ、ライナか」
レイクスが、ライナがいきなり入ってきたのにびっくりしたが、ライナだったのでホッとした。
「レイクス君、大変ですよ!」
「えっ、何が?」
「レイクス君、魔将十二天王の討伐隊の一員になってますよ!」
「うそ・・・・・・」
レイクスは、なぜそんな事になったのか不思議でならなかった。
「なんで、俺が・・・・・・」
「しかも、レイクス君」
「ん?」
ライナがレイクスに何かを伝えようとすると、レイクスは魔将十二天王なんてレオルスの時の前世ではいなかったので、なんだろうと思ったが、いったんライナの話しを聞こうと思った。
そして、レイクスの方を向いたライナが驚きの言葉をレイクスに放った。
「レイクス君、前線で魔将十二天王のカルロスと戦うんだよ」
「あっ、そう」
「どういうことかわかってるの!」
「いや、全然」
「まあ、レイクス君は強いから大丈夫だよ、ライナ」
レイクスが前線に出てしまうと心配しているとライナにルーナが、レイクスは大丈夫だと声をかけた。
「とりあえず、学園に行って学園長に聞いてみるか」
「わかった、また、後で・・・・・」
「じゃ、レイクス君!、また後で!」
そして、レイクスが立ち上がるとライナとルーナは、レイクスの部屋を出て行った。
「まあ、なんにせよ事情を聞かないと始まらないな!」
レイクスは、なにか裏があると思って学園長に会いに行くために学園へと早めに向かって行った。
────15分後────
「学園長ー」
「な、なんだ、レイクス」
学園長は、レイクスが入ってくるのを見ると焦った表情でレイクスを見ていた。
「どうしたんですか?、そんなに焦って」
「いや、あの掲示板は見たか」
「掲示板?」
レイクスは、学園長に掲示板を見たかとおかしなことを言われてなんだと思った。
「あー、見てないのか」
「なんですか、掲示板って」
「いや、見ればわかる」
「あっ、わかりましたー」
レイクスは、掲示板をいちいち見るのが面倒だったので、教えてもらおうと思ったが、掲示板を自分で見てこいと言われて、これは教えてくれないと悟ったので、もういいやと思い諦めた。
「それで、なんでそんなに焦ってるのですか?」
「いやーな、お前がこのラダナ王国の最強の剣聖に勝ってしまったと聞いてな、少し戸惑っているんだ」
「えっ、剣聖?、てか、いつ!」
「いや、昨日だけど?」
「えっ、俺、剣聖なんかと戦ってないよ!」
「いや、そんなことはない、昨日お前に会いに行ったレザノフというやつを見なかったか?」
「あっ、レザノフってあの、俺にいきなり勝負挑んできて舐めた態度をとっていたから軽く叩きのめしたやつですよ、それ」
「そいつが、このラダナ王国最強の戦士だ」
「うそーーーーーー!!!!!」
レイクスは、昨日叩きのめした相手がまさか最強と言われる剣聖だったとは思わなかった。
それにレイクスは、とても弱かったので色々言ってしまったと後悔した。
「あれが、剣聖・・・・」
「どうしたレイクス」
「弱すぎだろ・・・・」
レイクスは、自分の目指している所がこんなにも弱い魔導剣士の集まりだとは知らずにずっと剣聖なるとか言っていたのが恥ずかしくなってきた。
「レイクス、それとお前は魔将十二天王は知ってるか?」
「知らないよ、そんなのー」
「いいか、魔将十二天王というのは化け物の集団とだけ覚えておけ」
「わかりました、あぁ、魔将十二天王の討伐隊ってなんで、俺が入ってるんですか?」
「えっとなー、話すと長くなるけどいいか?」
「全然大丈夫ですよ」
「わかった、それじゃあ話すぞ」
そして、レイクスが魔将十二天王のカルロスの討伐隊に入れられた理由とその根拠を学園長は話そうとした。
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