第7話 混合魔法そして授業

「よし、どんな魔法を作ろうかなー」

レイクスは、訓練場に着くと早速椅子に座り複数の魔法の陣を描き魔法を作り始めた。

「レイクス君、なんの系統の魔法を作ろうとしているの?」

「とりあえず、複数の魔法の魔法陣を使って、混合魔法を作る予定なんだよなー」

レイクスが混合魔法と言うと、ライナとルーナは、何だそれはという表情をした。

「混合魔法って、なに?」

「えっ・・・」

ライナとルーナが、口を揃えてレイクスに言うと、レイクスは、混合魔法を知らないことに衝撃を受けた。

それもそのはずだった、混合魔法なんてこの時代に存在しない魔法で、魔法を混合させるなんて高度な技術を使える人なんて神話時代の人ぐらいしかいないからライナとルーナが知らないことは、この時代では普通だったのだ。

「えっ、魔法合成は、分かる?」

「なにそれ!」

レイクスが、現在の時代に合わせて言葉を変えて言うと、ライナとルーナは、なんだそれという表情になった。

「まじか・・・・・・」

レイクスは、この時代の低レベルの魔法知識に頭を抱えた。

そして、レイクスはそれと同時に剣聖の人達もこれぐらいの知識しかないのかと、頭をよぎった。

「えっ、剣聖の人達は、混合魔法とか知らないの?」

「まず、剣聖っていうのは、神話時代の英雄の魔導剣士のマグレス様やリューナ様達の末裔の人達で、優れた才能があるから、剣聖と呼ばれているんですよ」

「えっ、マグレスって、マグレス・ライニーのこと?」

「あっ、レイクス君でもそれぐらいの知識は、あるんだ!」

レイクスが、マグレスという言葉に驚くと、ルーナがレイクスの常識知らずの知識しか知らないので、普通のことを知らないレイクスが、普通のことを知っているとルーナは、感激した。

それに、レイクスが、マグレスを知っているのも当たり前だった、それは、レイクスの前世のレオルスの時の身体の時にレオルスの魔導剣士団の団員で、マグレスは、副団長だったからマグレスの子孫と聞いてレイクスは、驚いた。

「まじか・・・・・」

「どうしたの?」

「いや、なんでもない」

レイクスは、一瞬フリーズしたが、すぐに我に戻った。

そして、同時にレイクスは、他にも色々な神話時代の魔導剣士の人達の子孫がいるのかと思った。

「でも、国立競技祭で優勝すると、戦えるケールナー・ワドレスは、誰の子孫?」

「えっーと、ケールナー様は・・・」

「誰なの?」

レイクスが、興味深々でライナとルーナに聞いていると、ライナとルーナは、レイクスの興味深々の表情になにか引っかかると思った。

でも、ライナとルーナは、気のせいだと思いレイクスにケールナー・ワドレスの子孫の名前を教えようとした。

「ケールナー様の子孫は、ラルトル・ワドレスだよ」

「へぇー、そうなんだ」

レイクスは、前世のレオルスの時にケールナーと神話時代によく戦っていて、レオルスとケールナーの戦績は、210戦中205勝5敗なので、レオルスの方が圧倒的に強かったので、ケールナーは、しょっちゅう戦いを挑んでは、負けていた戦闘狂なので、男性と結婚したなんて初耳だった。

「えっ、神話時代から現在って何年ぐらい経ってるの?」

「うーん、八千年ぐらいかなー」

「八千年!」

「なんで?」

レイクスが、神話時代から現在まで、八千年も経ってるなんて始めて聞いたので、驚いて言うと、ライナとルーナが、不思議そうな表情でレイクスに聞いた。

「いや、何年経ってるのかなーと」

「あー、そういうこと」

レイクスが、転生のことは、いまはバレないように咄嗟に誤魔化した。

そして、ライナとルーナは、レイクスが、誤魔化した言葉に納得した。

「それより、魔法陣がそろそろ浮かび上がってくるよ」

「本当に!」

レイクスが、先程描いた魔法陣が浮かび上がりレイクスが、魔法陣に少しずつ魔力を入れて魔法陣を動かした。

「よし!」

「おーー」

レイクスが、魔法陣を少しずつ動かし魔法陣を重ねると、それを見たライナとルーナが、驚いていた。

そして、魔法陣が重なりレイクスが、魔力を思いっきり注ぐと、魔法陣が光った。

「よし、ここだ!」

レイクスが、魔力を沢山入れると、魔法陣が青色になった。

そして、レイクスが混合魔法を完成させると、近くを通った周りの生徒がレイクスの方を見た。

「あっ、すみませーん」

レイクスが、軽く謝ると周りの生徒が、レイクスの新たに作った魔法を気にしていた。

「完成したの?」

ライナがレイクスに聞くと、ルーナは、もう、レイクスはなんでもありだなという表情をしていた。

「うん、完成したよ」

レイクスが、完成したと言うと、周りで見ていた生徒が拍手をした。

「あっ、ありがとうございます」

レイクスが、拍手をされて、軽く頭を下げるとライナとルーナは、何かを聞こうとした。

「それで、なんの系統の魔法を使ったの?」

「うーん、暗黒魔法と雷魔法を混合させたんだよ」

「あっ、そうなんだ・・・」

ライナとルーナは、レイクスの暗黒魔法という言葉にそうなんだということしか出来なかった。

そもそも、暗黒魔法というのは、宮廷魔導剣士の人でも、使える人は、そうそういないのに対してレイクスは、まだ、一年なのに使えるのにライナとルーナは、もう、レイクスのなんでもありの行動に納得するしかなかった。

「その魔法の名前はなに?」

「うーん、じゃあ、黒雷こくらい

レイクスが、魔法の名前を言うと、ライナとルーナは、いかにも強そうな名前だと思った。

「じゃあ、あの的に打ってみるか」

レイクスが、手を的の方向に向けると、周りで見ていた生徒とライナとルーナが、建物の中に隠れた。

「いくぞ、黒雷こくらい!」

そして、レイクスが、魔法を放つと、空に黒い雲がでてきた。

「なんだ、あれ!」

「すげぇーー!」

そして、次の瞬間に黒い雲から黒い雷が的に向かって落ちた。

「うわぁーーー!」

「すごい、威力だ!」

レイクスが、黒雷こくらいを打つと的の周りの地面に大きな窪みが出来た。

そして、レイクスの新たな魔法の威力に生徒達は、驚いていた。

「よし、完成だな」

レイクスが、やり遂げたと感激していると、何事かと、何人かの先生がレイクスの所に来た。

そして、レイクスが、来た先生に事情を話すと、先生方は頭を抱えた。

「とりあえず、レイクス君は、少し考えて行動してください!」

先生方は、レイクスにそう言うと、行ってしまった。

「別にいいやん」

レイクスは、少しやってしまったという感覚はあったが、魔法を作りたいという欲望が勝ったんだからしょうがないじゃんと思った。

「レイクス君、大丈夫!」

ライナがレイクスの所に来ると、レイクスは、少し落ち込んでいた。

「大丈夫じゃないね・・・」

あとからきたルーナが言うと、ライナは、レイクスのことを心配していた。

「くそー、また、自重を失敗した」

レイクスが、悔しがっていると、ライナとルーナは、まだ、レイクスが元気があると思いホッとした。

そして、校内のチャイムが鳴った。

「よし、行くか!」

「どこに?」

レイクスが、訓練場に向かおうとすると、ライナとルーナが、どこに行くのか聞いてきた。

「訓練場だよ」

レイクスが、ライナとルーナに行き先を教えると、ライナとルーナがついてきたそうな表情をしていた。

「ついてきたいの?」

「うん!」

レイクスが、ついてきたいのか聞くと、ライナとルーナは、嬉しそうに答えた。

「別にいいけど、魔法剣技を教えにいくだけだよ今年の一年に」

「ついて行きます!」

そして、レイクスが訓練場へと歩きだすと、ライナとルーナが、レイクスの後ろについてきた。



────5分後────



そして、レイクス達が訓練場に着くと、今年の一年の生徒達が、もう、準備運動をしていた。

「来たか、レイクス!」

レイクス達が、訓練場に入ると、学園長がレイクスを待っていた。

「よし、全員!、集合!」

学園長が集合の声をだすと、一年の生徒が一斉に学園長と各クラスの先生の前へと来た。

そして、生徒達は、点呼をとり各クラスの先生へと欠席者の名前を代表の一人が言うと、自分の列へと戻って行った。

「それでは、これから、レイクスが魔法剣技を三つ披露します、それが、今学期のテストです!」

「えええーーーーー!!!!」

生徒達は、魔法剣技という言葉に驚愕した。

しかも、それが今年のテストということに一同は、終わったと思った。

「それでは、レイクス、魔法剣技を三つ頼む!」

レイクスは、三つもやると聞いてなかったが、やると言ってしまったから仕方ないと思った。

そして、レイクスが剣をだして魔力を剣に通した。

「よし!」

レイクスは、まず、簡単そうな身体強化魔法を使い剣に炎系の魔法を付与して訓練場の的を斬った。

「まず、一つ目です」

「・・・」

レイクスの魔法剣技に生徒達は、絶句していた。

「嘘だろ!」

「あんなの無理!」

「あいつ、本当に人間かよ!」

レイクスの初見の魔法剣技に生徒達は、動揺していた。

「次だ、レイクス!」

「はーい」

そして、レイクスがこんどは、重力魔法で空に浮かび上がって、先生方が用意した空に浮く四つの的の前で雷の魔法を剣に付与して、一周すると、雷の光線が的に向かって飛んで行くと、的が一瞬でなくなった。

「はい、二つ目」

「・・・」

レイクスの魔法剣技に生徒達は、またもや絶句した。

「これは、無理だよ!」

「重力魔法、凄すぎ!」

「あいつ、ヤバすぎだろ!」

そして、レイクスの魔法剣技に生徒達は、無理だと言っていた。

しかし、レイクスは、ライナとルーナは、一週間ぐらいで出来たからこの生徒達も出来ると思った。

「よし、最後だ、レイクス!」

「はーい」

そして、五つの的に向かってレイクスが、縮地しゅくちを使い光魔法で剣を作りどんどん的を斬っていった。

「・・・」

そして、それを見た生徒達は、もう、何がなんだかと思い呆然と立っていた。

「よし、これをマスターしてくださーい」

「できるわけないじゃん!」

レイクスが、いまの三つをマスターしてくださいと言うと、生徒達は、出来ないと言った。

「ちなみに、そこにいる、ライナとルーナは、できるよ」

「・・・」

レイクスが、ライナとルーナもできると言うと、生徒達は他にも凄いやつがいると思い絶句した。

「本当にできるの?」

一人の生徒が、レイクスに聞いた。

「可能だ!、頑張った分だけできるようになる」

レイクスが、みんなもできると言うと、生徒達に資料を渡した。

そして、立ち上がってみんなは、必死に資料を見て覚えようとしていた。

レイクスは、先生方にもコツとかを教えて、出来ない人へのアドバイスの方法も教えると先生方も覚えようと資料を見始めた。

「よし、とりあえずこれで様子見だな」

そして、レイクスの魔法剣技の授業の一日目が始まった。


























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