第3話 決闘そして謎の男子生徒
「いやー、それにしても、特待生で入れるなんて、すごく嬉しいよ!」
「そんなに、特待生っていいの?」
ルーナが特待生で入れるということに喜んでいると、特待生のことを知らないレイクスが特待生のことをいいのかルーナに聞いた。
「えっ、特待生を知らないであの学園に入ろうとしたの、レイクス君!」
「うん、そうだよ」
特待生という特別枠の優秀な魔導剣士の見込みがある生徒を学費の免除や学生寮に入ることができることもレイクスは知らなかった。
「で、レイクス君は学生寮に入るの?」
「学生寮?」
「知らないの?」
「知らない」
「特待生で学園に入ると、学生寮という施設に入れるんだよ!」
「あー、そうなの」
レイクスは、興味無さそうな表情をしていたので、ルーナとライナは少し気まづかった。
「それで、明日の入学式のことだけどさ、私達特待生の枠に入ったんだし、学生寮に入ろうよ!」
「そうだね、レイクス君はどう?」
ルーナとライナは、レイクスの方をじっと見ながら言った。
「分かったよ、俺も学生寮に入るよ」
「やったー!」
そして、レイクスが学生寮に入ると言うと、ルーナとライナがハイタッチをした。
「それじゃあ、学生寮の申請にいこう!
そして、レイクス達はランチを食べて学園の特待生の書類を持って学生寮の管理室に行った。
学生寮に着くと、学生寮の隣に訓練場がありそこで様々な学年の生徒が模擬戦を行っていた。
「あそこで、訓練できるのか・・・」
レイクスは、訓練場が気になって仕方がなかった。
「あそこだ!」
そして、ルーナとライナが管理室の人に特待生の書類を出した。
「ん?、もう、特待生の書類貰ったのかい」
管理人だと思うお婆ちゃんがルーナとライナに聞いた。
「はい!、魔導剣士団の団員に勝って特待生の書類をさっき貰いました」
「そうかい、今回は強い生徒が入ってきたのね」
管理人のお婆ちゃんは、嬉しそうにしていた。
「きみは?」
「あっ、俺もです」
そして、レイクスも管理人のお婆ちゃんに特待生の書類を渡した。
「よし、この書類にサインして」
「はい!」
そして、レイクスとルーナとライナは書類にサインをして管理人のお婆ちゃんに書類を渡した。
「よし、これで貴方たちは今日から、この学生寮の一員だ!」
「これからよろしくお願いします」
そして、管理人のお婆ちゃんに挨拶すると、一人の生徒がレイクスにぶつかった。
「おい、てめぇ、そんな所に突っ立てんじゃねぇよ!」
「あっ、すみません」
レイクスが、軽く謝るとその生徒は、イライラしながらレイクスの肩を掴んだ。
「てめぇ、普通は土下座だろ!」
「謝ったじゃないっすか」
レイクスが、ちょっとキレ気味で言った。
「てめぇ、それが、三年に対する態度か」
「やめな、グレッス、彼らは今日からこの学生寮に入る子達だよ」
管理人のお婆ちゃんが、レイクスに絡んだグレッスという三年に言った。
「お前、ちょっと顔貸せ」
そして、グレッスという三年は、レイクスの手を掴んでどこかに連れていこうとした。
「レイクス君!」
そして、ルーナとライナがグレッスと共にいた三年の男子生徒に絡まれた。
「きみ、可愛いじゃん」
「俺たちと遊ぼうよ」
ルーナとライナが絡まれたのを見たレイクスが、グレッスの手を振り払った。
「なんだ、てめぇ!」
そして、レイクスはとても大きな殺気を放った目をしてグレッスを見た。
「う!」
グレッスは、唾をのんで尻もちをついた。
「あまり、調子に乗るなよ」
そして、ルーナとライナに絡んだ男子生徒達にもレイクスは同じ目をした。
「ひぃーーー!」
「すみませんした!」
そして、グレッス達は逃げて行った。
「ありがとう、レイクス君」
「助かったよ」
「いいよ、別に」
そして、ルーナとライナを置いてレイクスは、どこかに行った。
「お嬢ちゃん達は、これからどうすんだい?」
「これから、別に用事は・・・」
「ないね!」
ルーナとライナはそう言うと、お婆ちゃんがニヤっと笑った。
「それじゃあ、夕飯の準備を手伝ってくれないか?」
「いいですけど」
「私達でいいなら」
ルーナとライナは、快く夕飯の準備を手伝うのを承諾した。
その頃レイクスは、決闘場にいた。
「出てこいよ、そこにいるのバレバレだよ」
「おやおや、今年の一年にしては、目がいいじゃないか」
目の前に知らない生徒が、決闘場の入り口の影から出てきた。
そして、先程のグレッスと他に六人の生徒がレイクスを囲むような形で剣を持って合図を待っていた。
「それじゃあ、決闘を始めようか」
「一対一じゃないんですか?」
「そんなわけないだろ、今年の一年に常識を教えるのが俺ら先輩の役目だ」
そして、グレッス達が一斉にレイクスに襲いかかった。
その頃ライナとルーナは、管理人のお婆ちゃんと一緒に夕飯の準備をしていた。
「これで、いいのお婆ちゃん?」
「そうそう、なかなか包丁さばきがいいね」
「元々、実家でも料理はしてたから」
「そうそう」
ライナとルーナが料理をしながら管理人のお婆ちゃんと話していた。
「そこの果実をここに入れて」
「分かりました」
ライナが料理をしながら、レイクスがどうしてるか気になった。
「さっきの男の子かい」
「はい・・・」
「大丈夫だよ、あの子はとても強いよ」
「それは知ってるのですが、なんか心が悲しいというか寂しいというか」
「それは、彼を思ってのことかい」
「そうですけど」
「そうかい、それはいいことなんじゃないかな」
「そうだといいけど、レイクス君、どこにいるんだろう?」
その頃レイクスは、決闘が終わっていた。
「うぅぅぅ」
「いってぇー」
「一年坊主がなんでこんな力を持ってる」
最後の一人が剣をレイクスに向けて言った。
「なんでって、これが俺の力だ」
「くそーー」
そして、最後の一人が剣をレイクスに向けて突撃した。
「残念だったな」
そして、レイクスは最後の一人が突撃した瞬間に体勢を低くして腹に剣を当てて気絶させた。
「嘘・・だろ」
そして、全員の先輩の生徒の気絶したのを見たレイクスは、決闘場を出た。
「これで、大丈夫だろう」
レイクスは、学生寮へと戻って行った。
────5分後────
「戻りました」
レイクスが、学生寮に戻るとルーナとライナが目の前にいた。
「どこにいってたのレイクス君!」
ライナが、怒った顔でいた。
「えっ、ちょっと散歩に・・・」
「本当に?」
レイクスが誤魔化すとルーナが、疑いの目をレイクスに向けた。
「ほんと、ほんと・・・」
そして、レイクスが目を逸らすと何かを勘づいたライナが口を開いた。
「もしかして、さっきの人達と決闘してたんじゃないの」
「えっ・・・・・」
ライナの勘が見事的中してレイクスは、動揺を隠しきれなかった。
「はぁー」
ライナは、ため息をついた。
「レイクス君、あまり先輩を懲らしめない方がいいよ・・・」
「なぜ?」
「それは、もちろん目をつけられるからだよ」
ライナとルーナがレイクスに正論を言うと、レイクスは別に目をつけられてもどうでもいいという表情をしていた。
「とりあえず、これからは大人しくしてください!、レイクス君!」
ライナは、レイクスの為を思って強気の口調で言った。
「わ、分かりました・・・」
レイクスは、ライナの怒った顔を見て納得するしかなかった。
そして、ライナとルーナに食堂にレイクスは連れていかれた。
「今日の夕飯です!」
そして、ルーナとライナが自分の分の夕飯を取りに行ったの見たレイクスは、それについて行った。
「はい、今日のご飯だよ」
管理人のお婆ちゃんが、次々と学生寮の生徒にご飯を渡していった。
そして、レイクスもご飯を貰い席についた。
右隣にはライナが座り、ライナの右隣にはルーナが座ると管理人のお婆ちゃんが前にマイクを持って立った。
「えっーと、今回の夕飯は、そこにいる今年の一年生のライナちゃんとルーナちゃんが手伝ってくれました、みんな感謝するように」
「はーい!」
管理人のお婆ちゃんがそう言うと、夕飯を食べる前に他の生徒は一斉にライナとルーナにありがとうと言いにきた。
「ありがとうね」
「ありがとう」
そして、ルーナとライナは言いにきた生徒と握手をして席に座った。
「それでは、いただきます」
「いただきます」
管理人のお婆ちゃんがいただきますと言うと、それに合わして学生寮の生徒達もいただきますと言って夕飯を食べ始めた。
────1時間後────
夕飯が食べ終わりレイクスは、自分の部屋ほベッドでゴロゴロしていた。
「疲れたー」
そして、レイクスはすこし剣の手入れをし始めた。
「もうちょい、魔力付与したいなー!
今の魔剣でも最強なのにレイクスは、それ以上の魔剣を作りたいと思っていた。
「でもなー、これ以上の付与に耐えられる金属剣なんてあるかなー?」
レイクスは、必死に考えた。
「あっ、確か南のダンジョンの地下852階層の魔鉱石なら行けるかも」
レイクスは、前世の記憶を辿って魔鉱石の在処を思い出した。
「でも、俺一人でいけるかなー?」
レイクスは、ダンジョンの地下650階層以上は三人のパーティーで挑んでいたので一人はさすがに不安だった。
「いけるかなー?、いや、無理だな、あのパーティーメンバーは最強だったからそれ以上の人材なんて今はいないか!」
レイクスは、一人で考えて一人で納得していた。
「いいや、風呂に入ろう!」
そして、レイクスは男湯の方に行くと先に先着がいた。
「おや、きみは?」
「あっ、どうも、これからお風呂に入る所です」
「そうか、なら一緒に入ろうか」
「は、はい・・・」
そして、見ず知らずの男子生徒と風呂に入ることが決まったレイクスは、すこし気まづかった。
風呂場にはいり入り口で、その男子生徒が聞いてきた。
「きみが、グレッスをやったんだろ?」
「えっ、いまなんて?」
「いや、とりあえず」
「・・・」
レイクスは、グレッスと戦ったことなんて言ってないのにしかも、こんな人いなかったのにと動揺していた。
「まあ、いいよ、あいつには少し痛い目をあってもらうべきだから」
その、男子生徒はそう言うと、シャワーを浴びた。
「なんだ、あいつ?」
レイクスは、不思議な男子生徒に疑問を感じた。
そして、その男子生徒がどれほど凄い生徒かを明日の入学式で知ることになるレイクスだった。
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