プロ野球選手の月岡は、病院で闘病中の少年長島君から「ホームランを打つこと」を懇願される。しかし、試合前の練習中に怪我をしてしまい、スタメンから外れてしまう……。
この小説は、野球で有名な逸話「ベーブ・ルースと病気の少年」をモチーフとしています。このモチーフを現代日本プロ野球に落とし込み、作者自身の野球経験も利用してうまく世界を再構築しています。主人公の心理描写と、結末に至るまでの過程が良かったと思いました。
はたして主人公月岡は、ホームランを打つことができたのでしょうか。その目で確かめてみてください。