異世界小説を読んで、温かい気持ちになったことはあるだろうか。異世界にそんなものは求めない、と言い切る方も陥落させるファンタジーが、ここにある。
目指すは同胞の待つ地。半獣人で差別を受ける立場の主人公だが、スれておらず真っ直ぐに生きているため、心穏やかに読み進められる。
ガールズラブ要素の一言に不安を抱いたが、そんなものは吹き飛ばす愛らしさ。獣耳……尻尾……それも狐、と言うワードにときめきを覚えた方には間違いなくオススメだ。女の子同士ならではのショッピングやお風呂タイムも抜群。
旅の中で見つける小さな幸せ……ご飯が美味しいこと、お風呂が気持ちいいこと、素敵な服を見つけたこと、誰かの優しさに触れたこと。その一つひとつに触れる体験は、得難いものになるだろう。
ぜひ今日を、あなたの旅立ちの日にして欲しい。