第410話 戦争会議

 「カバイさんの様子はどうですか?」

 「んー。まだ起きそうにないね~」

 「仕方ないですね。命に別状はないとはいえ、体力が戻っていないので」


 カバイさんをお家へと連れて帰り、一夜が経ちました。

 ですが、カバイさんは未だに目を覚まさず、別館のベッドで横になっています。

 万が一のために常に魔鼠さんとメイドさんに容態を見てもらっていますが、未だにベッドに横になったまま起きる様子はないようです。


 「それにしても、昨日は大変でしたね」

 「そうだね~。ナグサちゃんがあんなに取り乱すとは思わなかったよ」

 「仕方ないと思うよ。私だってお姉ちゃんがあんな状態で運ばれてきたと考えるだけで怖いから……」


 誰でもそうですよね。

 大切な人がぐったりとして運ばれてきたら誰だって心配するに決まっています。

 大丈夫だとわかっていても、心配なものは心配です。

 

 「けど、泣き出すとは思わなかった」

 「その後は過呼吸になって、ナグサさんまで倒れてしまいそうでしたしね」


 それだけお父さんであるカバイさんが心配だったという事でしょうけどね。

 感動の再会が一転して大変な事になってしまいましたね。

 僕達の配慮不足が原因ですので今後は気をつけないと。


 「それじゃ、僕達は大事な会議があるので行ってきますね」

 「うんうん。ナナシキを護るために頑張ってね~」

 「任せる」

 「力になれず申し訳ありませんが、ユアンさん達の事を信じて待っていますね」


 今日は会議なので戦争に行くわけではないですけどね。

 ですが、準備というのは凄く大事ですので、期待には応えないとですね。

 

 「みんなもう集まってますかね?」

 「うん。多分、私達が最後」

 

 リコさん達に見送られながら、僕達はみんなが集まっている領主の館へと向かいます。

 いつの間にか、ここに集まるのは慣れてしまいましたね。

 最初のうちは、スノーさん達が居るとはいえ、どうしても入るのを躊躇う場所だったのに、今では何も緊張する事もなく、入れてしまえるようになりました。

 経験って大事ですよね。

 

 「すみません。お待たせいたしました」

 

 最初のうちは一応は形式として入口で身分証明をしていたのですが、今ではそれもなくなり、まるで我が家のように僕達はみんなの集まる応接室に入りました。

 やはり僕たちが最後のようで、スノーさんが声を掛けたメンバーは既に集まっていました。


 「大丈夫だよ。それよりも、カバイさんとナグサの様子はどう?」

 「今は大丈夫です。カバイさんはまだ目を覚ましませんが、呼吸は安定していますし、ナグサさんも今は落ち着いてカバイさんの事を見てくれています」


 僕達が遅れたのはギリギリまでカバイさんの容態を確認していたからですね。

 なので、遅れた事を特に咎める人はいませんでした。

 まぁ、理由がどうであっても文句を言うような人はこの中にいませんけどね。


 「それでは、ユアン殿達も集まりましたし、早速ですが今後について話合いますがよろしいですか?」

 

 集まったメンバーが静かに頷きます。

 

 「いいようですね。では、これより対鼬族作戦会議を始めます。まずはお手元の資料に目をお通しください」


 長方形の椅子を囲うよう座った僕達に一枚ずつ紙が配られます。

 アンリ様が魔鼠さんに紙を渡すと、魔鼠さんがみんなに一枚ずつ配ってくれたのです。


 「改めてこう見ると、結構な規模な戦いですね」


 魔鼠さんから受け取った紙には、様々な事が書かれていました。

 

 ・鼬族総戦力……十万

 ・狐族総戦力……一万二千+二百+?

 ・狼族総戦力……一万五千

 ・鳥族総戦力……一万

 ・虎族総戦力……二万

 

 まず目についたのはこの数字ですが、これは各国の兵力ですね。


 「この ? は何ですか?」


 二百はわかりました。

 これは僕の親衛隊とシアさんの影狼、そしてスノーさんの部下を足した数字ですね。

 つまりはナナシキの軍勢という事になります。

 ですが、そこに加わった ? は数字もわからないので、理解しようにも理解できなかったのです。


 「それは、キアラ殿とユアン殿の召喚獣の数字です。流石に私では把握できなかったため、そうさせて頂きました」


 なるほど。

 確かに把握するのは不可能に近いですね。

 だって、ラディくんに聞いても、正確な数字がわからないくらい世界各地に魔鼠さんは居るみたいですからね。

 なので、その ? は今の所は考えずに話を進める事になりました。

 

 「数字だけ見ると圧倒的不利に思えるね」

 「戦争は数字だけでは測れませんが、シノ様の仰る通り数ではかなり劣っているのは間違いありませんね」

 「ま、そこは戦略と地の利をどう活かすかだね。まぁ、鼬族が相手ならば数の差はさほど問題ではないけど」


 そうなのですよね。

 数こそ大きな差があるように見えますが、実際はそこはあまり気にしていないのです。

 数を揃えても少数精鋭の僕達を止めるのは厳しいでしょうし、何よりもその数の兵を展開する場所がありません。

 進行してくるのならば、国境で止める予定になっていますからね。

 逆に国境の壁が軍を展開するのに邪魔となる訳です。


 「鼬族の国境は長い。軍を分けられたらどうする?」

 

 確かに、それは問題ですね。

 一万ずつ色んな場所から国境を越えようとしてきたら数の少ない僕達は困りますね。


 「問題ないでしょう。その時は一万ずつ順番に潰すまでです」

 「そんな簡単にいきますかね?」

 「問題ないじゃろう。実際に進軍してきている鼬族は七万。我らは約一万二千と少ないが、そこに虎族も加わるのじゃ。各個撃破するのは問題ないじゃろう。何せ、こちらはキアラの配下を使い、常に相手の動きを読む事ができる。不意を突くことも罠を仕掛ける事も可能じゃろう」


 フォクシアとビャクレンの兵士を合わせれば約三万二千。

 進軍してきている鼬族の半分くらいですが、それでも優位なのはこちらだというのがアリア様の見解みたいですね。

 

 「それに、そもそも鼬族が無事に国境へとたどり着けるかが問題だけどね」

 「無事に? どういう事ですか?」

 「僕の配下がまた鼬族の兵に紛れている。頃合いをみて、物資を荒らす手筈になっているよ」


 あー……ここでもラディくんの配下が動いているのですね。

 そうなると、とても無事には辿り着けないのが容易に想像できます。

 進軍していたら突然、食べ物や水がどんどんと減っていき、武器も痛んでいるとなれば、とても戦える状態にならないでしょうからね。


 「という事は、鼬族は大して脅威ではなさそうですね」

 「そうですね。ですが、無理やりにも進軍は続けるでしょう。なので、迎撃の準備を怠る事はできません」


 当然ですね。

 幾ら相手が弱っている状態だとはいえ、七万という数は脅威です。

 それを放っておいて好き勝手させる訳にはいきませんからね。

 それに、鼬族は魔力至上主義とも繋がっている訳ですし、失った物資を転移魔法陣などで送る手段もあるかもしれません。

 そうなったら物資を奪っても直ぐに補給されてしまいます。

 鼬王の性格からすると、その可能性は低いと読んでいますが、あらゆる可能性を考慮しておく方がいいでしょう。


 「では、鼬族は迎撃の準備を進めるとして、もう一つの軍勢はどうしましょうか?」

 「リアビラですね。正直な所、私はそこまで想定していなかったので、考えていませんでした」


 リアビラが動いているのをアンリ様が知ったのは僕たちが到着する少し前の事のようです。

 なので、アンリ様がその対策を考えていなかったのは仕方ないですね。

 僕達とは違い、アンリ様は魔力至上主義やリアビラと鼬族が繋がっている事は知らなかったので。


 「そっちは僕たちがどうにかするから気にしなくていいよ」

 「大丈夫なのですか?」

 「平気さ。アーリィとナナシキを防衛するくらいでしょ? 別に難しい事はないさ」

 

 随分とシノさんは自信があるみたいですね。

 でも、ルード帝国の一件があったので、少しだけ不安なのですよね。


 「ユアン、心配しなくとも大丈夫ですよ。私もいますから」

 「オルフェさんが居てくれるのは心強いですが、いいのですか? 戦争に加わってしまっても」

 「違いますよ。私はあくまで子供達が暮らすナナシキを護るだけであって、戦争に加担する訳ではありませんから。それに、仮ではありますが、私はスノー様の補佐役でもありますからね、私が黙ってみている訳にはいかないでしょう」

 「何でか巻き込んでしまっているようですみません」

 「いいのですよ。私もこの街の事が好きですから」


 オルフェさんがそう言ってくれるのであれば、これ以上は断れませんね。

 ですが、出来る事ならばオルフェさんを頼る事はしたくありませんでした。

 これは僕の気持ちになってしまうのですが、オルフェさんは子供達みんなのお母さんです。

 そんな人を血が流れ、命が簡単に消える戦争に参加させたくなかったのです。

 ですが、オルフェさんは進んで僕達に協力を申し出てくれたのです。

 

 「シノさん、オルフェさんに迷惑をかけないでくださいね?」

 「君に言われると釈然としないけど、やるからにはしっかりやるよ」

 「はい。では、アーリィはシノさんを中心に、ナナシキはオルフェさんを中心にお願いします」

 「わかりました。シノ殿、よろしくお願いします」

 「こちらこそ」


 シノさんとオルフェさんが握手を交わします。

 後はシノさんに誰をつけるかが問題ですね。

 流石にシノさん一人にアーリィを任せる訳にはいきませんから。


 「では、その辺りの兵の配分を次は決めようか。アンリ様はフォクシア軍を率いるとして、私達がどれだけの兵を操るかだね」

 「そうですね。そちらはそちらで決めて頂けると助かりますね。私よりも皆様の方が良く理解していると思いますので」

 

 という訳で、次は兵の振り分けをする事になりました。

 そして、話合った結果、軍の配分はこうなりました。


 ・ユアン 親衛隊五十人

 ・リンシア 影狼族+コボルト

 ・キアラルカ 魔鼠軍団+魔鳥軍団

 ・スノー ナナシキ兵士

 

 ナナシキで戦える人が少ないので直ぐに決める事が出来ましたね。

 ですが、これはこれで問題があります。


 「シア、影狼族はどれだけ連れていくの?」

 「虚ろ人だった人は残す。それ以外は全員来ることになってる。数は三十人くらい」

 「となると、人化できるコボルトもいれて五十人くらいか」

 「うん。私は誰かを率いて戦うのは初めて。あまり多すぎても統率がとれないからそれくらいで十分」

 

 となると、虚ろ人だった人はナナシキの防衛にまわり、オルフェさんに従って貰うのがよさそうですね。


 「キアラの方は?」

 「私のほうも人化できない子達はナナシキに残すよ」

 「となると、キアラちゃんの方も五十人くらいですかね?」

 「うん。もっと獣化できる子はいるけど、それ以上はちょっと無理だし、不安かな」


 この辺りが僕達の弱点といえば弱点ですね。

 スノーさんは護衛騎士団の副隊長なので慣れているかもしれませんが、僕とシアさんとキアラちゃんは冒険者でしたので、こういった戦いには慣れていません。

 

 「ユアンにはアランとチョリ婆を補佐につけ、キアラにはラディとキティが補佐につければ問題ないじゃろう」


 それが一番ですね。

 僕の方は経験豊富なアラン様とチヨリさんがついてくれれば心配はいりませんし、キアラちゃんの方はキアラちゃんの意志を汲み取り手足の如く動いてくれる二人がいれば統率が乱れる事はなさそうです。

 となると、問題はシアさんですかね?


 「平気。おかーさんが手伝ってくれる事になってる」

 「なら……大丈夫、ですかね?」


 その判断は正直難しいです!

 イリアルさん真面目な時は凄く頼りになりますし、抜けている時は凄く不安になるのです。

 本来の姿は真面目なイリアルさんなので大丈夫だとは思うのですが、ついうっかりとやらかしてしまいそうでちょっと怖いのですよね。


 「平気。その補佐にイル姉もいるから」

 「あ、なら安心ですね」


 それを聞いて、何故か安心しました。

 でも、まさかイルミナさんまで参加するとは思いませんでした。

 それはそれで心配なのですよね。

 どう見ても武闘派には見えませんからね。

 シアさん曰く、戦闘は問題ないといいますけど、どうみても頭脳派なのです。

 まぁ、戦いに参加しなくてもシアさんに助言してくれるだけで十分に頼りになりますけどね。


 「となると、後はナナシキ防衛組とアーリィ防衛組に振り分ける人ですね」

 「僕の方はルリとデインを連れていくだけで十分かな。アーリィにはレジスタンスとルリの父親もいるし」

 「シノさんがそれで大丈夫だというのであればいいですけど、無茶はしないでくださいね」

 「平気だよ。兵を率いる事は君たちよりも慣れているからさ」


 皇子だった頃の知識は発揮される時が来たみたいですね。

 そう言われると、僕らよりも遥かに経験があるシノさんは頼りになります。


 「では、ナナシキは残りの者で対応しましょう」

 「はい、ナナシキにはラインハルトさんやユージンさんがいますので、協力して頑張ってくださいね!」

 

 それに残った僕達が契約を交わしている魔物もいますし、アーレン教会の人達もいます。

 いざとなったらガロさんにも出て貰えばそれも十分な戦力になる筈です。

 多分、美味しいご飯で釣れば協力してくれそうですからね。

 これで、ナナシキも大丈夫そうです。


 「それくらいですかね?」

 「いえ、もう一つ重要な事がありますよ」

 「重要な事ですか?」

 「うむ。総大将じゃな」


 あ、忘れていましたね!

 全ての軍を纏める一番重要な人を忘れていました!

 ですが、それは決めるまでもないですよね?


 「その役割はやっぱりアンリー……」

 「ユアンでいいんじゃない?」

 「ふぇっ!?」


 総大将はやはり次期王となるアンリ様しかいないと言おうとした時でした。何故かスノーさんが僕を指名してきたのです。

 ですが、それは無駄です。

 僕よりもアンリ様の方がよほど適任ですし、みんなが賛同する訳が……。


 「そうですね。総大将となれば、ユアン殿が適任でしょう」

 「私もそう思います。総大将はユアンさんしかありえないと思うの」

 「聞くまでもない。ユアン。これで勝てる」


 ないと思ったのに、何故かみんなして僕を指名してきます!

 で、でも……まだ発言していない人もいますので、その人から反対の声がきっと……。


 「いやー、妹がここまで成長するとは兄としては嬉しいね。応援しているよ、総大将」

 「そうですね。我が子の成長をこの目で見れるのは私の喜び。ユアン、みんなの期待に応えるのですよ」


 ですが、その期待も虚しく、シノさんもオルフェさんも僕を推してきたのです!


 「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! 僕が総大将だなんておかしいです! そこはアンリ様かスノーさんがやるのが一番に決まっているじゃないですか! ですよね、アリアおばちゃん?」


 こうなったら最後の頼みはアリア様だけです!

 きっと、こう呼ばれるのに弱いアリア様なら僕の味方に…・・。


 「何を言っておる。アンリはフォクシア軍大将でスノーはナナシキ軍大将じゃ。そんな余裕がないに決まっておるじゃろう」


 なってくれませんでした!

 けど、それなら、仕方ないのかもしれません。

 ですが、それだと手が余っている人がいますよね?

 そうです、今発言したアリア様が残っています!

 

 「ダメじゃ。私じゃユアンの親衛隊は動かぬ。今回の一番の戦力を自由に動かせることが出来るのはユアンだけじゃ」

 「そこは僕からみんなにお願いをしますので……」

 「ダメじゃよ。それに私はアランと一緒に頑張るって約束してるからね。ユアンの下でね」


 どうやら、僕のアリアおばちゃん作戦はアラン様との愛に負けてしまったみたいです。

 ず、ずるいです!

 最初からアリア様は僕に総大将を押し付けるつもりでいたみたいです!

 けど、ずるいのはアリア様だけじゃないですよね。


 「スノーさん、もしかして、最初から僕に押し付けるつもりでしたか?」

 「うん。指名される前に他の人を指名しちゃおう作戦だよ。ユアンも私にやったから、断る事なんてしないよね?」

 「え、それを今引き合いに出すのですか……?」

 「うん。今しかないと思ったからね。だから、総大将は頼んだよ?」


 やられました。

 完全にスノーさんにしてやられてしまいました。


 「大丈夫。ユアンの事はみんなが支える。何も心配はいらない」

 「そうですよ。領主となったスノーさんをみんなが支えてくれたように、何も心配はいらないよ」

 「そうですかね? そうですよね……わかりました。やります……やるしかなさそうなので、やりますね」


 断れるのなら断りたいです。

 ですが、みんなして僕を指名したからにはやるしかないのが現実です。


 「ですが、どうなっても文句は言わないでくださいね?」

 「言わない。そもそも心配は何もない」

 

 シアさんの言葉に笑いながらみんなも頷いてくれました。

 なんだかからかわれている気もしますけど、きっと気のせいですよね?

 でも、やるからにはちゃんとやらないとみんなの命が関わってきます。


 「わかりました。ですが、僕は未熟です。みんなの知恵を借りないと勝てる戦いも負ける事に繋がるかもしれません。なので、みんなの力を貸してください」

 「なるようになる……は今回ばかりはダメかな」

 「当り前だよ。ユアンさんを困らせないようにしなきゃダメだよ」

 「ユアンを困らせたらスノーでも怒る」

 「わかってるよ。それじゃ、総大将を助ける為に、次は地図を開いて色々と予想を立てるのがいいかな?」


 良かったです。

 スノーさんの仕返しかと思いましたが、ちゃんと支えてくれるようで、僕の代わりにみんなに次の事を提案してくれました。

 これなら、どうにかなりそうですね。

 まぁ、実際に軍を動かすのはアンリ様とスノーさんですし僕はお飾りになりそうな気がしましたけどね。

 となると、僕が出来る事は……。

 会議は引き続き陽が落ちるまで続きました。

 会議に集中しながらも僕は僕が出来る事をずっと密かに考えるのでした。

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