第2話 少年の帰り道
多くの生徒が部活などに勤しむなか、彼、横田圭佑はイヤホンをつけて気だるそうに歩いていた。彼はふとフェンス越しに見えるグラウンドの光景を見た。
「それにしても、みんなよく頑張るなぁ〜」
彼の視線の先には、グラウンドで生徒たちが″超人的″な動きをしているところだった。ある者は掌から紅蓮に光る炎をだし、またある者はその身に雷を保っていた。これらは、能力または異能と呼ばれ生まれた時から一人一つは持っているものである。だがしかし、以前から皆こうだったわけではない。時は遡り1965年、ちょうど東京オリンピックから一年が過ぎたときだ。夜中の2時ごろでほとんどの人が寝静まっているとき、いきなり世界中を光輝く閃光が埋め尽くした。時間にして10秒ぐらいだったらしいがこの事は世界中でニュースになった。一時期はどこもかしこもこの話で持ちきりだった。けれども特に何もなかったためか、次第にその熱はおさまりつつあった。そう何事もなく終わる″はずだった″のだ。事が起きたのは、それから1カ月ぐらいたち皆がその話題をしなくなり始めたころ。世界中で体に異変が起き始める人が大勢で始めたのだ。そうのちに異能と呼ばれるものの起源である。それから、国は早急に問題解決につとめたらしいがそこからは一介の高校生の彼にはわからないものである。けれどものちに″神の天罰″とか呼ばれたものから50年。人々はその生活に、異能がはびこる世界に順応している。
俺は案外人間どうとでもなるものだとは歩きながら思った。
とまぁそのような事を考えているうちに駅に着いた。予想よりも歩みが早かったのか5分ほど電車が来るのを待った。それから俺は人の流れに身を委ねてその電車に乗った。
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