第7話
「か、華東くん?な、なんで学校にいるの?」
華東くんがここに来てからしばらくたった頃やっとの思いで震える声を出した。先生は、まだ呆気に取られている。ここは私がしっかりしなくては!
「小村から逃げててさぁ…」
「こむら、さん…?」
「知らねーの?お前が教室で話していた女子だぜ?」
キラキラメイクのあの子、小村さんっていうのか。確かに、出席番号は早いほうだった気がする。
「そういえば、そうかも。先生、3年5組の生徒って全員わかりますか?」
今まで呆けていた先生が急にハッとして
「すみません、聞こえなくて。…なんて言いました?」
「3年5組の生徒全員わかりますか?って言ったんです。」
「分かりますよ、私担任ですから。しかも、もう7月ですよ?」
少し頬を膨らませて先生が言う。それを全然気にせずに、華東くんってば、
「いい年した大人がそういうことで拗ねるのは少し…」
なんて言って1歩後ずさりしている。
怒られるよ、華東くん。まぁ別にいいけど。
「それなら先生、小村さんって誰ですか?」
こむらさん?と先生は首をかしげて言った。あれ、間違えたかな。
「3年5組にはこむらがふたりいるのだけどどちら?」
そう言って、2人の生徒の名前をあげた。
1人は、小村未唯(こむらみい)さん。
もう1人は、古村水咲(こむらみさき)さん。
どっちだろう?
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