動物の里のお使い

大月クマ

あなたのお名前何て言うの?

 ボクはいたおはなししんじて、やってきました。

 とりさとへ!


 なぜかって?


 それは、ボクらにいろけてもらうためさ。

 ボクらのかみさまは、しょうしょうわすれんぼうさんで、ボクらをつくるときにわすれちゃったことがある。


 なにかって?


 それはいろ

 しよくぶつけたのに、ボクらどうぶつとりさんたちにはけるのわすれちゃったみたい。

 まつたく、こまったかみさまだよね。

 だから、どうぶつとりもみんなしろ

 おかしいよね?

 だって、みんなしろなんだもの。

 だれが、だれだか、よくわかんなんいよ。


 でもね。


 とりたちのあいだだれかが、いいことおもいついいたんだってさ。

 しょくぶつからいろはいしゃくしよう。ボクらがかっいろけちゃおうよって。


 そのうわさきつけて、ボクがだいひょうでやってきました。

 とりさと


 でもね。


 だれおもいついたか、ボク、らないんだ。

 だれおしえてくれないかな?

 でも、もうちてだれも、んでいないよ。

 になったら、いてまわろうっと……。


 ――


「コケコッコー!」


 なんだ?

 なんだ!

 もうあさなの?


「コケコッコー! あさですよ!」


 はいはい。きてますよ。

 ところであなたはなんとり


「わたしは、ニワトリともうします。みなさんにあさをおらせするのが、ごとです」


 なるほど。とりさんたちはみんなごとっているんだ。

 ところでキミは、いろけてくれるとりのことをらないかい?


ってますとも。ってますとも。わたしがさいしよのおきやくさん」


 そうなんだ。


ためしにやってもらっただけだから、あたまかおにちょっとあかくしてもらっただけ」


 そのとりなんうんだい?


「ゴメンナサイ。ごといそがしい。コケコッコー!」


 っちゃった!

 ほかだれかいないかな?


「ホーホケキョ、ホーホケキキョ、ケキョケキョケキョ……」


 そちらのとりさん、おまえなんてうの?


「わたくしは、ウグイスともうします。はるをおつたえするとりです」


 そうなんだ。

 ところでキミは、いろけてくれるとりのことをらないかい?


ってますとも。わたくしをキレイな黄緑きみどりめてくれたんですもの」


 そのとりなんうんだい?


「ごめんあそばせ。のどまんたいかいがあるからしつれいいたしますわ。ホーホケキョ!」


 っちゃった!

 ほかだれかいないかな?


「ツピー、ツピー。はぁ~いそがしい。いそがしい」


 そちらのとりさん、おまえなんてうの?


「オラはツバメってうんだ。そだてでいそがしいったらありゃしない」


 そうなんだ。

 ところでキミは、いろけてくれるとりのことをらないかい?


「オラはいそがしいからことわったが、なかだけってもらったよ」


 そのとりいたいんだけど……


「そうかい。そうかい。じゃあ、オラがあかいろをひっくりかえしたことを、あやまっておいてくれ。

 はぁ~いそがしい。いそがしい」


 っちゃった!

 ほかだれかいないかな?


「カー、カー!」


 そちらのとりさん、おまえなんてうの?


せっしゃはカラスともうします。みなゆうこくらすのがごとでござる」


 そうなんだ。

 ところでキミは、いろけてくれるとりのことをらないかい?


「なんと!? せっしゃをこのようなずかしい姿すがたにしたものを、さがしているというのか!」


 なにかあったんですか?


いろけてくれるというので、かれたせっしゃわるかった。

 だが、だれてもひとかるいろにしてほしいとたのんだのに、くろとはあまりにもな」


 ボクはカッコイイとおもいます。

 ちますし……。


「カー、カー! なんとおぬしもフクロウとおなことうのか!」


 そのとりさんは、フクロウっていうの?


くちにするのもいまいましい。おぬしかお彼奴あいつのようにひらたいな。さてはなかか!」


 ちがいます。ちがいます。ボクはどうぶつですよ。

 ところで、そのフクロウさんにいたいんですけど、どこにいるの?


彼奴あいつせっしゃおそれて、もりおくかくれておる。カー、カー!」


 っちゃった!

 でも、フクロウさんはもりおくだって、おしえてくれた。


 くらいなぁ~、こわいなぁ~……


 でも、いろがほしいからボク、がんるよ。


 フクロウさん、いますか?


 ……


 フクロウさん、いますか?


「ホーホー。どちらさま?」


 わっ、ビックリした!

 フクロウさんですか?


「ホーホー。そうですよ。こんなもりおくなんのごよう?」


 あなたをさがしに、どうぶつさとからやってきたものです。

 とも、ボクらにいろけてください。


「それは、それは、とおいところから……

 でもね。わたしのものは、カラスさんをおこらせちゃったときに、こわされちゃって」


 それはたいへん

 でも、だいじょう

 ボクたちさとてくれれば、みんながたすけてくれますよ。


「それはありがたい。カラスさんからげるのも、いいげんつかれましたし……」


 きましょう。きましょう。

 おねがいですから、ボクにもいろけてください。


「ホーホー。ところで、あなたはなんどうぶつ?」


 ボクですか?

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動物の里のお使い 大月クマ @smurakam1978

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