2.名付け会と父と兄

ついに来た!名付け会当日!


私、どんな名前になるんだろう?


お兄様達ってどんな人かな?


あぁ、はやくお父様とお兄様達に会いたい!


私がじたばたしていると、あっという間にヒャルラさんにドレスを着せられた。


準備が出来て、お母様が私を連れにきた。


「さぁ、行くわよ。私の可愛い娘!」


いざ、出陣!


お母様が私を抱いて、てくてくと歩いていく。


するとお母様が一つのドアの前で止まった。


コンコンとドアをたたく。


「私です。エリアールでございます。」


お母様、エリアールって言うんだ!


素敵な名前!


いいなぁ、親子だから似た名前つけてもらえるかな?


ていうか、返事おそくない?


なかにいるの誰なんだろう?


「エルか。」


そういって出てきたのはちょっとやつれた紳士っぽい感じにカッコイイ人。


イケメン君遅いよ!


私は怒ってるのにお母様はぼぉっとしてる。


「あなた、この子が私達の長女ですわ。」


そして嬉しそうにわたしを差し出すお母様。


「あなた」!?


この人がお父様!?


異常に若くない!?


ていうか、そら私が美形になるわけだ。


こんなにも両親が美男美女なんだもん。


セラさん本当にありがとう!


とか思ってるうちに、お母様はお父様に私を渡してどこかへいってしまった。


えぇ~、こまる~!


「あぅ~!あうあう!(お母様~!お父様もなんかいって!)」


私の叫びも虚しく私はお父様に抱かれて、おおきな広場へと入っていった。




そして広場。


机と椅子が用意されていて、お母様と3人の男(多分お兄様)が座っていた。


お父様は私をお誕生日席に座らせると、


「これより名付け会を始める!」


と、堂々といい放った。


どきどき!どんな名前になるかなぁ?


「この生後一ヶ月のこの日に、娘の名をシエラルーリアとする!」


広場に響くお父様の声。


お母様どこか自信を感じさせる目で私ににっこりと微笑んでくれた。


シエラルーリアか。


うん、いい名前だ。


姓のリウムとあわせると、シエラルーリア・リウムになる。


うん、なんか強そうだね。


「それぞれシエラに自己紹介するように。はじめに私、リウム公爵家現在当主にして君の父親、ギャレット・エイド・リウムだ。」


紳士的に私の足元にひざまずき手の甲にキスをして挨拶をするお父様。


なんだかとても様になる。


男達はやっぱりお兄様達だった。


3人いて、上からリヒト、ジェイド、キリトお兄様らしい。


お母様もおどけて


「ずっと一緒だったんだから知ってるわよね?」


なんて言いながら自己紹介してくれた。


そしてこれで無事に名付け会終了・・・だったら良かったのに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る