1.お母様
私が次に起きたのはその日の3日後位だった。
もちろん、池崎皐月には戻れていなかった。
そろそろ本格的に異世界転生したことを認めなければならなくなってきてしまった。
私はその日、「知らない綺麗な人」に抱かれて、鏡の前にいた。
その人はヒャルラさんに「奥様」と呼ばれていたから結構偉い人だと思う。
そして鏡にうつったのは、その綺麗な女の人と、その人によく似たとても美しい赤子だった――――。
多分・・私だよね?
あまりにも綺麗過ぎないかな!?
ていうかこの人がおかあさんだったんだ・・。
綺麗だなぁ。ってだめだめ!
この歳でマザコンにはなりたくない!
目覚めろ私!あれは母親!あれは母親!
私も似たような顔だから!
つか、赤ちゃんってことは本当に転生したんだ・・。
凄いなぁ、こんどセラさんに会ったら「このあいだは夢だっていってごめんね」って言わなくちゃね!
あと「こんなに可愛く転生させてくれてありがとう」も!
でも、池崎皐月の人生はもう終わったってことだよね・・。
うぅ、母さん父さん高校生で死んじゃってごめんね!
私はこの新しい人生を頑張って生きます!
ちなみに母さん父さんと区別つけるためにこっちの両親はお母様お父様と呼ぼう。
「ふふっ、私の可愛い娘。うちは男の子ばっかりだから嬉しいわ。ね、ヒャルラ!」
抱いた私の頬に何度も愛しげにキスするお母様。
ヒャルラさんはそんなお母様の様子を楽しそうに見ながら
「そうですわね、奥様。わたくしも衣装作りが楽しみです。」
と言う。私って兄弟いるんだ!
わぁ、なんか皐月のときはいなかったから新鮮だなぁ~!
いつになったらあえるかな?
「あ、そうそう奥様、旦那様が明後日、お嬢様の名付け会をするそうですわ!」
名付け会?
あぁそういえば確かに名前無かったな。
どんな名前になるかな?
あ、その時にお兄様達にも会えるかも!
明後日、楽しみだなぁ。
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