第4話
あのまま彼女との会話はお昼休みが始まるまで一切なかった。と言うよりも会話が成立することがなかった。彼女は何故か必死に俺に話しかけていたのだが、当時の俺はそれが鬱陶しく思っていたため一切の反応を返していなかった。
だからだろう、お昼休みに成や否や彼女は俺の机の前に自分の椅子をもって来て鞄の中から布包まれた四角い箱のようなものを出して俺の机の上においた。
「一緒にお昼御飯でもどうかしら?」
そう彼女は告げた。ただ、流石にそれは周りが騒ぎだし彼女の手をとって急ぎ教室を後にした。
「何でこんなことをする?」
正直言ってこれ以外の質問の仕様がなかった。何故、わざわざ目立つようなことをしたのか。いや、それ以上に何故俺に対してこんなことをしてきたのか……それが知りたかった。
「……特に理由はないわ?」
「理由がないのに昼御飯に誘うのか?」
彼女はクスッと笑うと『お昼御飯を誘うのに理由なんているのかしら?』と言いたげに首をかしげた。
「まぁ、あえて理由をつけるのなら貴方とお友だちになりたいからかしらね。」
うん、この時の俺の表情と言ったら………いや言わないでおこう。彼女から聞いた話しだがすごい表情をしていたらしい。
ただ、この言葉を聞いたからだろうか俺は笑ってしまった。そう……笑ってしまったのだ。
「………ッフ、ハハ」
「何を笑っているのかしら?私は本気でいっのだけど」
そう、本当に彼女は友達になりたいと言ったのだ。可笑しいではないか、彼女は誰とも会話すらしないのに何故か俺に対して興味を……友達になりたいといい放ったのだから。
突き放したのに、酷いことを言ったのに………何より俺なんかに。
だから俺は彼女を
………………………嫌った……………………
それから俺は彼女をおいてその場をたち去った。立ち去る前に俺は最後彼女に向かって
「そう言うの迷惑だ。」
こう言った。
その日、彼女と俺はそれ以降一度も会話することなく一日を終えてしまった。
家に帰ってから鞄を置きリビングにあるソファーに横になると彼女の事を考え始めてしまった。
また、彼女を傷付けた……その事実は俺の心に余計彼女を意識させる原因となっていった。
それから一週間がたった頃、彼女と言えば………。
「匙戸、なに見ているの?」
そう笑顔で彼女はこちらを見つめていた。
少し前に戻ってみよう。そうだ、あの日の翌日のことから話そうか。
彼女に酷いことを言った翌日、学校に登校するのが憂鬱だった。なんたって彼女は俺の
「……おはよう」
隣の席なのだから。
「………」
無言のまま俺は席につきいつものように鞄から本を取りだし目を通す、しかし心は……気持ちは彼女の方しか向いていなかった。
そのまま時間は過ぎて昼休みとなる。いつもならこの時間になると彼女は何故か鞄をもちどこかに消える。ただし昨日と今日は違った。
昨日は俺の前に来てお昼御飯を食べようと言ってきた。今日はと言うと何故か此方を見て机に何かを書いた紙をおいて教室から出ていった。
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