第2話
「修! かわいい土鈴見つけたんだ! うちの玄関には白と金、どっちがいいと思う?」
強引に引っ張られながら、列からはぐれさせられる。
「おっ前――…」
せっかく並んでたのに、と自分が並んでいた場所から後ろを見ると、いつの間にこんなに増えたんだ、と思う程、けっこうな人数が並んでいた。
「おい。ちょっと待てって、浩行。せめて神様に挨拶してからに――…」
そこまで言って、さっきの女2人が居ない事に気づく。
「あれ? お前女に声かけられてなかった?」
訊いた俺に、「ん?」と浩行が振り返った。
「そうそう。よく見てたな」
笑って答えた浩行は、「じゃあ神様に挨拶が先かなー」とそっちを悩んでいる。
「誘われたんじゃないのか?」
今度は俺を列の最後尾へと引っ張って行きながら、「誘われたよ」と頷いた。
「だから、連れがいるからって断っといた」
「断ったぁ?」
なんで? と足を止めた俺に、浩行がつんのめるようにして砂利で足を滑らせる。
「突然止まったら、コケそうになんだろ!」
バシリと腕を叩いてきた。
「なんでって……え? 修は俺の連れだろ?」
もちろんそうだが、そうじゃない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます