第4話
「落ちるぞと危機感を煽ってみても駄目。私立を薦めても駄目。――なら菅田。どうしたら君は、『やる気』になってくれるのかな?」
「だから就職するって」
「……私が――嫌なんだよ」
「は?」
さすがにポカンと、口が開いた。
「何それ?」
「君はやればできるのに、やらない。そして周りは――親さえもが、君が『できない奴』だと思ってる。私はそこが、気に入らない」
「………………」
――バカじゃないだろうか……。
檜山を見つめ、思ったのはそれだった。
「さて、そこでだね。……最終手段だ。私のために、頑張ってみる気はない?」
微笑む檜山の左薬指で、指輪が光る。
直接彼に触れた事も、ないクセに。
その指輪を外してやりたくて仕方なかった――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます