第6話

 髪がふさふさで高身長の男性だ。

 店主は振り返りその男性に声をかける。

「あぁ、ちょうどよかった彼と一局さしてくれないかい?」

彼は軽く俯き僕の前に座り駒を並べなおす

一呼吸着いてから顔を見合わせる

 目と目が合う挨拶に慣れた僕はしっかり声をだせた。

「よろしくお願いします」彼は一呼吸おいてから挨拶をした「よろ...く.す」

驚きだ。

 僕より人見知りの人が近くにいるなんて


 相手が駒を振る、とが3枚僕の先手だ。

さっきは慣れないことをして負けた。だから、今回は僕の得意な四間飛車にくむ

 四間飛車のいいところは相手を選ばないところだ。

僕は落ち着いて駒を進める

 ばちっ! ぱち ばちっ!

!?!?!

物凄い駒音だ、その風貌からは似ても似つかない駒音だ。

 例えるなら怒った時の加藤先生みたいな音をだしている

しかしながらそんなことを気にしていられる局面になった。

 彼はご機嫌中飛車に組んでいた。


もう僕はこの局面を諦めていた。

 なぜなら四間飛車に組めないことはもちろん、ゴキゲン中飛車に相振り飛車で勝てた事がないからだ。けれど、相手が間違えるかもしれない。そんな期待をしながら駒を進める

が、そんなことはなかった。

彼は間違えないのはもちろん、そのよせのスピードと正確性もすごかった。

 一瞬で負けた。

 何を言っているのかは聞こえなかったが、軽く感想戦をした。

彼は軽く頭を下げると奥へと姿を消した。

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