第4話 あぶらぜみのなくころに――世界征服との出会い
Perpetrator:honto kana?
Victim:Bullying in school
Others:…
Harishi:Do you not participate?
Harishi:CARNAGEって…でもさ、現実には[元に戻す]コマンドはないんだ。
誰も―しない。
だから――した。
お前は受け入れてくれるだろ?
はりーシ:「 」
八月のアブラゼミが、鳴いていた日に迚も嫌な事がありました。
それからは、
日が陰って、雲に覆われて、風が吹いて、雨に打たれて全てを奪われそうで、嫌になりました。
ある日、ココロに歪みができててそこを突かれひび割れました。
勇気だけじゃできぬことがある。湿って暑い、空気の中、高い所から見える地面が陽に照らされ光ってた。
昼下がりの公園、電柱で鳴いているアブラゼミ、嫌な事を忘れられるってそう思った。けれど、体が震えている。上手く鳴く事さえできずに、嫌な奴がやっていた。足が竦んでしまう。電柱をゆらゆら揺らされて、頭から落ちて…。
―公園を歩いてて、ある日のことを思い出した。むかつく気持ちを、セミにぶつけたあの時、ふと気が付く、あの時のセミが電柱に止っていたんだ。嗚呼、蘇るあの気持ち、傷つけたくなる。電柱をゆらゆら揺らしたら、セミが落ちてきて砕け散った。落ちたセミを踏みつぶしたんだ。ピンクの××が潰れだし、そして原形留めぬ姿で、土に帰って消えてった。
勇気なんて何の役にも立たない、意味ない、邪魔なだけ。必要なのは強いカラダさ、それが無ければ生きられぬ―
―スズ―
僕は今、町外れの家の前に立っている。
これから何をするかって? 亡命するんだよ。
何の団員なんだろう、と首を傾げながらその家のチャイムを鳴らした。
押してから暫くして、住人が出てきた。ポストから。
「どちら様ですか? と言うか何故、首を傾げているんですか?」
いけない、僕は首を戻した。
「あの―…」
僕はさっきの家でニンニクを食べたから、口臭がきつかった。
「世界征服したいんですけど…」
って!! なにを言っているんだ僕は!!
亡命はどうした!!
自分で自分に突っ込みを入れていると、相手はこう言った。
「あ、じゃあ中に入って? 手続きするから」
中に入ると凄かった。
世界征服組織とは思えないほどのゴージャスさ。天井にはシャンデリアが下がっている。
驚いていると、さっきの人に手招きされた。こっちに来い、と言いたいのだろう。僕はその場で30回コマネチをしてからついていった。
ついていった先は、リビングルームと思わしき部屋。
でかいテレビが部屋の9割を占領している。
突っ立て居ると、さっきとは違う人がやって来た。
僕は咄嗟に挨拶した。
「な…ナマステ…」
すると相手は近くにあった椅子に座ると、お茶を啜った。
軈て相手は口を開くと、
「君が、入団希望者だね? 私の名は『フルプラ・ワクワク』この組織のボスだ」
なんとも判りやすい名前だ。思わず感動の嵐の涙が溢れる。
「あ、あの!! どのような手続きをするのですか?」
僕は聞いた。するとワクワクさんは、
「なあに、簡単なことだ。この契約者にサインをしてくれればいい」
そう言うと、紙とペンを差し出した。
「グアァァァァァ!!」
僕は絶叫した。僕は極度の『文房具恐怖症』なのだ。
「グアァァァァァァ!! か、紙と…ペペぺ、ペン!! やめてくれ」
その様子を見て、ワクワクさんはニヤリとして、
「これから俺達は、とあるスーパーのボールペンを全て盗みにいくんだ。サインくらい出来んと恐怖で、窃盗どことじゃないぞ!」
その言葉に僕はハッとした。
そうだ。僕は…やれる。
「か……海□王に…俺はなる!!」
そう叫び、僕は紙に大きく『サイン』と書いた。
その紙を見たワクワクさんは「合格!!」と言った。
僕はとても嬉しくなり、その場でバックトゥーザフューチャーした。
まあ、半分は嘘だけど。
すると、ワクワクさんが立ち上がって言った。
「よし、それじゃあ早速、お前に仕事を任せる。さっきも言った通り、スーパーのボールペンを全て盗みに行く。それを手伝え!」
僕は無言で頷いた。
「よし。では、うちのメンバーを紹介しよう。皆、来い」
ワクワクさんがそう言うと、部屋にぞろぞろと人が入ってくる。スタンばってたのかな? ま、それは於いておこう。
しかし、ワクワクさんと僕、入っていた9人が部屋に居るだけでかなり狭い。
「しょうがないな…」そう言うと、僕は呪文を唱えた。
「ユーガーディアムレビオーサ」
すると僕の体は宙に浮いた。
皆も同じように呪文を唱え、宙に浮く。って皆が浮いたら意味ないじゃん。
ま、まあ於いといて…次いこうぜ。
「それでは、自己紹介を始める。鼻の穴かっぽじってよく聞けよ」
耳の穴、の間違いではないだろうか…?
「じゃあ、いくぞ?」
僕は頷いた。でも何だろう、この違和感。いくぞって。
「私は「ジャ「リア「僕は」マ」ザ」ギャ」
………………!?
「皆いっぺんに喋らないでくださいよ!!」
僕は聖徳太子じゃないよ! 目を覚ませ! 目を覚ませよ! 恥ずかしいですよ! 恥ずかしくないんですか!? 恥ずかしくないんですかッ!?(疑問)
シンキングタイム…
恥ずかしいですよ!!(確信)
答え:恥ずかしい
シールサーティーン・立ちション スタート
そこでワクワクさんが、
「まあいいだろ。減るもんだし」
…は? 減るもんだし!?(マガジンマーク)一体何が減るんだよ。教えてくださいよ。
と、とにかく僕達は、ボールペンを盗みに出かけた。買い物以外で行くのは違和感あるな…。窃盗前提…か。
道中、皆ムーンウォークで移動していた。僕は出来ないので、イナバウアーしながら歩いた。
ついに来た。スーパーだ。
「よし野郎共!! 残らずボールペンを盗んでやれ!!」
ワクワクさんがそう叫んだ。おそらく士気を高めるためだろう。
案の定、その声を聞きつけて、警備員がやって来た。
しかしワクワクさんは怯まない。す、凄い、負けそうな状況でも退かないその姿勢、凄い。
「こっちには銃があるんだ!! やっちまえ!!」
皆は揃いも揃って、一緒に手をポケットに突っ込んだ。僕も取り敢えずポケットに手を突っ込む。
ワクワクさんは拳銃を取り出すと、
「ふん! オモチャだろ? そんなものに欺されるか!」
と、そう警備員が貶すとワクワクさんは一発空に向かって威嚇射撃をした。
乾いた音が響く。間違いなく本物だ。
「おう? 何がオモチャだって?」
ワクワクさんはジリジリと警備員に歩み寄って行く。皆も手には本物の銃が握られている。僕も何か出さないといけない、と思い、ポケットに入っていた手を拳に変えて前に突き出した。
手を開くと、十円玉が一枚あった。
「俺は銭形平次か!」
そう言って僕は十円玉を警備員に向かって投げた。
すると十円玉は一直線に警備員のおでこにクリーンヒット! した。気絶する警備員!! 思いがけない奇跡に口からファイアーボールが飛び出す。
と、とにかく僕らはスーパーの中に入った。
と、ワクワクさんが突然「しまった」と叫んだ。
「…財布忘れた!!」
……愉快はサザーエサン♪
皆が此方を黒い視線を向けて笑っている。
お日様を笑っている。
「ワクワクさん!! 盗むんだから財布は要りませんよね!?」
僕はすかさずワクワクさんの股間に突っ込みを入れた。足で。
僕も「しまった」と叫んだ。いや、叫んだつもりだったが、舌を噛んでしまって「ドン小西!!」と、叫んでしまった。何をやっているんだ僕は…。
まあ、ワクワクさんのワクワクさんがえらいことになってしまったのは言うまでもない。
心配している風な素振りをしてワクワクさんを見ていると突然、サイレンが鳴り響く。
「なんだ!? お祭りか!?」
皆が騒ぎだした。周りの客はあたふたしている。
「いや、これは強盗がスーパーに入り込んだサイレンだ!!」
冷静にワクワクさんが言ったが、青筋を立てながら股間を押さえている。だ、誰がこんな酷いことを。
「ちくしょう……その強盗とやらはどこのどいつだ…」
それはあんたたちでしょ…。
と、僕は心のなかで突っ込んだ。
するとワクワクさんはいきなり立ち上がった。
「野郎共!! 今から強盗を見つけだして、始末してやろうぜ!!」
ワクワクさんが元気よく言った。しかも、目がキラキラしている。
自分が強盗だということをすっかり、忘れているようだ。
「よし、皆。アレをやるぞ!!」
「あれ????」
「皆、散れ!」
ワクワク…ゴロリの掛け声と共に、皆は強盗しに来た人を探す為に? あちこちに散らばった。何なんだ…彼奴ら。
なんか皆居なくなったから、取り敢えず僕もその場を離れた。と、その時、
「全く…うちのボスは何であんなにバカなんだろう…」
後ろから、声がした。まあ、それを承知で入ったお前も相当バカなんだろうけど、人のこと言えた義理でもないんだよな。振り返ると、そこには僕とおんなじくらいの歳の女性が立っていた。
顔立ちは悪くない。寧ろ、美人といっても過言ではない。
「あ、あの……」
僕は話しかけた。
彼女は僕に気付き、こちらに向かってきた。
「なぁに? あたしに何か用?」
どっしぇ―…。性格悪いなこりゃ。
「あの、カレーパン食べますか?」
…? ……?? う、うぎゃあああああ。
何てことを訊いているんだ!! これでは彼女に僕の第一印象が「カレーパン」として植え付けられてしまったではないか。
彼女に好印象をどうやって植え付けようか、その場でバク転をしながら考えていると、彼女は呆れて何処かへ行ってしまった。
ふぅ、とため息をつく。本当に僕は、この組織でうまくやっていけるのだろうか? 答えなんてないんだろうけど。どうせなら[元に戻す]コマンドが欲しいな。看板を見かける少し前まで戻る…どうせなら捕まる前に…。
そんな時、ドン!! と大きな音がした。店内の奥の方だ。僕は急いで走りだした。
現場につくとまず目に入ったのは…、
「ゴ、ゴロリさん!?」
ゴロリがゴロンと…ハハハ! だじゃれになっちまった。
ゴロンと、ゴロリがまるで物か何かのように転がっているのだ。
しかも大量のトマト……って違う! 血を流している。
意識は…はっきりとしていないのか、先程から鬱陶しいほどのうめき声を発している。煩いから殺してやりてえ!! まあ嘘なんですけどね。
さて、一割の冗談は於いといて…一体誰がこんなことを…。
僕は犯人像をゆっくりと頭の中で組み立てていた。
しまった! ニッパーがないから手でパーツをランナーから外すしかないのか。結構大変だな…。プラモデルとか作った事ないから組み立て方が分らんチンパンジーだ。って、このキット接着剤が必要なのか…それもないのか。これじゃあパーツくっつけられないじゃん。
仕方なく僕は、近くに犯人らしい人が居ないか、探し始めた。
―僕はひらめいた。
例えるなら、月刊『弧呂弧呂コミック』に連載していたある漫画の主人公のように「ピカンと」ひらめいたのだった。
僕はナメクジのように素早く、近くにいた老人を指さした。そして叫んだ。
「真実はいつもひとつ!!」
…決まった。
辺りの人間は皆僕の顔を見ている。一瞬にして僕は人気者だ。
ハハハ! 参ったなあ。
中には電話なんか取り出して慌ててかけている人がいるよ。
これ以上、ギャラリーが増えるのはこまるなあ!! ハハハハハハ!!
ああ、かってるよ。
こりゃ明日は筋肉痛だな。
マンマミーア、なんて事だ。
僕は急いで組織に別れを告げてからハイハイでその場を離れた。
なにがともあれ、僕は久しぶりに実家に着いた。実家の高い塀はボロボロで何かあったのか分らないが、今更気にはしない。
かれこれ4年以上帰ってない。両親は僕のこと覚えているだろうか。
ゆっくりとドアを開け、家に入る。
「母さん? 父さん?」
返事はない。
奥に進むと埃まみれの仏壇があった。見ると母さんと父さんの写真が飾られてあった。
「死んデレラーーーーッ!!!」
あとがき、何コレ(ゴロリ君)
どうもこんにちは、もしくはおはよう、平和主義(笑)友人の婚約者を寝取るキラ・ヤマトです。
さすがにハイハイはないだろうと思ったが、このラノベはテキトーなことを言ってないと笑いがとれないため、ハイハイせざるを得なかった。
ニーサン。
真っ黒黒助ってコロ助のバージョン違い? かな。やーい、お前の家、お化け屋敷ー。クソ! クソガキー。
出来たかも。
忘れられない曲:オペラ座の怪人
ぐるぐる腹の中繋いでいでーくー
A:誰か来たっけー
B:しらねー
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