第19話 俺が妹と同級生になるわけがない
特殊な絶叫が響く中でも、我らが担任はいつも通りだった。
「長瀬、ついに異世界から妹を転校させるとは――流石は俺の生徒だ」
男気たっぷりに頷いている元ヤン教師。一方でセリアは言いたいことは言った、と静かに佇んでいる――なんかどこかで見た光景だ。
男どもはセリアをニヤニヤと眺め、女子連中は「きゃーっ!ちっちゃーい!かわいいー!」と黄色い大合唱。やはり『異世界』という単語やセリアの容姿にも違和感を覚えないらしい。クラスでは早くも歓迎ムードが漂っている。
「それにセリアは長瀬の従者だそうだな。この俺を差し置いて随分と偉くなったじゃないか」
「…ご主人さまはいずれこの世界を統べるお方、従者が居るのは当然です」
「フ…、忠誠心マックスなのも素晴らしいな。褒めてやる」
「ありがとうございます。主の名誉は従者の名誉、嬉しいです。」
「うむ。ではセリア、お前の席は長瀬の後ろでいいな?新たに席を増設するといい」
「…なるほど。『ご主人さまで黒板が見えないですぅ~!』というロリ特有の萌えを用意して下さる訳ですか」
「――フ。その通りだ。おいしい流れだろう?」
「ご主人さまに罪悪感と優越感、そして庇護欲を抱かせる……うまい手です。おみそれしました」
「俺くらい長く主人公やってるとな、それくらい読めるんだ。長瀬にも見習わせておけよ」
「承知いたしました。どの世界にもツワモノは居るものですね」
「その中でも俺は手強いほうだぞ。覚えておけ」
「…ええ、成田京介――強敵と覚えました」
「ふっ…それじゃあお前ら、セリアとは仲良く――」
「ちょっと待って下さい先生!」
目の前でとんとん拍子にすすむセリアと教師の密約。
クラス全員が歓迎ムードに湧く中、一人だけ異を唱える。机を叩き立ち上がる。
「勝手に納得しないで下さい!!セリアのこと、俺は認められませんよ!!」
「ああん?なに言ってんだコイツ…?ロリに逆らうだと…?」
「長瀬…サヨナラ、だな」
「アイツは小動物を蹴っ飛ばしても何も思わないタイプね」
「ひっどーい!サイテー!」
「ええい!! だまらっしゃい!」
異様な熱狂に包まれる教室で一人だけ声を上げる。瞬間、クラスの半分以上を敵にまわすが止まるわけにはいかない。既にこの場でまともなのは俺しか居ないのだ。
「なんだ長瀬、何が気に入らないんだ。言ってみろ」
腕組みで男気たっぷりに笑う成田先生。暴走族の元総長だけあって流石の貫禄だ。いきなりラスボスとのバトルだが、絶対に負けられない戦いがココにある!
「セリアのウチへの配属はおかしいです!ウチのクラスはもう定員オーバーのはず!」
「ほう…?」
「つかさが転校してきてウチはぴったり40名――各クラスの人数はマックスで40名のはず!他のクラスに配属すべきじゃないでしょうか!」
「ほう…、よく知ってるじゃないか。」
「先生の
「しかしだ長瀬、新規参入キャラに反対するヤツはサスペンスドラマでは真っ先に殺されるパターンだぞ。いいのか?」
「先生!もう一度考え直して下さい!」
アニヲタ教師のツッコミは無視。
正直、セリアの転校は予測していたのだ。世界の認識を魔法で改変させる妹が家で大人しくしているはずがないからな。
そして元々おかしい同級生共はともかく、強大なパワーを持つ先生までもが認識を変えられているなら早く元に戻さなければならない。どんな危険な事が起こるか分からないし、何よりそれは妹まみれの悪夢から帰還した俺の責務だ。妹のパンツを食って喜ぶ狂った世界を二度と再現させてはいけない。
「それによく見て下さい先生!銀色の髪の毛とか!長い耳とか!小学生にしか見えない外見とか!オカシイと思いませんか!?」
「お前は何を言ってるんだ。非実在系少女にはよくあることだろ。こういうのはエロゲでもお馴染みだ」
「『どう見ても高校生じゃねぇだろ!』って思いませんか!?先生!」
「合法ロリって見たことがあるか長瀬? 目の前にいるぞ」
「…っ!なんでセリアはセーラー服なんですか!それにランドセルとはどういう了見なんですか!色々ありえないはずです!」
「セリアはうちの学校に多額の寄付をしてくれてな。制服もこれがいいという本人の希望を採用しただけだ。カワイイので俺も許可した」
「思いっきり賄賂じゃないですか!?」
「寄付だと言ったろ。それに美少女が美少女して何が悪い。カワイイはこの世の絶対正義だ」
どんな疑問も一刀で両断していく男気教師。うんうん、と頷いている男子一同――ある意味いつも通りの展開なのが悲しい。認識が改変されたというよりは元からおかしかった気もしてきた。
「なーにを大声出してんだよ、長瀬さんちの悠人くん。俺様、ロリは恋愛対象外だがセリアちゃんの加入は賛成だぜ?単純に目の保養になるしな」
「
「悠人…、お前は狭量だ。セリアちゃんを見た瞬間、僕は何かに目覚めた――小学生は最高かもしれない」
「ロリコンは犯罪だ!」
愕然としていじけるガイも冬夜も、ヘンタイの友人共は全く役に立たない。アホな男子連中だけでなく、セリアの愛らしさに魅入られた女子も歓迎ムードで俺だけが完全アウェー。しかし、負けるわけにはいかない!
「とにかく俺は反対です!セリアをウチのクラスに入れるなら、俺を別のクラスに移動させて下さい!」
「…長瀬、お前の決意は固いようだな」
「はい! 断固反対です!」
「まあ、お前の言うことも一理あるか……」
「ぜひ考え直して下さい!先生!」
「そうだな…、いいことを思いついたぞ」
静まり返る教室でニヤリと悪人面で笑う元ヤン教師。目があっただけで背筋に冷たい汗が伝う。猛烈に嫌な予感が…!
「セリア」
「…はい、何でしょう」
「早速で悪いが、今からお前の実力をテストする」
「テスト…?」
「そうだ。お前の能力を俺たちに示してみろ。従者であり妹でもあるなら長瀬の出す要望に見事答えてみせろ」
「承知いたしました。お安い御用です」
突然の申し出に二つ返事で頷くセリア。
眉一つ動かさない静かな表情のまま、緋色の瞳はこちらを見つめて
「さあどうぞ、ご主人さま…ご命令を」
「えっ!?」
「さあ長瀬、何か命令しろ。難しくて、それでいてギリギリクリアできそうなやつだぞ」
「なっ…! それに何の意味があるんですか!?」
「だから実力テストだと言ったろ。少年漫画でよくある展開のアレだ。主人公に難癖つけるイキりキャラを踏み台にして存在をアピールするやつだ」
「俺を踏み台に!?」
「お前、妹好きのドMだから嬉しいだろ」
「風評被害は止めて下さいよ!?」
「それにだ、もしこれにセリアが不合格なら、お前の要望通りに転校は無効にしてやる。入学拒否だ」
「え!?」
「なんだ。ココまでお膳立てされてまだ何か不満があるのか?」
ギロリ、殺気を滾らせて睨んでくる元ヤン教師。こんな目をした人間に逆らえるやつはきっと居ない。居たとしても生きていない。
「まさか、このゲームに乗らないなんてことはないよなぁ…長瀬?」
「お、俺が言ったのは別のクラスにしてほしいってことで、別に転校に反対したわけじゃ…」
「手ぬるいんだよ長瀬。 反対するなら転校そのものに反対しろ」
「し、しかし…!」
「言っておくが長瀬、クラスの大半はセリアの加入に賛成なんだ。お前の意を酌んでテストをやるってことを忘れるなよ?」
「ぐっ…!」
こちらを無言で見つめるクラス一同。教室を飲み込む異様な圧力に完全に退路を塞がれていた。
「さあ、やるなら早くしろ。でなければ帰れ」
「ぐっ…!」
「まぁ、本当に帰ったら俺がぶん殴るがな」
「なんて理不尽な!」
「世の中は理不尽なものだぞ、長瀬。だが決して忘れてはならんこともある――小学生は最高、ということだ」
「コイツ…!ガチのロリコンだったのかよ…っ!」
「ご主人さま、どうか落ち着いてくださいまし」
厳しい現実に目を背けそうになった時、銀鈴のような涼やかな声が耳を擽った。
「大丈夫でございます。わたくし、ご主人さまの要望に見事答えてみせます」
「セリア…」
セリアはごくごく自然な表情で――ともすれば冷たく見える表情で佇んでいる。しかし深窓の令嬢を思わせるような、そんな高貴な出で立ちをしていた。近寄りがたいが目を離せない、そんな雰囲気を持っている。
「…この世には二種類の男が居ます。ご主人さまか、それ以外か――」
神聖な、名状し難いオーラを纏う銀色少女。長い睫毛を震わせ、一人呟いている。
妖精のような少女をセーラー服と赤いランドセルが危うい現実感で支えているが、もし服がまともだったら誰もがひれ伏していただろう。
「さあ、ご主人さまご命令を。どんとこい、でございます」
「いや、しかしだなセリア…」
「ステーキ定食、弱火でじっくりです」
「急にどうした。お腹すいたの?」
「いえ、ただの予行練習でございます。ご主人さま、わたくし必ずやお役に立ってみせます」
何がなんだかよく分からないが、緋色の瞳の奥にメラメラと闘志が滾っているのが見て取れた。セリアの中でなにかのスイッチが入ってしまったらしい。
「話し合いは済んだな?さあ長瀬、セリアに命令しろ。お前に拒否権はない」
「ぐ………っ、分かりました。」
「お前を信じるが『難しすぎず、それでいてギリギリクリアできそうなテスト』だぞ。あんまり難しい問題にするとお前のクラスでの評価も下がるから気をつけろ」
「ぐ…っ! しれっと難しいことを――!」
ココまで来たら覚悟を決めるしかない。セリアには悪いが、今や学校だけが安息の地なのだ。ココを守るために手を抜くことは出来ない。それにセリアが転校してきたと知ったら、あのブラコン妹が何をしてくるか分からないのだ。
「ご主人さま、ご命令を…」
「ああ…」
意地悪すぎず、難しすぎず、そして辛うじてクリアできないテスト――それは。
「なあセリア、マンガとか雑誌って分かるか?」
「はい、存じております」
「なら俺が好きなマンガとか集めてる単行本は分かるか?」
「はい、勿論でございます」
「じゃあ、セリア。ジャソプを買ってきてもらおうか、週刊のやつ――十分以内で」
「承知しました」
聞くが否や神速の勢いで教室を飛び出すセリア。頼んでおいてなんだが、一つの文句も言わずに行くとは思わなかった。しかし迷いないスタートは見事。ここから一番近いコンビニまで普通に歩いて往復十分ほど、小さなセリアでも走れば充分に間に合うはずで――
「どうぞ、ご主人さま。買ってまいりました」
「ああ、ありがとう」
そうして素晴らしいタイムでセリアは帰ってきた。
手渡された品はまさしく頼んだものだった。マンガを読まない人にとって雑誌の見分けはつきにくい。
「よく手に入れてきてくれたな、セリア」
「ありがとうございます。ご主人さま」
少年向け雑誌であれば、セリアにとっては尚更分かりにくいはずだが見事に使命を果たしてくれた。が、しかし――
「――残念ながら不合格だ、セリア」
「!」
セリアの目の前に表紙を突きつける。グラビアアイドルが飾るそこには『ヤングジャソプ』と文字が踊っていた。
「これは俺の欲しかったものじゃない!俺が欲しかったのは好きなマンガが載っている『週刊少年ジャソプ』の方だ!」
「――なんと」
「同じ週刊誌だから間違えたな。セリアが買ってきたやつのだと、俺は先生のちょっとエッチなシーンが見れない。妹としてもまだまだ読みが甘いな」
「………。」
「残念だが、これでセリアは――」
「こちらをどうぞ、ご主人さま」
結果を告げようとした瞬間、週刊少年ジャソプを渡される。セリアはランドセルの中に隠していたのだ。
「こんなこともあろうかと、買っておきました」
「なん……だ、と……」
『少年ジャソプ』『ウルトラジャソプ』『ヤングジャソプ』『ジャソプSQ』『グランド』『最強』『V』――赤いランドセルから次々取り出される雑誌たち。そこには全てのジャンプが揃っていた。
「スキの生じぬ二段構え…!」
「なんてことだ!ひと月内に全て買えば少年のエロい夢が叶うと言われているジャソプをこの短時間で集めるだなんて!」
「これならセリアちゃんはもう一度買いに走らずに済むし、長瀬くんも他のジャソプの魅力も知ることが出来てかつ業界もキチンと売上を確保できる――一石三鳥のパーペキな展開だわ!」
「なんなんだコイツら!?」
俺が驚くより先にギャラリーが湧いた。万雷の拍手とともにセリアが讃えられている。深夜の通販番組もびっくりな見事な驚きよう。果てしなく胡散臭い。
「でも、一体どこで全種類手に入れたんだ。本屋じゃないとムリだろ」
「ええ、近所の本屋で手に入れてきました」
「! まさか魔法を――」
「いえ、魔法は使っておりません。予め予測して買っておいたのです。」
「なに…!?」
「ご主人さまがわたくしの転校を予想していたように、
「なん……だ、と…!?」
「優れた妹は常に兄の一歩二歩先を読むものですから」
ちょっと自慢げに、しかし淡々と答えるセリア。宝石のように紅い瞳が見透かしたようにこちらを見つめている。
「しかし、なぜここまで――」
「おやおや、ご主人さまは何故わたくしがこのような対応をしたのかと不思議に思っている様子ですねぇ。いいでしょう、解説致します」
気取ったような説明ゼリフ。セリアを呆然と見ていたらなんか始まった。
「通常、ご主人さまは雑誌は買わずに単行本で読み進めるタイプ。つまり普段は立ち読みもせず、もししたとしてもそれは集めているマンガが連載されていないものを読む。新たな作品と出会うために読むわけです。ご主人さまが集めているコミックスは勉強ができないアレですから、わたくしにジャソプのお使いなどを頼まないはず。これはわたくしの中で大きな疑問でした」
セリアの発言は全て的を得ている。こちらに転移してきたばかりなのに俺の行動パターンは完全に把握されていた。
「わたくしの推理はこうです。ご主人さまは、初めからわたくしに勝たせるつもりはない。テストの条件は『従者であり妹』としての価値を示すことであり、言われた物をただ買ってくるだけでなく、妹として兄の心情が分かるかもチェックされている。手に入れるべきアイテムは週刊発売とジャソプという二点を満たしている『少年ジャソプ』と『ヤングジャソプ』。しかしどちらも購読していないご主人さまにもし一方のみを買ってきた場合、わたくしの敗北はそこで決定します。それは双方に予め言い訳が用意されていたから。少年ジャンプを買ってきた場合は『俺はコミックスで読む派なのに、ネタバレじゃないか――』と。最初の問いかけもミスリードを誘っていたわけですねぇ」
ぐうの音も出ないほどその通りだった。でもその口調はなんなんだ。敵に回してはいけない人なのか。
「それからもう一つ。この付近のコンビニでは『ヤングジャソプ』の入荷が極端に少なく、もし販売していたとしても紳士たちの手により即売り切れとなってしまう。近年では残念なことに青年向け雑誌に厳しい目が向けられていますから…。嘆かわしいことですが、このような雑誌を規制しても性犯罪が減るかどうかは分かりません。ただこのような性衝動を想像で満たしてくれるものが手に入りやすい国は、性犯罪が少ないということだけは知っておくべきでしょう。雑誌に載っているものは単なる絵であり、登場人物は現実を生きる名を持ち戸籍を持つ人、税金を支払っている人たちとは一切関係ありません。あくまでも空想の産物、そこに現実を生きる我々の問題を押し付けるなどナンセンスであり…――おっと、細かい批判までしてしまうのはわたくしの悪い癖。」
「しかしセリアさん、なぜ全てのジャソプを買ったんですか?それならヤングジャソプと少年ジャソプだけで良かったんじゃ…?」
「成田くん、それはわたくしが気になったからです。ご主人さまと同じく、他の雑誌で『ロリママにたっぷり甘えるバブみ溢れる連載』があるかどうか、だらしなくオギャれる作品と出会う為に買ったのです。しかしそこは終焉社。きっと今のトレンドを読んでくれているはず。さっそく読んでみましょう――」
・ ・ ・ ・ ・
「なんでナイんですかッ!!!!終焉社ッッッ!!!!!!恥を知りなさァァァァァァイッッッ!!!!!!!!!!!!!!」
「急におっきな声出すな!!びっくりするだろ!!?」
普段の無表情から一転、激しく激昂する幼女にビビる。まさかそこまでロリママバブミ連載が欲しいとか病気か!病気なのか!?
「連載がないなんて…こうなると『えっちなマンガを読みながら実際にそのプレイを真似てみる』という鉄板プレイができません…ご主人さま、どうしましょう」
「アンタ、なにを考えてるんだ…」
「それにご主人さま。わたくし、こう見えても1919歳。エルフではまだまだ若輩者ですが、ヒトよりも経験豊富であり、ママみにも自信ありです。あの年増には負けませんよ」
「そんな自信はただちに捨てなさい!」
「ご主人さま。わたくし、 1 9 1 9 歳です」
「だから分かったっての……なんで2回言ったの?」
「大事なことですので。この見た目で条例にひっかかっては困りますし」
「お前は何を気にしてるんだ…」
しかし勝負は完全にこちらの負け。しかもセリアに論破までされてしまった。この銀髪幼女がとんでもなく優秀なのは分かったが、素直に褒める気にならないのはナゼだろう。
「とにかく、これで話はまとまったな。小狡い長瀬も素直に負けを認めるんだな」
「ぐっ…! 仕方がありませんね…」
「見ろセリア、あれをツンデレと言うんだ。長瀬もチョロいな」
「ああ、ご主人さま………お可愛いです。抱きしめてナデナデしてあげたいです」
「生暖かい目で見るんじゃない!先生もヘンなレッテルを貼らないで下さい!」
「ではセリア、お前は長瀬の後ろの席だ。俺たちはお前を歓迎するぞ、全員拍手だ」
すっぱりと抗議をぶった斬り、話をまとめにかかる成田先生。
勝負で負けてしまったのは仕方ないが、納得したわけじゃない。何か、何か方法はないのか――!
「そうだ!こんなとき、冷静なつかさなら――!」
「ま、マズイのだわ……一体どうすれば………」
「ん?」
隣で石像のように白い顔で硬直しているつかさ。
俺は気づいていなかった。いつも冷静なつかさがセリアを見た瞬間から頭を抱えて黙り込んでいたことに。
「……………。」
そして、拍手の中を歩くセリアが冷たい目でそれを見ていたことに。この時の俺は気づいてなかった。
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