第90話 新入学…… (3)
だから和は慌てて部屋を飛び出て、階段を下り、キッチンへと飛び込む──。
するとそこには、タイムリープする前の自分よりも若い和の母親の姿があるし。和の目に映るから、彼は驚愕──!
六人の女神さまのことを母に『知らないか?』と、尋ねるどころではない。
おばあちゃんから超がつくほど美魔女化している母親の姿がそこにあるから。
「お袋が美魔女化して美人になっている──!」と。
朝から近所迷惑になるような、声を大にして、絶叫の如く、叫んだのだよ。
それを聞き和の母親は、後ろを振り返り。
「はっ、はぁあああっ! か、和~。あ、あんた、頭は大丈夫~? 何処かで、強く売ったりしていないわよね~? 何かしら急に可笑しな事を言い始めたけれど」
和に言葉を返すのだが、彼の母親も、自身の子供が朝も早くから、自分のことを美人だと褒めてくれたから困惑……。動揺迄始めだしたのだよ。
本来ならば和の母親も『綺麗だね、母さん』と、可愛い息子に褒めてもらったのと同じことだから嬉しいことなのだが。
和の口調……物言いが、余りにも荒々しいというか?
オジサンさん臭いから驚愕をしているのだ。
特に和自身も忘れているのだが、この頃の彼は、今のような「儂! 儂!」言葉ではなく。
『僕! 僕!』言葉で、自分のことを『和君ねぇ~』と、可愛い口調で母親に話しかけてくる、彼女にしてみれば目に入れても痛くない程可愛い息子……。
それこそ? 彼女の理想の男性の筈なのに。昨日とは打って変わって、可愛い僕ちゃん口調から、年寄り……。
それも、セクハラ爺のような口調で荒々しく話しかけてくるから。
和の母親も驚愕──!
そして絶叫をあげながら。
「あ、あなたぁあああっ! か、和がぁあああっ! 家の和が可笑しくなっている──!」
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