第91話 新入学…… (4)
すると今度は和の父親からの声が。
「今日は和の入学式だろうに。お前、和が可笑しくなっているって、どう言うことだ~?」
まあ、自然とこんな感じで放たれる。
それもさ、妻の声に驚いて、和の父親もキッチンへと慌てふためきながら踏み込んでくる。
そうなると、容姿はピカピカの一年生だが中身は五十歳過ぎたオジサン息子との、親子の対面が時を越え実現をするとなれば。また和の口からは、先程一緒の台詞が放たれる
「うわぁあああっ! お袋だけではなく、親父がお兄ちゃんになっている~」と。
自身の父親を愚弄するような言葉がね。
だから父親は、幼い息子に、『お兄ちゃん』と、呼ばれて悪い気もしないし。そうかといって? 息子が父親のことをオジサンみたいに『お兄ちゃん』と、見下すように呼ぶのはどうかと思うし?
まあ、何とも彼は複雑な心境で、自身の妻に。
「お前の言う通りだ。家の和が思春期に入ったせいか? 可笑しくなっている……」
と、彼は困惑、落胆をして。その場に気落ちをした表情でへたり込み始めたのだよ。
でッ、和の父はこうだが、母親の方はというと?
慌てて和へと抱きつきハグ……。
そして自身の両目から熱い物を流しながら。
「和どうしたの~? 急に可笑しくなって~? 昨日迄のあなたは、普通に良い子だったのに……。母さんは、本当に悲しいよ……」と。
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