第83話 女神さまの願い? (11)
この戦しか取り柄のない馬鹿女神が、一度男の味を覚えると。本当に腑抜けというか?
ほとんどうちのひとの言いなりみたいに動いて。
それにさ、このままだと、本当にうちのひとに甘い。アテナだけの所有物に、うちのひとがなりそうだから。ここはガツンと一発うちのひとに不満と。本当にうちのことが嫌なのか訊ねてみることにする。
「あんたぁ~?」
「な、何~?」
「アテナの言う通り~。あんたは、本当に、うちのことが嫌いになったん~?」
うちは先ずこんな感じでうちのひとに訊ねてみた。
「えっ? い、いや~。そ、その~。何だ……」
するとうちのひとは最初、発育前の小さくなったアテナの胸に顔を擦りつけ。うちと目を合わせないようにしていた。
でもね、うちのことが嫌いになったのか? と、訊ねたら。こちらを向き動揺を始めながら台詞を漏らし始めたから。
「その~、じゃないよ。あんた~。早くハッキリ言って、あんた~? あんたの言葉次第では、うちは天界に返るから……」
もう、ハッキリとしないうちのひとに。ちゃんとうちのことが好きだと言わないと、天界に里帰り、兄貴の許に帰るからと不満……。脅してやった。
だってうちのひとの頭を優しく撫でながら、勝ち誇った顔をしながら、「フフフ~」と、うちに苦笑をするアテナの様子を見ていると、心底ムカついて仕方がない。
それにさぁ~。アテナに言って悪いが。
「アテナ~。頭鎧を常に被っているあんたが~。昭和の世代に流行った『ぶりっ子』仕様をしても全然似合わないんだよ~」と。
うちはアイツに、声を大にして叫んでやりたい。
と、いうか? 叫んでしまった。
するとアテナの奴は、自身の顔を猿のように真っ赤にしながら。
「カ、カイロス……。貴様だけは許さん……。我戦女神がこの世から貴様を消し去ってくれよう……」
こんな恐ろしい言葉を低く重い口調……。
それも荒々しく憤慨しながら告げてきたアテナは……。
どうやらうちと一戦交えようとしているみたいだね。
と、なると。こちらは先手必勝──。
「うりゃぁあああっ! うりゃぁあああっ! この黄泉平坂から二度と天界へ帰るなぁあああっ!」
う~ん、気持ちいい……
うちが放った魔法弾──全弾アテナに直撃!
これだと流石に、あの化け物も只では済まない筈!
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