第78話 女神さまの願い? (6)

 まあ、その豪快に笑う姿が、美と豊穣の女神さまなのに、何ともはしたないと思いながら。


「何が可笑しいのさぁ~? イシュタル~?」


 うちは自身の眉間にシワを寄せながら、ツレであるイシュタルへと訊ねたのだよ。


 何がそんなに可笑しいのかとね?


「そりゃ~。あんたが余りにも、あっちの方が激しいから笑いがでたよ~。カイロス~、あんたいつも自分は乙女だと言っていたけれど。あんた本当に乙女だったの~? 昨日のこの人間との、交わりと腰使いを傍から見る限りでは。とてもじゃないが? カイロス、あんたが乙女だって言うのは信用できないよ……? もしかしてあんた~? 兄貴のクロノスとできていて経験済みじゃないの~?」


 うちのツレであるイシュタルが、こんな恥ずかしいことを平気で。うちに告げてくるのだよ。


 でッ、挙句の果てには、うちと兄貴が近親相姦の恋仲だと言うのだよ。本当に失礼なことをうちに告げてくる女だと思うから。


「イシュタルあんた~! いい加減にしなさいよ~。うちが何で兄貴と恋仲にならないといけないわけ? それにさ、うちは何度も言うけれど、本当に正真正銘の生娘だったのだから……。それにさ? 昨晩はうち自身もかなりお酒に酔っていたようだから。お酒の力をかりてノリが良かっただけだよ~。本当に失礼なことを言う奴だね、あんたは~」


 うちに失礼なことを告げてきたイシュタルに対して。うちは憤慨しながら不満を告げてやった。


 う~ん、それでもさ、イシュタルの奴は『ケラケラ』と苦笑しては、うちを嘲笑うから。


 アテナの奴が珍しく、女性らしい仕草で、自身の膝の上に頭を載せて寝かせている、爺の身体に、両手を当て揺すり始める。



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