第75話 女神さまの願い? (3)

 と、なると? うちは自然と声を大にして叫んで驚愕──。


「ぎゃぁ~。な、何? これはぁあああ~。か、和起きてよ。今直ぐに頼むから~。うわぁあああん~! うちはどうしよう~? 和の子を身籠ったかも知れないよ~⁉」


 まあ、こんな感じで、声を大にして叫び、泣きながら、和の身体を揺らし起こし始めたのだよ。


「う、ううん……」


 でもね、和は、うちが必死に身体を揺らしてもこんな感じで声を漏らしはするが起きてくれないの。


 それどころか? 更にうちへと抱きつき甘えてくるの。


「うぅ~ん、ムニャ~、ムニャ~。カイロス~、早くこっちに来い……」と。

 和は寝ぼけながらでも、うちの名を呼ぶのだよ。自身の彼女? 若しくは

 妻のようにね。更にうちを貪ろうとしてくるから。


「もう~。いや~。離れてよ。和~。それよりも、早く起きてよ~。あんた~」


 と、呼び起こすのだけれど。うち自身も今、ついついと和のことを自身の男みたいに『あんた~』と、咄嗟に呼んでしまった。


 と、なると? うちと和はそんな関係になってしまっている? と、いうか? うち自身もちゃんと自覚をしているということじゃないか~。


 特にうちは女神で神話の時代から生きてはいるのだけれど。未だ生娘だった。我が家の兄貴が異性に煩いから、未だに彼氏の一人も出来たことがないの。


 それなのに、いきなり子が出来る可能性が出来てしまったよ。


 もしもこのことが家の兄貴にばれたらうちは兄貴に大折檻をされてしまう。


 まあ、うちが折檻を受けるだけなら良いのだが?


 このひとは多分? 家の兄貴に殺されてしまうと思う?


 う~ん、さてさて、どうするかな?


 じゃないよね~? そんなことよりも早く家のひとを起こさないといけない……。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る