第73話 女神さまの願い? (1)
「うぅ~ん、あああ~。朝か?」
……多分ね? と、うちは声を出しながら思った。
ここは漆黒の闇が支配をする冥界の手前、黄泉平坂だから、辺りが真っ暗闇なのでよくはわからないけれど?
多分、うちの体内時計からいくと朝だと思う?
と、いうよりも? 時の女神であるうちが朝だと思うのだから。朝で間違えはないと思う。
「うっ、痛ッ、痛たたた……」
うちは思わず、自身の頭が痛くて仕方がないから声を漏らした。
まあ、頭が痛いだけならいいが、うちは気分も悪いし倦怠感もある。
だから今日は何故? 朝から体がすぐれないのだろうか? と、思い思案を始める……では、ないか? 思案をするだけ無駄……。
だって昨晩は、うちは姐さん達やツレ達と夜遅くまで宴をし、皆でお酒を飲み交わし、踊り戯れていたから。多分その為に、うちの頭は二日酔いで偏頭痛……頭が痛いのかも知れない?
となると? うちの自業自得ということになるよね?
まあ、それにしても昨晩は飲み踊り過ぎた。
だから後半の方は、うち自身全く記憶がない。
何がどうなって寝落ちしたのかも覚えていない状態だから。我ながら情けないとうちは思う。
だってうちらは、女神さまなのだから。それなりの神々しく凛として威厳のある態度で人間達と接しないと……ッて?
うちは昨晩、元人間のオヤジだった者と酒を飲み交わしていたことを忘れていたよ。
そのオヤジの名は和……。
さぁ~て? 彼は、何処にいるのやら? 未だうちは寝ぼけていたから、和の姿を確認していない。
だから「えぇ~と……」と、うちは声を漏らしながら和のことを探索──。
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