第64話 天国良いところ~。酒も美味いし、姉ちゃんも綺麗だ~ (3)
「あれあれ、可笑しな? ここにいる人達は、儂以外は皆無反応……。まるで意思を持たないマネキン……。と、いうよりも? マンガやアニメなどによく出てくる亡者のようだ……」
和は自身の掛け声に対して、全く反応を示さない周りにいる者達に対して、こんなことを思い感じるのだよ。
まるで魂が抜けた亡者のようだと言葉を漏らす。
その言葉を神は聞き。『ほう~、和は良く分かっているではないか~?』と、思ってしまった。
まあ、その辺りは和の幼少期……。昭和のアニメ黄金世代の柔軟な思考が功を奏したといった感じかも知れない?
特に和の幼少期は、夕刻からゴールデンタイム迄毎日のようにテレビでは、アニメや特撮ヒーロー物ばかりが流れ、お茶の間を賑わいさせていた時代だからね。
そんな環境下で育った和だから、困惑……動揺している自身の気を落ち着かせると、柔軟にこの場の状況判断ができるようになる。
だから自身の周りを無反応で歩く人々を見て、先ずは、亡者のようだと思うのだ。
でッ、彼が次にこの漆黒の闇を見て思うのは?
ここは異世界若しくは? あの世……。天国なのではないか? と、思うのだ。
そして先の見えない上り坂を歩く亡者の人達の流れを見て、ここは冥界の手前、『黄泉比良坂』ではないのだろうか? と、思う。
と、いうよりも? ここは黄泉比良坂で間違えない! と確信をしたようだ。
でッ、本人も我ら神々と一緒で、(何故? 亡者である儂が、生前のように、黄泉比良坂の中で意思を持ち、自由に動けるのだろうか? 可笑しい……?)と、思ったみたいだ。
だから和は自身の両手を組み、「うぅ~ん、うぅ~ん」と、声を漏らしながら思案を始めるのだよ。
「(お~い! 兄さん! 兄さん! 兄さん~! お~い、兄さん~! こっちだよ~! こっち~!)」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます