第63話 天国良いところ~。酒も美味いし、姉ちゃんも綺麗だ~ (2)

 だから神は今の馬鹿な女神は誰だ⁉ と、咄嗟に思ったのだよ。


 女神の微笑みが聞こえた気がするからね?


 う~ん、それとさ、この冥界の手前、黄泉比良坂に異変が起きているから、神々は不審者に目を光らせているのだ。


 そう、何故か? 亡者の癖に、自身の居る黄泉比良坂で、平然と自分の意思を持ち、感情で声を出し動いている男──。和のことを神々は不審に思い。監視──。

 観察を続けているのだ。


 一体何故? あの男が。黄泉比良坂で普通に動けるのか不思議……?


 かが邪な思いで、和に命を再度与えたに違いないのだよ。


 だから我々は和のことを監視している最中……。


 そんな緊迫した中での、今の女神の微笑みは腑に落ちない。


 だから我ら神々は、更に監視の目を光らせるのだが……。


「姉さん、姉さん、姉さん達~?」


「うぅ~ん、どうしたのかなぁ~?」


「ん? どうしたの~? 貴女~?」


「何だ~、貴様~? 我に何用だ~?」


「もしも暇なら、姉さん達? うちの趣味の為に力を貸してよ。うちの兄貴の目を欺くために~。頼むよ~。お願いだから~?」


 和の監視を強めている我の耳に、何処からともなくこんな邪な会話が聞こえてきたような気がする?


 多分? 女達の声だった気がする?


 そうなると多分? 女神達の邪な恋話しだと思うから?


 我ら男の神達は、余り内容を聞かないようにした。


 だって男の神々の中には、女神を自身の伴侶にしている者達もいるから。女神達の内緒の恋話しを聞く耳を立てて聞いたとなれば、後で絶縁を告げられる者もでる可能性もある。


 だから男の神々達は、女神達の邪な会話を無視したのだよ。


 後日大変なことになるとは思わずにね。


 まあ、その辺の話しは後日することにして、取り敢えず我は、話しを進めていくことにする。


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