第35話 プロローグ と、言うよりも? どうしようもない男……(35)

 やはりこの男は只者では無く。どうしようも無い男だと、傍から見ている者達は思うのだよ。


 でもさ、先程男の妻や子供達が。彼に不満を告げた通りで、このまま働かないと、自身の家にお金がなくなり生活ができなくなるから。男は仕方なく昔のツレや後輩等にスマートフォン越しではあるが、自身の頭を下げて。


「わり~い。また儂を雇ってくれんか~?」と、嘆願をするのだよ。


「……ん? ああ、別に、いいよ~。いつからくる~?」


 するとさ、スマートフォンの向こう側から、昔のツレや後輩等から良い返事がいつもの如くもらえるのだよ。


 特に今の令和の時代……。


 と、言うか。平成の時代もそうなのだが、肉体を使用した労働……建設等のお仕事は人手不足のようで、昔のツレや後輩等に仕事をさせてくれないか? と、嘆願をすればたいていが良い返事を頂けるみたいだね。


 だから男は運送会社や色々なサービス業を自主退社すれば、こんな感じで元ツレや後輩等が経営している建設関係──。


 そこのアルバイトで雇ってもらい。取り敢えずはそれで糧を経て生活を続ける。その日暮らしをおこなうのだよ。


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