第34話 プロローグ と、言うよりも? どうしようもない男……(34)
でッ、男は若い社長等に、「明日には入金をしておけよ……。でないと? 明後日には診断書を持参して警察の方へと行くからな。わかっか~? クソガキ~?」と、捨て台詞を吐き。今度こそ二度とくることはない会社の事務所を後にする。
『ペッ~』と唾を吐きながら。
まあ、男はこんなことばかり続けるから、ちゃんと正社員として雇ってもらえない。
これもみな彼が昔凝ってオタクになったヤンキーの為だと思う。
だって男は、唾を吐きながら会社の事務所を後にする時も。
「ヤンキ~の兄ちゃんは、唾を吐く~」
と、鼻歌を 高らかに奏でながら歩いているのだよ。
自身が悪いのに、会社の社長や上司に頭を下げることができないような、どうしようもない男なのに。
未だに自分自身が昔取った杵柄であるヤンキーが素晴らしいと。未だこの時点では男は思っているみたいなのだ。
でッ、自分自身がヤンキーでいることが素晴らしいと思うのは別に構わないのだが。
「今日、会社の社長と喧嘩をしたから。会社を首になった」
と、妻や子達に勇んで告げても。
「いいけげんしてよ~。お父さん~。これからの生活費はどうするの~?」
妻や子達は顔色変えながら男に訊ねてくるだけだから。
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