　すると先程迄、血気盛んに男を強打していた若い会社の社長等は。彼とは逆に、自身の顔色を変え青ざめ始めた。

　そして男へと、「そ、その手には乗らないからな……」と、弱々しい声色の上に、慌てふためきながら言葉を返したのだよ。男にね。

　だって若い会社の社長等は、自身の心の中では、（ど、どうしようか？）と、思っているから。

　彼の表情はどうしても動揺を隠せない表情がでてしまうの。

　どうしても若い会社の社長等には、五十歳異を過ぎた男と違って、未だ若いから夢も希望もある。

　それに未だ若くて幼い家族もいるから、男に傷害事件として訴えられてしまうとこの先の人生に傷は尽くし、暗雲が立ち込みそうだから。

　男に対して気落ちをした様子と弱々しい声で。

「あ、あの……。警察に通報するのだけは許して貰えないだろうか？　元々些細な口論から始まった喧嘩なのだから。お互いが納得いく喧嘩をしたと言う事で、傷害事件にするのだけは許して欲しい。お願いだから……」

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