第7話 誰か助けてくれ、お願いだ!(2)
う~ん、でもさ? この場所は、先程も説明をした通りだよ。
生きている者達が住み暮らす現世ではない。ないからね。
いくらおじさんが絶叫をあげながら助けを呼び、乞おうが、誰も彼を助けてはくれないし。駆けつけてもくれない。只ひたすら踏みつけて歩く、行軍、進行を、無表情、無感情でするのみ、なのだから。
おじさんも「うぎゃ、あああ~! 誰かぁあああ~! 誰かぁあああ~! 助けてくれぇえええ~! お願いだぁあああ~!」と。
絶叫! 叫ぶ行為をするのは辞めた方が良い。良いと思うぞ? するだけ無駄な行為、だけだからね。
それよりは? 己の体力を無駄に消耗することはやめ、体力温存に勤めた方がいい。
ましてや? おじさんは一度他界をした者なのだから。このまま再度他界をする方がよい。と。いっても?
ここが冥府手前の黄泉平坂なのだから。おじさんは二度と他界をすることができない。できないかも知れないね?
あああ~、可哀想に。まあ、彼の場合は、自殺、自害と言う奴だから。尚更致し方がない。諦めた方が良い。良いと思うぞ? と、告げてやりたい衝動に駆られるのだが。
まあ、彼──。おじさんのことを放置するのが一番! 一番だと思われる。
う~ん、でも? 可哀想だね、おじさんは? だって彼は? 現世で言う第二の人生を満喫できずに他界をした訳だから本当に可哀想だと少しは思う。思うことにしてあげることにする。
◇◇◇◇◇
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