第11話 ウィンドドラゴンとの絆
その日の夜、2人はウィンドドラゴンの里に案内された。アリッサは知らなかったが、どうやらカラードラゴンの里にも竜の巫女とそれを補佐する少数の人間がいるようで、まるで王様のように2人はもてなされた。
あの後アザムも持ち前の再生力と巫女さんとリーシアの治癒のおかげで、夜には動けるようになり宴の席に顔を出していた。
だが、目が合うとびくりと身体を震わせることからよっぽどアリッサのことがトラウマになってしまったらしい。
「アザムくんに嫌われちゃったなぁ」
「いやいや、あんなことされて嫌われない方がおかしいわよ…」
竜族に伝わる極上の酒をいただいて少し気分が高揚しているアリッサは、アザムくんに何度もダル絡みをしようとして逃げられていた。
「そういや嫌いなNPCの話は聞いたけど、逆に好きなNPCはいるの?」
「ん?ああ、そうだなぁ……―――んーと、一番はオーディアスから離れた場所に小さな町があるんよ」
「オーディアスから離れた場所……?」
「領主らしい領主はいねえ町でさ、そりゃあもう一言で言えばスラム。悪党どもが暮らす吹き溜まりみたいなもんで、その町に娼館を構える女性NPCがいるんだ」
普段ヘラヘラしているアリッサが今日は酒が入ったせいか、前にはぐらかされた好きなNPCについて語ってくれた。
「しょ、娼館……まさかその町って盗賊の町って言われているエメランテなの……」
「そうそう、エメランテ。でさ~その娼館の主がそれはもうすっげえ美女なんよ。もうこの世の女性とは思えないほどでね。あ、リーシアも可愛いけどお前性格があれだから―――で、その女性の正体がなんとびっくりサキュバスなんよ!」
「ちょっと私について少1時間くらい問い詰めたいけど、サキュバスって本当?」
『ほう、サキュバスか。魔王が滅びて以来久しく名を聞いていなかったが、まさかそんなところで生き延びていたとは』
「イレラさん知ってる系か。まあ、魔王の四天王の1人にクィーンサキュバスがいたからね。時代も時代なら知っているよな」
巫女さんから盃に酒を注いでもらい、また一口酒を仰ぐ。
「話を戻すと、そこの娼館の主のサキュバス姉さんは今言ったクィーンサキュバスの娘さんで、名前はリリスっていうんだ。ああ、もちろん娼館に働いている子は皆サキュバスな」
「死人が出たりしないの……」
「ん、ここじゃどうか分からないけど、あくまで人間世界のルールに則ってやっているんじゃないのか?魔王が滅びた今じゃモンスター側は人間側に負けているし」
『そうさな。モンスターと人間の大戦争で負けたモンスターは、今ではその数を減らしている。それに最近になって増えた冒険者によって更に数を減らしてるそうだ』
「結局共存関係に落ち着くのが一番なんだよ。それをしなかったからこそ魔王も古代竜も滅びたわけだしさ」
『それも知っているのか』
「ここまで来るために使っていた幻術殺しがジャバウォックの大剣だったんだよ」
『はは、アリッサ殿と話をしていると頭が混乱してくるわ。なるほど、確かにかの魔竜王の剣ならばあんな子供騙し、通用するはずもないか』
「私もよ……」
『お主も苦労しているようだな…』
「ええ、分かってくださるのですね……」
「でなぁ、そのリリスさんに目茶苦茶会いたいんだよね」
乾いた笑い声をあげるイレラにリーシアは、初めて共感を得た相手がウィンドドラゴンの族長とは何とも皮肉なことか。
そしてそれに構わず上機嫌なアリッサは一人リリスに対する想いをぶちまけるのであった。
「あったまいてえ……」
「昨日あんなに飲むから……」
翌日の朝、アリッサは二日酔いの辛さから目を覚ました。
「本当はあまり使いたくないのだけれど、治癒魔法で治すわ」
「すまねえ……」
リーシアの手が頭に触れ、治癒魔法を唱えると二日酔いは一瞬で消え去り、教会に行けば詐欺に近い値段を吹っかけられる治癒魔法を二日酔いというしょーもないことに無駄遣いをしてしまった。
「お目覚めになられましたか」
「おお、メイちゃんか」
2人が泊まっていたテントに入って来たのは、重症の怪我を負ったアザムくんを癒した竜の巫女のメイちゃんだった。
ウィンドドラゴンの巫女らしく、ショートカットの髪は緑色で、服装は踊り子を思わせるような露出大目の服装。
ウィンドドラゴンの牙をあしらった首飾りを下げた10歳くらいのメイちゃんは、イレラに遣わされて2人を呼びに来たらしい。
「イレラ様がお呼びです」
「分かった。ありがとね」
「いえ、これも御役目なので」
どうもあのアザムを一発で倒し、族長のイレラとため口で話すアリッサには緊張しているらしい。リーシアに聞いたところ、彼女には普通に話しているようだから自分だけだそうだ。
「昨日の素材の話かしら?」
「かもな。あ、そうだ、リーシア。お前もここと交易関係結んでおけよ。昨日出された飯を食ったけど、結構丸焼きとか煮込みが多かったからさ、食材とか食器とか取引する代わりに竜族の鱗とかもらったらええやん」
「あ、それいい考えね!話してみるわ!」
「メイちゃんもいいと思うよね?」
「あ、はい……で、でもここはイレラ様の里なので巫女である私が意見するのはおこがましいと言いますか…」
「竜族って美食家じゃないの?」
「うまい酒作ってんだから味は分かると思うよ?多分リーシアの提案に乗ってくると思うけどなぁ」
そんなこんなでメイちゃんと仲良くなろうと努力するアリッサは、あっという間にイレラの家についてしまった。
リーシアと言えば、竜族と取引をすると意気込むせいか緊張しており、かつてないほどにガチガチになっていた。
「イレラ様、アリッサ様とリーシア様をお連れしました」
『おお、来たか。入られよ』
「では、私はここで」
「ああ、どうもねメイちゃん」
メイちゃんとは入り口で別れ、人間が入るには大きすぎる竜族の家の玄関を跨ぐと中には、左右にずらりと並んだウィンドドラゴンとその奥でイレラが待っていた。
「随分と数が」
『かの地に散っていた同胞が帰って来たのだ。どうもアリッサ殿を一目見たいと言い出しおってな』
『族長、アザムが手も足も出なかったとは本当なのですか?俺にはただのちっぽけな人間の雌にしか見えないですが』
『そうだ。族長、質の悪い冗談だぜ。こんな人間の女に何故我らが頭を下げねばならん!』
あるウィンドドラゴンの一言で口々にドラゴン達が騒ぎ始めた。どうやらここにいるウィンドドラゴンは、里を離れて外の世界で修業をしているドラゴン達らしく、昨日の宴の席にはいなかったらしい。
『うるせええ!!』
どうしたもんかと困り果てたところで、イレラの隣に控えていたアザムが一喝した。その一喝に今まで騒いでいたウィンドドラゴン達は一斉に静まり返る。
『アリッサの姉貴に負けたのは本当だ。お前ら、インドラ様の角で作られた槍をくらったことはあるか?』
『い、インドラ様の角だと…!?』
『一瞬だぞ。俺が気付いた時には結界も破壊されて胸に風穴が空いていたんだ。見たこともねえのにインドラ様の顔が槍から浮かんで、震えが止まらなくなるんだ。今だって思い出しただけで足が竦んで動けなくなっちまう。
お前ら、そんな武器を扱う相手になにふざけたこと言ってんだ?』
『ぞ、族長……それは本当なのですか…?』
『ああ、全て真実だ。我もあの槍が放たれた時、インドラ様の気配を感じた。あれは間違いなくインドラ様の加護を受けし武器だ』
族長に任命された竜は、真竜であるインドラに加護を授かる。その加護を受けたイレラが言うのだから周りのドラゴン達はもう黙るしかない。
むしろ失言を買って自分らが殺されかねないと身を案じる始末。
『うちの若造が申し訳ない。ただ黙って見ているだけと約束したのだが、どうも血の気が荒くてな』
「別にいいよ」
『感謝する。それで素材とのことだったが、何が入用か?』
「えっと、鱗と牙と出来れば角があると嬉しいんだけど、角は君らドラゴンの象徴だし……」
『それなら俺の角があるぜ』
「アザムくん?」
角があるとないとでは完成度が違ってくるので、是非とも欲しいところでアザムが声を上げた。
『アリッサの姉貴が最初に言ったように、情けねえ話だがまだ思い上がっていた頃にダークドラゴンに喧嘩を売っちまってよ。それで、その時に折られた片方の角があるんだ。それでよければあげるぜ』
「いいの?」
『関係ねえさ!どうせ折れちまったもんだし、強さに角なんて必要ねえ。是非使ってくれ』
『と、アザムが角に関しては申し出てくれた。鱗と牙は若い連中の生え変わりが捨てずに取っておいてある。好きなだけ持っていくがいい』
「ありがたいよ。アザムくん、ありがとうね」
『いいってことよ。どうもあの角を見ると苦い思い出が蘇ってくるもんだから、早々に処分したかったんだ』
『アザムの角をこちらに持ってこさせよう。おい』
『はっ!』
イレラは側近のウィンドドラゴンに指示を出して取りに行かせる。会話が途切れると否応にも感じてしまう微妙な空気が漂っている。
それは誰もが感じており、アリッサも例外ではない。リーシアの件が片付いたら早々にこの村を去りたいところだが、恐らくそうもいかないのだろう。
曲がりなりにもストーリー後半で関わるドラゴン族と最序盤で知り合ってしまった。昨日の出来事もウィンドドラゴンの伝令を通じて竜の里に伝わっているだろうし、近いうちにインドラからアプローチがあるかもしれない。
「イレラさん、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
『申してみよ』
「オレのことは、どう報告するつもりなの?」
『………昨晩アリッサ殿とリーシア殿が眠りにつかれた後、我らは話し合った。結論から言うと、真竜には包み隠さず事の顛末を話すつもりだ』
「まぁそうだよね……」
『だが、決して悪いようにはしないつもりだ。既に我と2人は友となった。そなたが望めばいつでも竜の里に案内もする』
「ああ、それはありがたいよ。でも、まだそれはいいや」
『うむ。他に何かあるか?』
「あと一つだけ。実は竜の素材を溶かすために火種が欲しいんだ。貰ってばかりで心苦しいんだけどね…」
『火種か……それはどのようにすればいい?』
「ああ、えっと、これに火を吹いて貰えれば」
アリッサはインベントリから火がついていないランタンを取り出す。
『これに火を吹けばいいのか?』
「うん、ドラゴンの熱じゃないとね」
『では、そこに置くといい』
中央にランタンを置いて離れると、イレラ自ら火をくれるらしい。息を飲み込むと綺麗な緑色の炎を吐き出す。
時間にして一瞬。まるで突風が突き抜けたかのように火が消え去ると、そこには緑色の炎を灯したランタンが鎮座していた。
「アリッサ、これは?」
「ああ、これが火種。これでウィンドラゴンの炎を灯したランタンが手に入った」
『これでいいのか?』
「うん!ありがとう!!」
「綺麗な炎ね……」
「ウィンドラゴンの炎には火属性のみならず風属性も混ざっているんだ。ちょっと触ってみ?」
「え!?い、嫌よ!熱いじゃない!」
「いや、熱くないんだよ。ほら、熱くない」
ランタンの炎に手を伸ばして何度も行き来させるアリッサを見て、リーシアは嫌々ながらランタンの炎に触れるが……
「あれ?!熱く……ない?ほのかに暖かくて…優しい炎ね……」
『はっはっは!それもその通りだ。我らの炎は風そのものよ』
「不思議だろ?本当は鋼鉄すら瞬時に溶かす熱を持っているんだけど、友と定めたものには癒しの炎となる」
「凄いわ……こんなの王都の歴史書にも載っていないわ……」
『それもそのはずだ。我らが友と定めた人間は数千年と出来ていないのだからな』
「イレラさん、オレ達を友と認めてくれて本当にありがとう。オレは貴方たちに貰った素材で最上級の武器を作るよ」
『我らもアリッサ殿と友となれて喜ばしい限りだ』
『ドラゴン族が人間を対等と認めたのは、他の種族でも震撼させる出来事になっているはずだ』
『心苦しい話だが、我らは種族の中でも最も弱い。きっとこの先アリッサ殿とリーシア殿にはいらぬ邪魔が入るかもしれぬ』
「………あぁ、掟に厳しいアイスドラゴンとホワイトドラゴンがちょっかいかけてくるかもしれないね……」
『我もそれが気掛かりでならぬ。アリッサ殿なら心配ないと思うが、その周りの者はそうもいかぬ。強硬手段を取るほど頭の足らぬ同胞はいないと思いたいのだが……』
『族長、やはり……』
『うむ……』
イレラが周りのウィンドドラゴンと目配せをすると、再びその鋭い眼光でアリッサを見る。
『アリッサ殿、アザムを旅に連れて行ってもらえないだろうか』
「え!?アザムくんを!?」
『アザムはこれでも里の中で1番の強者だ。決して足手まといにはならない』
『ああ、俺からも頼む。姉御の旅に同行させてくれ!』
「えっと……」
「どうする…?」
ウィンドドラゴンの里を出ると背後に緑髪の2m近い青年が笑顔で立っていた。
何だか剣と銃を持ってアクロバットしながら戦ったり、力を解放したら悪魔の姿になりそうな見た目をしている彼の名はアザム君。
どうやらドラゴンは修業を積むと人化の魔法を会得するらしい。
「これからよろしく頼むぜ。姉御」
「姉御って……」
「いいじゃない。頼りになる弟ができたみたいで」
「恐縮っす!」
ちなみに周りは相変わらず霧に包まれているが、ウィンドドラゴンと友の契りを結んだおかげで視界は良好である。
「姉御はこれからどうするつもりで?」
「とりあえず村に戻ってリーシアの槍を作る。ウィンドドラゴンの素材で作るから、恐らく疾風の竜騎士槍が出来ると思う」
「竜騎士槍!?国宝級じゃない!!」
「まぁドラゴンの素材を使っているからね。アザムくんの前でウィンドドラゴンを貶したくないけど、それでも竜騎士槍はそこまでのアイテムじゃないんだ」
「気にしないでいいっすよ。ウィンドドラゴンの弱さは俺が一番分かっていますから」
「いやいや!アダマンタイト鉱石を使えばもうちょい上も目指せるんだけどね!?でも、現状リーシアの家が用意できる鉱石は、最も良くてミスリル合金なのかなぁ……」
「そうね。うちの両親にもドラゴンの素材を使った武器を作るって言えば大金をはたいてくれるだろうけど、流石にミスリル止まりね。
そもそも剣聖を除いてミスリル以上の武器を持った人なんていないし、ミスリルも買うとなればそれはもう豪邸が建つくらいだわ」
「そんなもんだよな………オレの防具にアダマンタイト鉱石使っていることは黙っておくか……」
こっそり序盤でアダマンタイト鉱石が採取できる場所を知っているアリッサは、先を見据えてあえて教えないでいた。
「ドラゴンの武器が出来れば歴史的な快挙よ。今までありとあらゆる鍛冶師が挑戦したわ。でも、誰もかれもが加工の段階で失敗した」
「ドラゴンの素材を加工するには、族長ドラゴンの火種が必要になるからなぁ……つまり、その種族のドラゴンと友好関係を結ばないといけないし、そりゃ作れないわ」
「たとえ知っていたとしても無理な話ね。そもそもドラゴンに会えないもの」
「そのドラゴンと交易関係を結べたリーシアの家は、それこそ歴史的な快挙だな」
「ウィンドドラゴンの里に害が起きないようにするわ。だから、この交易に関してはうちが取り仕切る」
「ドラゴン相手に悪さをしようとするアホがいるとは思えないけどな……」
ドラゴン1体で国を軽く滅ぼせる力を持つ相手に悪だくみを起こす阿呆が現れないことを祈るアリッサだった。
「え!?ドラゴンなんですか!?」
2人が帰宅する頃には日が沈みかけていた。オルバルト家では既にクーナが頑張って晩御飯を作っており、それをリーシアが手伝っている。
なので、現在リーシアの膝の上にはバングくんがちょっぴり恥ずかしそうに座っていた。
「ウィンドドラゴンのアザムくんだ。族長のイレラさんから是非連れて行ってくれって言われて。新垣、彼を連れて行ってもいいかな?」
「え、ええ!全然かまいませんよ!むしろドラゴンが仲間になるとかめっちゃ心強いですよ!」
「これからよろしく頼む!一緒に切磋琢磨しあえたらいいなと思っている!」
「よろしく。アザムさんだったか。凄い力を感じるな」
「よ、よろしく。武人より大柄な人を見るなんて……異世界ね…」
学生3人と握手を交わし、アザムはそこでオルバルトを見る。
「あんた……つええな……」
「まだまだ道半ばですわい。しかし、ウィンドドラゴンを生きている間に見れるとは、長生きしてみるもんですな」
「爺さんもドラゴンは初めてだったのか」
「子供の頃に一度だけ空を飛ぶサンダードラゴンを遠目で見ましたな」
「サンダードラゴンか……滅多に雲の下には来ない連中だが、よく見れたな」
アザムが皆と親睦を深めている間、アリッサは改めて学生達のステータスを勝手に覗き見た。
リーシアは怪訝な顔を向けてくるが、無視を決め込んで確認する。
『新垣は32...武人は33...麗奈は32か』
この森で取得できる経験値の最効率を超えてしまったようだ。3人の表情を伺うことから特に精神的に疲労も感じられず、恐らくブラッディーベア先生との戦いも慣れたのだろう。
「皆、戦闘には大分慣れた?」
会話が途切れる瞬間を狙ってアリッサは尋ね、新垣は2人を見渡してから元気いっぱいに『はい!』と答えた。
「まだまだ荒削りな部分もございますが、心構えは出来たことでしょう」
「オルバルト爺さんもそう言ってくれるか...」
ならば、とアリッサは前に告げた計画を話す。
「オレはこれから君らの装備の作製に入る。正直デザインは期待しないでくれ」
「いえ!むしろお金を払わなくて本当にいいんですか?」
「ああ、いいのいいの。オルバルト爺さんに鍛えられて弱音も吐かずに真面目に打ち込んだご褒美みたいなものだよ」
新垣を含めた3人は深深と頭を下げ、感謝の言葉を各々口にする。
「だから、ちょっとだけ時間をくれ。ついでにリーシアの槍も仕上げてくる」
「ちょっと、ついでってなによ」
「まだ装備出来ねえから本当についでだよ」
「そんなに適正レベルが高いの?」
「疾風の竜騎士槍は60にならないと装備できない。オレとリーシアですらまだ40ちょいなんだから、まだまだよ」
「流石ドラゴン素材ね」
「そう言うことでオレは先にリーシアの本家に行っているわ。皆がオーディアスに来る時には出来ていると思う」
「またテレポートで?」
「だな。迎えに行ってもいいけど、3人も旅に慣れた方がいいだろ」
「私は?」
「リーシアは学生3人と連携を組んで戦ってくれ。あと、マーカスには必要ないと思うけど馬車の手綱を握れるのはリーシアだけだろ」
置いて行く、と遠回しに言われたリーシアは露骨に表情を歪めるが、すぐに目を伏せて『分かったわ』と納得してくれた。
「新垣、オレが指示するのはこれで最後にするよ。これからは君がオレ達を率いて行くんだ」
「………分かりました!」
「うん、よろしい」
順調に成長している後輩の姿に感動しつつアリッサはバングと遊ぶのであった。
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