第10話
『全然わかんないのよっ!。此処か何処なのかっ!。寝室のドアを開けたら訳の分からない場所に出たのよっ!。なんでっ!どうしてっ!こんな所に居るのよぉ…お願いっ!。早く来てっ!。』
「えっ!?。寝室に居ないの?!。外なのっ!?。場所が分かる物、無い?」
『写真撮って送ってみるからっ!。取り合えず早く見てっ!。何処だか全然わかんないから…全然知らない場所なのよっ!』
眼鏡を掛けたおとなしそうな少女は話しながら急いで寝室に向かい寝室のドアを開けようとしたがまるでコンクリートの壁の様に固く閉ざされていた。
眼鏡を掛けたおとなしそうな少女は力の限りドアを叩いたり押したり引いたりしたがびくともしなかった。
眼鏡を掛けたおとなしそうな少女の持っていたスマホに送られてきた画像を見た。
「ひっ!。な、なに…これ…。」
眼鏡を掛けたおとなしそうな少女はきつい顔立ちの美少女から送られてきた画像を目にして小さな悲鳴を上げた。
送られて来た画像に映っているのはまるでとても高い山の頂上の雲の中の様に2、3m先が全く見えない程の濃い霧に囲まれている周囲の中、汚れや滲み、チリ1つない石畳の上に綺麗な漆黒の鳥居と純白の鳥居が交互に隙間なく永遠と続いている景色だった。
周囲が濃い霧で覆われているのにまるで霧のトンネルの様に何故か鳥居の内側のみ霧が全くなく澄み切った視界が広がっていた。
交互に隙間なく建てられている白と黒の鳥居はまるで葬式で使われている白黒幕を連想させる様に強い畏怖の念を眼鏡を掛けたおとなしそうな少女は画像からでも感じ取っていた。
「と、取り合えずお母さんに電話してきてもらう様に…」
『だっ駄目っ!。切らないで…お願い…』
「だ、大丈夫っ!。家の電話で知らせるからっ!」
「あの~…すみません…。」
「えっ!…あっ、秘書の方ですかっ!」
「はい。えっと…貴方は…先生の娘さんと何時も一緒に居てるお友達の方ですね。あの先生を見かけませんでしたか?。ご自宅に戻ってると思ったのですが…。」
眼鏡を掛けたおとなしそうな少女は電話を掛けたまま一階にあるきつい顔立ちの美少女の家の電話を取りに行こうとした時、突然後ろから女性の声がした。
眼鏡を掛けたおとなしそうな少女は振り向くときつい顔立ちの美少女の母親の秘書が少し困った様子で立っていた。
「す、すみませんっ!。た、助けてくださいっ!。」
「ど、どうしましたっ!」
「さっきまで普通に開いていたんですがドアが全く開かないんですっ!」
「えっ?。も、もしかして先生が中に?」
「い、いえ…多分、中には誰もいないと思います…でもっ!。△△さん(きつい顔立ちの美少女)が…!」
「え~っと…いったいどういう…」
『ちょっ!。そこに誰かいるのっ!。代わって!』
「もしもし…私です。」
『◇◇さん(秘書)っ!。私っ!、お願いっ!助けてっ!此処が何処だか分からないの!』
「ちょっ!、ちょっと落ち着いてくださいっ!。どうしたんですか?」
『何が何だか分からない…気味の悪い電話が掛かってきて怖いから寝室を出たらいきなり変な場所に居てたのっ!…た、助け…』
「えっ!。どうしたのっ!。もしもし!。もしもし!……通話が切れちゃった…」
眼鏡を掛けたおとなしそうな少女ときつい顔立ちの美少女の母親の秘書共、血の気が失せ顔を青くしながらきつい顔立ちの美少女のスマホに何度も電話を掛けるが全く繋がらなかった。
きつい顔立ちの美少女の母親の秘書は寝室のドアを開けようとしたがドアを破壊する勢いでこじ開けようとしたり、物を投げつけたりしたが傷一つ付くことなくドアはびくともしなかった。
「はぁ…はぁ…はぁ…ふ、普通、ここまですると壊れる筈なんだけど…はぁ…はぁ…あきらかに異常よね…」
「はぁ…はぁ…はぁ…け、警察にれ、連絡します?…はぁ…はぁ…」
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