第6話
「~~~っ!!!!~~うっ!。う~っ!」
「よ、っよし!。ドア閉めろ!!車を出せ!!うがっ!、っちっ!!。早く縛れっ!!」
少女はパニックになりながら必死に羽交い絞めを解こうともがいた。
覆面をした角刈りの体格の良い30代男性を何度も力の限り叩いたが覆面をした金髪の10代男性が強引に両腕を掴みビニールテープで縛り上げられると更にガムテープで口元を塞がれた。
それでも少女は必死になって暴れたが両足も縛り上げられ身動きが取れなくなった。
「はぁっ!はぁっ!、よっよしっ!。上手くいった!」
「ほぇ~~!この子、かなり可愛いっすよ!芸能事務所はいってるんじゃぁないっすか?」
「おい!、まだ気ぃ抜くな!。とりあえずあの場所まで行くぞっ!どの位掛かる?」
「じゅっ、5分か10分ぐらいかな?」
「出来るだけ目に付かねぇ様に行けるか?」
「や、やってみます…。」
「…………。」
肩で息を切らしながら覆面をした角刈りの体格の良い30代男性は走行中の車のフラットにしていた後部からマスクとサングラスをした色白で細身の20代男性に指示をだした。
覆面をした金髪の10代男性はその覆面の奥から少女を嘗め回す様に見つめていると少女はポロポロと涙を零し恐怖のあまり震えながら身を縮こまらせていた。
少女の自宅で祖母が心配そうな顔で玄関先をウロウロとしていた。
「……遅いの~…。何時もならとっくに帰ってきてる時間なのにな~。」
「………爺さんさ。ちょっと見に行ってくるから留守番してくれんさね…。」
「それならワシが…」
「待ってる方が耐えられんさね。爺さんすまんけどお願いさ。」
心配する祖父に留守番をお願いして少し背の曲がった祖母が日が暮れて間もない道をライトを手にして少女の登下校の道を歩き出した。
少女が通っている学校の裏手には森林が広がっていた。
その森林の少し入った所に木を切り倒した工事現場が工事途中の状態で無人のまま放置されていた。
周りには全く明かりが無く木々のざわめきだけが流れてる無人の工事現場に一台の車が砂利道の小石を激しく鳴らしながらやって来た。
真っ暗な工事現場の少し開けた場所に車の左右二つのライトだけが眩しく浮かび上がって車が止まっていた。
「……よし、誰も居ねぇな。」
「あ、はい…。」
「本当に誰も居ないっすね…。」
「…昨日この現場の会社が倒産してまだ放置したままらしい…今乗ってきた車も同じ会社だそうだ…。」
「マ、マジっすか…。あの娘なにしたんすっかね…。」
「……あまり詮索しない方がよさそうですね…。」
「…そう言う事だ…さてと!。始めるか…。」
覆面を被った角刈りの体格の良い30代男性と金髪の10代男性とサングラスとマスクをした色白で細身の20代男性は車を降りて焦燥しきって疲れ果てている少女を角刈りの体格の良い30代男性と金髪の10代男性が担ぎ上げライトを持ったサングラスとマスクをした色白で細身の20代男性を先頭にして無人の工事現場にある従業員用のプレハブの一室に入って行った。
担がれた少女は手足を縛れガムテープで口を塞がれたまま入って行ったプレハブの一室に敷いてあるマットの上に下ろされた。
少女はぐったりとした疲れた目で辺りを見回すと薄暗くライトの端に照らされてサングラスとマスクをした色白で細身の20代男性が小型のハンディカムカメラを用意している姿が目に映った。
少女は目を見開き体を強張らせた。
「俺達もホントはやりたかねぇんだがな…やらないと俺たちが終わっちまうんだ。」
「隠してても分かるぐらい顔、ニヤケてるっすよ。」
「お前もな…まぁ…せっかくだ…楽しませてもらうか。」
「なぁ…動画行けるか?」
「…だ、大丈夫です…あ、あのっ!」
「心配すんな…後で代わってやるよ。」
「っ!!!!。うっ~~!!!!。う~~!!!っ!!!。」
覆面を被った角刈りの体格の良い30代男性と金髪の10代男性はゆっくりと必死でもがき塞がれた口で叫び続ける少女に覆い被さる様に近づいて行った。
真っ暗になった少女の通学路をライトの灯りを周辺に向けながら少女の祖母が少女の名前を叫び必死に探していた。
祖母の額から汗が滲みだし疲れで足元がおぼつかなくなってきた。
祖母は立ち止まり一度家に戻り警察に連絡しようと考えて自宅に向おうと歩き始めた時、『シャンシャン』と何処か遠くから【神楽鈴】を振り鳴っている音が祖母の耳にかすかな音だが意識が【神楽鈴】の鈴の音に引き寄せられるように聞こえてきた。
祖母は自然にその【神楽鈴】の鈴の音に引き寄せられるように鳴っている方向に歩
き出した。
祖母は少女を捜す為、家を出て【神楽鈴】の鈴の音に呼び寄せられるように少女が通っている学校の裏にある森林の手前に着いたのは日付が回る少し前だった。
段々と【神楽鈴】の鈴の音がはっきりと大きく聞こえてくる方向に引き込まれて行くように祖母は歩き続けていると木を切り倒した工事現場が工事途中の状態で無人のまま放置されている場所まで辿り着いた。
何かに引き寄せられるようにあるプレハブの一室の前迄祖母は歩き着いた。
『シャンシャン』と鳴っている【神楽鈴】の鈴の音はそのプレハブの一室の前迄祖母が来る頃にはまるで耳元で鳴らされているかの様にはっきりと大きく鳴っていた。
祖母がプレハブの一室のドアノブを握ると耳元でけたたましく鳴っていた【神楽鈴】の鈴の音がピタリと嘘の様に消え今度は耳が痛くなるほどの静けさが襲ってきた。
祖母がプレハブのドアノブを捻りドアを開けて恐る恐る真っ暗な部屋の中にゆっくりと入って行った。
無人と言って良いほど人の気配が無い部屋の中を祖母は持っていたライトをゆっくりと動かしながらプレハブの中を照らし始めた。
祖母が持っているライトがプレハブの床に置いているマットを照らすと人の足先がライトの灯りで浮かび上がった。
ライトに照らされた足先を祖母が目にした瞬間、祖母の血圧が一気に上がり心臓の鼓動が信じられないくらい早く脈打ち一瞬にして血の気が引いていく感覚に襲われた。祖母の手の震えがライトの灯りを激しく揺らしながら浮かび上がった足先から全体を捕らえる様にライトを動かすとそこにはボロボロの制服が散乱している中に全裸の少女が両手が縛られた状態で力なく倒れていた。
角刈りの体格の良い30代男性と金髪の10代男性と色白で細身の20代男性の三人は少女の祖母が訪れる少し前に少女が運び込まれた無人の工事現場から足早に立ち去っていた。
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