【10.早川さん、俺と仲良くしませんか?】
1ピークが終わり、そろそろ休憩だななんてシフト表を見ていると佐々木さんが顔を覗いてきた。
「早川さん、前半で休憩行きますか?」
「うーん、どっちでもいいかな」
笑って応える私に、「俺、早川さんと同じタイミングで休憩行きます」とすかさず答えた。
「ふふ、佐々木さんのご飯はなんですか?」
「今日もお弁当ですよ」
「楽しみですね」
差し障りのない会話を終えて、仕事に戻ろうとすると、「休憩合わせますから、休憩室来てくださいね」と声をかけられた。
振り返ると、なんだか得意げな顔で笑っている。
私が首をかしげると、
「早川さん、16時上がりですよね」と続けざまに質問を投げられた。
そして、その返事を待たずして佐々木さんが近付いてきて、至近距離でニヤリと口角を上げた。
「早川さん、俺と仲良くしませんか?」
その一言に、心が騒がしくなり、落ち着かなくなった。
さらにそのタイミングで現れた山本さんと目が合い、なんだか嫌な雰囲気が流れた。
「ふふ、今も充分 ナカヨシでしょ?」
ポーカーフェイスで乗り越えた私に、佐々木さんは感嘆しつつも興奮してるように見えた。
なんだろう、ちょっと怖い・・・。
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