第15話『鍛冶とレイド』

『ロータスの参加種目ってサッカーよね?』


『そうだよ⋯はぁ、やりたくないんだけどね』


『運動が嫌いなの?』


『嫌いではないかな、疲れるから好きじゃないだけ』


『私は運動結構好きかな、なんかスッキリするし、溜まってるものが出ていく感じがする』


『なるほどね、少しは頑張ってみようかな』


『うん!応援してるから頑張ってね』


『ありがとう』


今はファンタジーにログインして少し雑談して時間を潰している。

この前やっと素材集めが終わったからこれからログインしてくる。鍛冶師のゲンゲツさんに武器を作ってもらうために待っている。


ゲンゲツさんは夜の帳のギルドメンバーだ。見た目はドワーフっぽいおっちゃんで戦闘時はウォーリアーで斧を使い戦うパワーファイターだ。

鍛冶の腕も高く、ギルメン以外からも武器作成の依頼が舞い込んでくる。

今日お願いするのは俺の短剣二刀とアイの刀だ。

俺のは夜天二刀という短剣、アイのは八咫烏という刀を作ってもらう。

全部これから先のエリアでは充分使える武器になる。


──────ゲンゲツがログインしました。


『ゲンゲツさん』


ドワーフのおやっさんが近くに来る。


『おう、二人とも待たせたな』


『気にしないでください』


『今日は武器作成の依頼だったよな』


『はい、俺とアイの二人分ですけどお願いします』


『任せとけ、とりあえず素材を渡してくれ、完成は明後日になるな、それでいいか?』


『お願いします』


『ありがとう』


2人で俺を言いゲンゲツさんに素材渡す。

ゲンゲツさんはそのまま鍛冶工房に入っていった。1日1本目安で明後日になったんだろう。

俺達は今日の予定が終わってしまった。


『これからどうする?』


『どこか行く?』


『なら俺達と一緒にちょっとレイド行かないか?』


アイと相談しているとシュレイドが来て会話に入ってきた。

レイドのお誘い。


レイドはパーティーを複数用意して戦うボスのことだ。

レイドボスは複数のパーティーで戦うためとても強く設定されており、それぞれに役割りがありそれをこなして行く。レイドボスを倒したら莫大な経験値やアイテムが手に入るので何気に人気なクエストである。


『なんのレイドですか?』


『お前達にとっては因縁があるんじゃないかな、今回やるレイドボスはリヴァイアサンだ』


リヴァイアサン、これは俺とアイがどっちが役割りをこなせるか勝負をしようとした時に壊滅したクエストだった。

当時の俺達では結構キツイ相手だった。今は強くなってるからだいぶ楽になってるかもしれないけどレイドボスというのはレベルのゴリ押しが出来ない相手だからどの道役割りは必要になる。


『アイ、どうする?』


『やる!ロータスもっかい勝負しましょ!』


『あの時勝敗のつかなかった勝負の続きだね、いいよ、やろうか』


『よし!じゃあ参加ってことでいいよな?』


『『よろしくお願いします!』』


『わかった、挑戦するのは少なくとも明後日以降になるから準備だけはしといてくれ、連絡はするからよろしく頼む』


そう言ってシュレイドはメンツ集めにほかのメンバーに声をかけに行った。


『楽しみだね』


『今回こそは勝とう!』




そしてレイドの日程は三日後に決定した。

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