第9話『いじめと我慢』
昨日はアイと一周年記念でオフ会をした。そこでアイと出会ったけどまさか水瀬あいりだとは思わなかった。色々あったけどお互いの仲は深まった気がする。
今日からまた一週間が始まる。いくら水瀬あいりと仲が良くてもそれを学校では出せないのでいじめられるのは確定だろう。
まぁアイだと分かってるので我慢はできる。
俺が教室に行き席に着くと昨日街中で出会った御堂凛が話しかけてきた。
「ねぇ、あの後どれくらい買わされたの?荷物持ちは大変だねぇ〜」
「凛ちゃん、昨日キモオタ見たの~?」
「あいりの荷物持ちとして呼ばれて使われてたよぉ」
「「「あははははっ!」」」
ただの荷物持ち。別にそれくらい大丈夫だ。悪口言われるくらい大したことない。馬鹿にされるのももう慣れた。
「はよー」
「あいりじゃんおはー」
「おはおはー」
ちょうどあいりが登校してきた。さっきまで俺をいじってた女子はあいりの方に流れていく。
「あいりー昨日はあのキモオタ役に立ってたの?」
「ん?役に立ってたよ」
「あいりの役に立ててあいつも幸せだな」
「ああ」
あいりも混ざって俺をいじり始める。でもなんでだろ、アイがあいりだと知ってからか、いじられるのを耐えるはずだったのに悲しい気持ちが強くなってきた。
別にあいりが本心で言ってるわけじゃないのはわかってるけど結構心にくるな⋯⋯。
ちょうどチャイムが鳴り先生がきて朝のHRが始まった。
その間、俺は気持ちを落ち着かせるためその日1日はぼけーっとしていた。途中あいりの取り巻き達が来たけど俺が放心してたことにより何もせずに帰っていった。
その日はそんなことで終わった。我慢するから、知ってるなら耐えられるから、そんなことを言ってた自分を殴りたい。
知ってるからこそたとえ本心でなくても辛いんだな。これならまだ知り合う前の方がよっぽど楽だった。
俺はその日ゲームにログインしなかった。
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