第8話『ギルメンとサプライズ』
あの後両親に挨拶してから少し雑談をしてその日は解散となった。あいりとはゲームの中でも会える。今日も約束して帰ってきた。
家に帰り、夕飯を食べる今日はカップ麺だ。毎日コンビニ弁当かインスタント食品で健康的では全然ないけど作れないので仕方ない。
夕飯を食べ、風呂に入って9時。今日は早めに入って少し他のことをしてるつもりでログインした。
◇◆◇◆◇
ログイン場所は夜の帳のギルドホーム。今日は先客がいた。
『よお、ロータス、久しぶりだな』
『久しぶりだねシュレイド、今日はどうしたんだい?』
シュレイドは夜の帳の副リーダーだ。職業重戦士の火力職だ。結構気さくで話しかけやすい。いつもは1人で色んな狩場行ってるので会うことが少ない。
『今日はこれからほかのメンバーとボス戦だ』
『ボス戦か、どこの?』
『フブキレード山脈のクリスタルドラゴンだな、コテツがやっとそこまで行ってな、俺の火力を頼りに来たわけさ』
『なるほどね、それは確かにシュレイドがいいね』
クリスタルドラゴン。皮膚が全てクリスタルで出来ているので並の攻撃は通らない。魔法か重戦士などの火力職によるゴリ押ししか倒せない。
俺達のギルドなら重戦士のシュレイドと大魔女のあさみちゃんがクリスタルドラゴンに1番火力を出せる。
『あさみちゃんもいるの?』
『いるぞ、今回は俺とあさみちゃんとコテツとミユの4人で行くことになってる』
ユミは聖女だ。回復や支援魔法を使ってパーティーを支えてくれる。パーティーには必須の回復職だな。ちなみにコテツは双剣士だ。だから今回のボスは助けを借りるしかないのだろう。
『頑張ってくれ』
『おう!ところでお前は今日少し早いな何かあったか?』
『⋯⋯一周年記念だ』
『おお!そう言えば今日か、なるほどな』
『そゆことだ、じゃあ俺はプレゼント買いに行ってくる』
『わかった⋯⋯急いでほかのメンバーに連絡しないとじゃねぇか!』
シュレイドは副リーダーだ。何か祝い事があればギルメンに声をかけてパーティーを開く。これをいつもしてきた。ロータスとアイの記念日は知らなかったから今から急いで皆に連絡を回す。
ボス戦もとりあえず後回しで今日の記念日を祝うための準備を始める。
俺はショップエリアに来た。ここは沢山の武器や防具、装飾品まである。武器、防具はもう強い装備なのでプレゼントしても使ってもらえることが少ない。なら少しでも役に立つような装飾品にする。
装飾品なら装備枠が沢山あるので付けてもらいやすい。俺は露店で綺麗な水晶の首飾りを見つけた。
効果はそこまで良くないけど綺麗な色をしているのでアイに似合うと思った。
俺はそれを買いギルドホームに戻った。
時刻は10時、もうアイがログインしてくる時間なのでギルドホームに戻る。
ギルドホームに戻ったタイミングでちょうどアイもログインしてきた。
『ただいまー』
『おかえりー』
いつもの挨拶をする。
『今日はありがとね、楽しかった』
アイが今日のお礼を言ってきた。アイといるのは楽しかったからアイもそう感じてくれて嬉しい。
『俺もありがと、楽しかったよ』
『おう、二人とも来たのか』
『あれ?シュレイドボス戦は?』
シュレイドがまだ残っているのを疑問に思っていると聞くと
『ちょっと会議室まで来てくれ』
用件だけ伝えてそのまま戻っていってしまった。
『なんだ?』
『ロータス行ってみよ』
アイに言われ会議室に行く。
そして会議室に入る。
━━━━パンパン
『『『結婚1周年おめでとう!!』』』
会議室の中からクラッカーの音とギルメンからの祝いの言葉が聞こえてきた。
『わー!ありがとう!!』
アイはとても喜んでる。俺もまさかこんなものが用意されてるとは思わず感動してしまった。
『みんなありがとう』
『いいってことよ、俺達はシュレイドにいきなり招集されたんだから』
『まったくだ、今日が記念日なら先に伝えといて欲しかったわ』
『悪い悪い、さっきロータスから聞いてな、急いで準備したんだわ』
とギルメンみんながお祝いしてくれた。
中には今日のボス戦に行くはずだった4人も参加してくれていた。
『コテツ、今日はありがと』
『ボス戦はいつでも出来るからな記念日くらいみんなで祝わないとな!』
コテツは特に気にした様子もなく、むしろ俺達を祝福してくれた。
『コテツ、ありがとね、今度お礼するね』
アイもボス戦を取り止めてパーティーに参加してくれたコテツに感謝していた。
今日はこのパーティーに参加してくれたのは30名。うちのギルドは総勢58名いる。シュレイドがいきなり招集かけたのにこんなに集まってくれたのは嬉しかった。
『よーし、それじゃあアイとロータスに一言ずつなんか言ってもらうかぁ、ロータス』
シュレイドが司会を務めておりそんなことを言ってくる。
『えーと今日は急なパーティーに集まってくれてありがとう、今日でアイと結婚して1年になる。俺とアイをこれからもよろしくお願いします』
『『『『ひゅ〜ひゅ〜』』』』
みんなして冷やかしてくる。
『次はアイよろしく』
『あっ、はい、えっと、今日はこんなパーティー開いてくれてありがとう、ロータスとはこれからもやっていきたいと思ってるので皆さんも見守ってください!これからもよろしくお願いします』
『『『おめでとう!!』』』
そんなこんなで俺達の挨拶は終わり、みんなしてしばらく話し合って、俺達に一言告げてから用があったりした人は抜けていく。
1時間もみんなで話して解散の流れになり、このパーティーは閉会した。俺とアイはシュレイドの所に行く。
『シュレイド、今日はありがとう、いきなりだったのにここまでしてくれて』
『私も嬉しかった、ありがとう』
『いいってことよ、めでたいことは祝わないとな!これからも仲良くやれよ!』
そう言ってからシュレイドはログアウトして行った。
それから俺とアイはギルドホール内で向かい合う。
『アイ、今日1日リアルでもここでも楽しかったね。それでこれを受け取って欲しい』
俺はアイに水晶の首飾りをプレゼントした。
『わぁ、ありがとう!私は何も準備できてないやごめんね、でも今日はほんとに楽しかったから!これからもゲームの中ではもリアルでもよろしくね!』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます