第6話『デートと荷物持ち』

普段罵られてる。イジメの首謀者とデートとかなかなか体験出来ないことをしてる。

まぁそれも水瀬がアイだと分かったからだけど、今俺とアイはゲーセンに来ている。デートと言ってもお互い素人。水瀬は女友達と遊びに行くくらいで男と遊ぶことはあまりないらしい。だから二人とも好きなゲームで遊ぶことにした。


ゲーセンに行き、太鼓を叩いたり、レーシングゲームで順位を競ってあそんだ。


「次、あれやろう」


水瀬も笑顔で次やりたいものの所に行く。


「⋯ってプリクラかよ」


「いいじゃん、記念だよ!」


そう言われてしまえば俺には何も言い返せない。今日は確かに記念日だ。俺も楽しみだったから今日くらいいつもの険悪関係じゃなくアイとロータスとしてこの一周年記念を祝いたい。


「わかったよ」


そして水瀬とプリクラを撮る。

落書きには一周年記念!ラブラブとか書いている。

こんなの他の人に見られたら終わりだなそう思ったけど止める気は起きなかった。


その後、水瀬が雑貨屋に行きたいらしいのでついて行く。

水瀬の後ろをついて回る。こういう店は特になにか気になるものもないし1人はちょっといずらいからな。


「あれ?あいりじゃーん」


「⋯⋯凛」


前から水瀬の取り巻きの1人御堂凛が水瀬を見て近づいてきた。


「あれ?キモオタもいるの〜?もしかして〜デート?」


御堂凛は水瀬に聞いている。

水瀬は拳を握りしめながら笑顔で答える。


「なわけないじゃん、荷物持ちだよ荷物持ち」


「なるほど〜私も一緒に付き合っていい?」


これで御堂さんが着いてくれば俺は荷物持ち決定。まぁさっきまでは楽しかったからこれくらい水瀬の為なら我慢しますよ。


「ダメー、せっかくウチが呼び出した荷物持ちだから、今日買うもの多いし少し忙しいからまた今度な」


「ちぇ〜それなら仕方ないか、また今度ね、よろー」


御堂さんはそのまま帰って行った。

俺達もそのまま店を出る。


「ありがとう、水瀬」


「いいよ、私が我慢出来なかった、今日は記念日だよ?邪魔されたくないし、邪魔されないとこ行こうか」


「わかった⋯ってどこ行くの?」


少し先を歩いていた水瀬が振いて言った。


「私の家だ」

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