洋楽(J~L)

James Blake(ジェイムス・ブレイク)

最近聴いて滅茶苦茶ドハマリした。教えてくれた人ありがとう。というかインスタで紹介してくれた米津玄師ありがとう。この気弱そうな男の創り出す音楽はとにかく形容しがたいアンビエントとかダブとかヒップホップの影響を感じさせるサウンド、ビートなきビート、そこに温かみのあるボーカルが乗っかる。無機質でありながらどこかソウルフル。KID A以降のRadioheadっぽいといえばそうかもしれないが、このジャンルレス感はそれら以上。どこでも聴いたことのない音の組み合わせを、どこにもない鳴らし方で提示してくる。まさに新時代の音楽。とことんクールなのに、どこかあたたかい。とにかく音世界が良いんだ。ゆったりと溺れさせてくれる。


James Blown(ジェームス・ブラウン)

ご存知、ソウル界のゴッドファーザー。そして「ファンク」の生みの親。「リズムだけで音楽を作ろう」などという狂気じみた発想。それを実現させてしまう凄まじさ。この男が居なければその後のダンスミュージックの全ては無かったし、プレイリストの半分以上は消えていただろう。残るのは多分サバスとビーチボーイズぐらい。それぐらい音楽界に多大なる影響を与えたとんでもない存在。何しろ音源が大量にあるので、俺も一部しか所持していない。だが、その数少ないCDだけでも、その凄さは否が応でも伝わってくる。延々と繰り返されるコールアンドレスポンスとシャウト、そしてひたすらリズムだけを刻んで高みへ、宇宙へ昇っていく演奏陣……マイケル・ジャクソンが、プリンスが憧れた男。貴方もその伝説に触れたいのなら、まずは「ソウルの革命」というライブ盤をオススメする。今では当たり前になっているような音楽が、この当時どれだけ斬新であったのか。それを、ライブ特有の熱気溢れるパフォーマンスで教え込んでくれる。楽器も声も軍隊みたいに統率されていて、体臭がムンムン漂ってくるのにキレッキレだ。昼間に聴くと危険だ――踊るのがやめられなくなって、家族に見られちまうぜ。


Jeff Buckley(ジェフ・バックリィ)

30歳の若さで夭折した悲劇のシンガー・ソングライター。「天上の歌声」だのなんだの形容されているが、まさにその通り。喜怒哀楽、人間の感情の全て、あるいはもっと大きなモノを緩急自在に表現してみせるそのさまは圧倒的。オリジナル・アルバムは「グレース」ひとつだけだが、これだけでどれほど芳醇な世界が広がっていることか。まさに90年代オルタナなオリジナル曲もいいが、原曲を解体、独自の解釈で再構築し、全く別のものへと昇華してみせたカバー曲もいい。「ハレルヤ」なんて、もうこいつの歌としか思えないもんな。トム・ヨークやらボノやらジミー・ペイジやら、彼を褒めているアーティストは調べれば調べるほど出てくる。それほどオリジナルなのだ、この歌声は。きっと今も生きていれば現役シーンに影響を与え続けていたであろうし、本当にその死が惜しまれる……。


Joy Division(ジョイ・ディヴィジョン)

U2のボノは、「クラフトワークを歌うジム・モリソン」と表現した。どこまでも陰鬱で冷たい音楽――それでいて、まるで葬礼のような厳粛さ、美しさすら感じさせる。オリジナル・アルバムは二枚。パンクロックから始まったバンドの歴史。チープな演奏。調子はずれのバリトンボイス。それなのに、どうしてここまで胸を揺さぶられるのだろう。初聴きで衝撃を受けて、その世界観は未だに頭の中に呪縛としてこびりついている。そんな彼ら。2ndアルバムの最終2曲は圧巻。ここまで「死」を音楽だけで表現せしめた例を、他に知らない。決して楽しい音楽ではない。だが、ハマれば最後。心の内側の奥の奥に響いて、どこか暗い癒やしを与えてくれる――。


Lush(ラッシュ)

バスボム売ってる若い女性に人気の店ではない。イギリスのシューゲイザー・バンド。シュワシュワした轟音ギターに、可憐な女性ツインボーカルが乗っかる。どこまでも透明で美しい音世界。まるで炭酸ソーダのような爽やかさ。まぁそれだけどいえばそれだけなんですが、好きな人は本当に好きになれる世界だと思います。俺が持ってるのは1stだけど、なんとこれ、プロデューサーがCocteau Twinsのロビン・ガスリー。あぁ、と納得。おすすめ曲は「Superblast!」。疾走感溢れるイントロからサビまで一気に駆け抜ける。あと、ボーカル二人がかわいい。



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