洋楽(D~G)

D'Angelo(ディアンジェロ)

最近知った。そしてどハマりした。ヒップホップとソウルを行き来して、特濃の世界を作り上げる、唯一無二の存在。黒い救世主ブラック・メサイア。エスプレッソみたいなドロリと濃いサウンドも、何重にも重ねられた(ちょっぴり気持ち悪い)コーラスも、総ては彼が創り出すブラック・ミュージックのパーツに過ぎない。アルバム出すたびに騒がれて、ファレル・ウィリアムスやら星野源やらが愛してやまない真の漢。いきなり手を出すのはあまりにも濃すぎるので、70年代のソウルあたりを一通り聴いてからチャレンジして欲しい。俺はそうした。そしてハマった。ベースとドラムうますぎ~~~~、ライヴ行きてぇ~~~~!!


De La Soul(デ・ラ・ソウル)

ごめん1stアルバムしか持ってないけど語っていい? ヒップホップグループといえば皆さん何を連想しますか? はいそうですねオラついた兄ちゃんですね。なんか怖い人たちが怒りに任せてまくしたてる。そういうイメージですよね。こいつらは(少なくとも1stでは)そういう音楽はやってません。ヒップホップはヒップホップですが、単純に楽しくって騒ぎたくなっちゃう曲で溢れてます。詳しくは知らんけどサンプリング元も結構ふっつーの曲だったりするらしい。というわけで、こやつらの1stアルバムは肩肘張らずに楽しめます。車の中でかけるといい感じだぜ。


DJ Shadow(DJシャドウ)

トリップホップのパイオニア。トリップホップっつうのはざっくり言うと「ラップしないヒップホップ」って感じかしら。違ってたらごめん。要するに、ラップの土台となるミュージック部分を楽しむジャンルって感じかしら。基本的には暗かったり憂鬱だったりする。よく女性ボーカルが乗っかる。で、この男の1stアルバムもその系譜なのだが、驚愕なのはなんと全曲が「サンプリングのみで」構成されているということ。つまり、「自分では一切曲を演奏せず、既存曲を物凄く綿密に組み合わせて全く別の音楽を作り出してしまった」ということなのだ。信じられないけどそうらしい。サウンド的にはやはり暗く重々しいが、どこかホコリっぽい、「レトロな」感覚もある。まぁ、なんというか……深夜に、あたたかい飲み物飲みながら……目瞑ってゆっくり聴くと、滅茶苦茶……いいぞ……!!


Donny Hathaway(ダニー・ハサウェイ)

前回紹介したカーティス・メイフィールドと同じく、70年代に活躍したソウルミュージシャン。彼らに共通するファンキーさやメロウさという魅力があるが、この男に特徴的なのは、その「優しさ」である。歌声がとにかく純粋で繊細で美しい。ライヴ・アルバムがいい。小さなジャズクラブか何かで楽しそうに演奏しているような、そんな様子が聴いてて伝わってくる。肩肘張らなくていいんだよ、とにかく音楽を楽しんでくれればいいんだよ。そんなメッセージが各アルバムから伝わってくる。そして、そんな優しくてどこまでもまっすぐな彼は――79年、飛び降り自殺する。厳しさに満ちた世界に耐えられなかったのか、あるいは。本当のところは知る由もないが、彼の遺したものは永遠に生き続ける。音楽ってそういうものだよな。とにかく「Live!」というライヴ・アルバムがおすすめ。聴いてるだけで自然に頬がゆるんでしまい、身体がリズムを刻んでしまう。清廉さに溢れた3rdアルバムもおすすめ。


Dr.Dre(ドクター・ドレー)

西海岸ヒップホップを代表するプロデューサーにしてラッパー。とにかく彼のアルバムというのはサウンドに特徴があり、「高音のシンセサイザー(歯医者サウンド、とか言われてる)や弦楽器」と「腰に来る重低音」の組み合わせである。そこにSnoop Dogの粘っこいライムが乗っかれば、途端に危険な夜のLAの街並みが完成する。ハッパ決めながら姉ちゃん侍らしてアメ車乗りたくなるぞ。……そんな感じなので、ラップの内容はコンプラ全開だし、明らかに危険な香りのサウンドだし、でニガテな人はニガテな世界かもしれない。でも、ハマる人は本当にハマる。だって本当に出現するんだぜ、聴いてたら。脳裏に、夜のLAが。


Gang Of Four(ギャング・オブ・フォー)

パンクの時代から突如現れた変な四人組。なんと言ったらいいんだろう。とりあえずこのバンドはギターが全てだと思う。80年代初頭とは思えないぐらいキレッキレの、ほんとうにキレッキレのギターカッティング。カミソリなんてレベルじゃない。触れれば骨まで抉られるような、危険なオト。そこに何かに追われているかのようなボーカル。レッチリが聴いて衝撃を受け、間違いなくブロック・パーティーがそのギターサウンドに天啓を得た、マイナーながら凄まじい影響力を持つであろうバンド。でもって、歌詞の政治色も濃厚らしい。なるほど、やっぱり「パンク」だな……。

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