第8話 4月25日 俺と奴らの戦争開始(後)


 ~4月25日~

  放課後


「東上君!」


可憐な声が俺に響いた

「ん?なに、瀬奈さん」

「なんか、ごめんなさい」

「どうしてあやまるの?」

君は悪くない


悪いのは、佐藤たちと俺自身の問題だ


「瀬奈さんは悪くないよ。君より悪いのがいるから」

彼女は不安な顔のまま会話を続けた

「理香でいいよ、それより佐藤くんより悪い人てだれ?」


……俺だよ


この言葉を伝えるべきか、一瞬迷った

だが、伝えることにした


「俺だよ!」

最高の笑顔で伝える絶望の一言

動揺を隠せない彼女

だけど、続ける


「俺は知っていたんだ、佐藤がいじめをする事。だけど、ほっといた自分が一人になりたいからだ。私欲を優先した結果がこれだ。自業自得だから仕方ない」


ふふ、幻滅したかな。

こんな演技をしてでも、俺は一人いや孤独を手に入れたい

「そんなことない、たぶん私のせいだよね?ごめん」

きっかけを作ったのは君かも知れないけど関係ない


「じゃ、私と友達になって!」

唐突だな

「瀬奈さんと?」

「その瀬奈てやれて理香で」

「理香さんとともだちですか?」

「だから、さんズケしないで」


は……

可愛いけど、緊張したな

友達か……一人の時間が



「理香、君は僕に何を与えるの?」











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