第9話 4月26日 君が俺に与える物と影響


 ~4月25日~


「理香、君は俺に何を与えてくれるの?」


そう、この行為があの日の元凶だったのかも知れない

「私は、海斗くんに人のぬくもりを教えたい」

……ぬくもりね


「それは、希望?それとも絶望?」


俺の質問に戸惑う彼女

仕方がない


「え、えーと『ごめん、なんでもない』」


その捨て台詞を残し俺はまた彼女を置いて学校から出た

彼女がどんな顔しているのか

また、知ることはないだろう


 ~4月26日(金)~

俺はいつもどうり学校に行く

!?


「おはよう、海斗くん」

いきなりの理香からの挨拶

戸惑う俺、動揺は俺だけにとどまらずクラス全体が静まった

当たり前だ、このクラスのアイドル的存在が俺みたいなはぐれものに挨拶をしたのだから


「う、うん。おはよう……理香」

俺が挨拶を返せば笑顔と殺気が返ってくる


嬉しいようで悲しい、いや苦しいか……


まあ、いい

俺は一人、あの日がくればすべて解決する


「理香ちゃん、だめだよ~あんな奴と話したらw」

佐藤か……つまんないな

「佐藤キモイよ」

理香の友人だろうかごもっともである


「ちっ」

「佐藤君、悪口はいけないよ」

「何のこと」


理香の顔は膨れていた

怒ってるのだろうか


「ちっ、死ね。覚えとけ」


俺の横を通る瞬間

捨て台詞を残し自分の席に戻っていった


~放課後~


「おい!」

奴の声、なんだめんどいな~

「……」

 ……

「無視してんじゃねよー、ちょっと優しくしてもらったからって調子乗んな」

 ……

「反応しろ、カス」

「うるさい」

お前はうるさい、これから大切な時間がつぶれる

帰るか……


「逃げてんじゃねーぞ」





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