良家との縁談を断り、父親との喧嘩の果てに家を飛びだし、当て所もなく彷徨う中、自分と同じくらいの歳の少女に声をかけられた。
その少女は、怪我をして歩けない……という。送り届けるか逡巡するヒロイン。
しかし、その場所は、古くから、忌み嫌われ、今では交流が途絶えた隣村だった。
そこまで歩くことも叶わないと判断し、飛びだしてきた実家に戻ることを決めたヒロインだが、実家でも、受け入れてはもらえなかった。
納屋をあてがわれた、怪我をした少女とともに、ヒロインもここで一緒の時間を過ごそうと決意する。それは、閉ざされた交流が戻った小さな瞬間だった。
それから、ヒロインの身の回りに幸運が続く。雨が降ったり、傷が治ったり……。
これを、少女がくれた魔法だと喜ぶヒロイン。そして、自分の夢への扉を開ける。
この物語は、伝奇小説であり、恋愛小説である。最後の大団円が素敵な、成功の物語であり、幸せを掴み取る物語でもある。