第五話 遊ぶ範囲と兎達その3

 ジンに案内されて応接室に向かう色鳥達、中で縁達はお茶菓子を楽しんでいた。

 色鳥達も座り、やっと本題に入ろうとしていた。


「で、グリオード俺を呼んだのは何でだ?」


 色鳥は遠慮無くお茶菓子を食っている。


「俺の国民がジャスティスジャッジメントの被害にあった」


 グリオードは深刻な顔をしている。


「ふえー大変だな」


 色鳥は自分に関係ないという顔をしている。


「一命は取り留めたんだが『命を弄ばれた』」


グリオードは握り拳を作った。


「はぁ!? 命を弄……ゴフォ!ゴフォ!」


 いきなり大声を出してむせる色鳥。


「お茶菓子は静かに優雅に楽しむ物よ?」


 涼しい顔で絆はお茶菓子を楽しんでいる。


「聞かせろグリオード! 命を弄ばれたってどういう事だ!」


 いきなり立ち上がる色鳥、鬼のような形相をしている。


「落ち着いて下さい色鳥様、私から説明させていただきます」


 麗華は色鳥を見た。


「すまねぇな、大きな声を出して」


 色鳥はため息をして座った。

 

「我が国の国境付近にジャスティスジャッジメントの関所にもなっている砦があるんです」


「ん? ジャスティスジャッジメントとは隣接してなかったよな?」


「隣の国がジャスティスジャッジメントの息にかかりまして」


 麗華はため息をした。


「なるほど、じゃあまずは砦の話しを聞こうか」


 色鳥は怒りが抑えきれないのか、右手が動いている。


「砦では酒池肉林や違法な取引、通行者への暴行、地下闘技場での殺し合い……」


「グリオード、陣英には連絡したのか?」


 色鳥はドスの効いた声を出した。


「いや、陣英は陣英で戦っているらしい」


 グリオードは首を振る。


「そうか、アイツは傭兵だったな」


 色鳥は頷いた。


「砦の状況はわかった、次に隣の国の内情を頼む」


「はい、隣の国である『ルシファント』は2年前に国王が死に、新しい国王が誕生しました」


「もうその時点で嫌な予感がするんだが」


 色鳥はため息をした。


「新しい国王は国王として未熟だったようですね」


「やっぱりな」


「私の調べでは別世界から来た人間のようですね」


「何歳だそいつ」


「成人の風格はありませんでしたね、側近も女性だらけでした」


 思い出すのも嫌なような顔をする麗華。


「おそらくさ、そいつはそいつで何かあったんだろうが、ジャスティスジャッジメントには好都合だな」


 色鳥は深いため息をした。


「側近にジャスティスジャッジメントの女が居ましたね」


「自国の事情しらねー王様ってなんだよ」


 色鳥は言葉も出ない、といった感じにだらけている。


「国王も側近も頭お花畑が多いのでは?」


 麗華は鼻で笑った。


「バッサリ言いましたわね」


 絆は紅茶を一口飲んだ。


「潜伏した側近は上手く隠して、誘導しているのでしょうね、ジャスティスジャッジメントが色々と有利になるように」


 麗華はため息をしながら飲み物を飲んだ。


「この国には迷惑はかけないように砦をぶっ壊してきてやるよ、俺の怒りがおさまらん」


「ありがとうございます」


「やはり縁達をつれてきといて良かったぜ」


 色鳥はもくもくとお茶菓子を食べる縁達を見た。


「黙って聞いてたが、親友の国の人間ひどい目にあったとなれば黙ってられんな」


「お兄様、この国にも私達の小さい神社がありますし、国を守るのも神の勤めですわ」


 絆はニコニコと黒い笑みで笑っている。


「縁はともかく、絆は暴れたいだけだろ」


 色鳥はジト目で絆を見た。


「直ぐに出発しよう」


 縁は立ち上がって鞄を肩に掛けた。


「歩いてか?」


「神様なめんなよ? 瞬間移動してやるよ運良くな」


「頼もしいこって」


 色鳥も立ち上がった。


「御馳走様でした、なかなかの味、お客様へのおもてなしの気持ちを感じました、またご馳走になりたいですわ」


 絆はハンカチで口を吹いて、立ち上がり傘を持った。


「では今度は和菓子を用意しておきます」


 ジンは礼儀正しく頭を下げた。


「んじゃ、行くぞ?」


 縁は右手を上げた。


「幸運転送陣! 運良く目的地へ!」


 色鳥、縁、絆の足元に魔法陣が現れた。


「あ、そうだ」


 色鳥は麗華を見た。


「報酬はグリオードへの無礼講でどうだ?」


「駄目です」


「おっと、そりゃ残念だ」


そのやり取りを最後に色鳥達は光に包まれて応接室から魔法陣と共に消えた。

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