第三話 太陽の花を採取 後編 その3

「いやいやいや! リッシュだよ! タベリアの街でギルド仕切ってるリッシュだよ!」


 リッシュと名乗った中年男性は、身振り手振り色々とジェスチャーをしている。


「ああ兄さんか、イメチェンしたのか?」


 縁は機嫌が悪い。


「まあな」


 リッシュは3人組を見た。


「ここは俺に任せてもらうZE!」


 リッシュはビシッと3人組を指差した。


「縁、絆いいか?」


 リッシュはニヤリと笑っている。


「はぁ、わかった」


「お任せしますわ」


 縁と絆はリッシュから離れた。


「未来ある若人には、ちゃんと大人が説教をしてやらないとな」


 親指をグッとするリッシュ。


「さっきから聞いてれば、何なんだよオッサン」


 ヤマトは槍をリッシュに向けた。


「ん? お前らが神と戦うにはあまりにもさ、無謀だから俺がお灸をペッタンしてやるよ」


 リッシュはヤマト達を見た。


「俺の『相方』の力を使って『解説と説明』をしてやるよ、ちゃんと聞けよ?」


 リッシュはポケットから指輪を出して、それを左手の薬指に付けた。


「あの指輪は……」


「長くなりますわね」


 縁と絆は、リッシュの言葉を聞いて苦笑いした。


「ほう? 何を説明してくれるんだ?」


 ヤマトは鼻で笑った。


「やれやれ、叢雲、一応彼の言い分を聞いて損はないかと、理解出来るかは別ですがね」


 スバルフは軽剣士の人間を叢雲と呼んだ。


「そうだな、説明出来るとは思えないがな」


 叢雲は苦笑いをした。


「では失礼して」


 リッシュは深呼吸した。


「まず最初に、貴方達が受けた依頼の『不幸を司る神を葬れ』の内容が可笑しいんですよ」


 叢雲達はビックリした、一言も依頼内容は誰も口にしていないからだ。


「『不幸の神を葬れば、皆が幸せになる、我こそはと思う勇者よ集え』とか書いてますが、子供が考えそうな文章によく依頼を受けるようになりましたね」



リッシュは呼吸を整えた。



「貴方達は別次元から来たのでしたね?この世界『世界融合界』の説明を簡単にいたしましょう」


 リッシュはニヤリと笑った。


「文字通りこの世界は、あらゆる次元の寄せ集めのような世界です」


 リッシュは楽しそうに解説をしている。


「基本的にこちらには来れても、帰るのは難しいのですよ、元居た次元に別次元の技術を持って帰られたら困るからですね」


 リッシュは『これくらいは知ってますよね?』と言わんばかりの顔をしている。


「この世界には色々な大陸がありますが、今立っている場所である『中央大陸』についてお話しまょう」


 リッシュは一呼吸置いた。


「中央大陸は様々な次元の人達の交流の場として、先人達の…」


 リッシュはハッとした顔をした。


「あ!? 今思えば……人を小馬鹿に出来る程の方々が、この世界の歴史や成り立ちを知らないわけありませんよね?」


 リッシュは嘲笑うように3人組を見た。


「テメェ!!」


 ヤマトは槍を持つ手に力を入れた。


「やれやれ、まちなさいヤマト、最後まで聞きましょう」


 スバルフは右手でメガネをクイッとした。


「説明が長すぎるのが、この『加護』の悪い所です、本題にはいりましょうか」


 リッシュはため息をした。



「絆を殺したり、封印したくらいで本当に世の中から不幸が無くなると思ってますか? 不幸を司る神は沢山居るのですが? そもそも神を殺したからと言って不幸が無くなるとでも?」


 リッシュは怒涛の質問責めをした。


「答えを聞きましょう? 正義の味方」


「ちっ! さっきからガタガタとうるせぇな!?」


 ヤマトは槍を地面に突き刺して怒りを露わにした。


「文句が有れば力付くで止めればいいじゃねーか!」


「そうかそうか」


 リッシュは左手の薬指にはめた指輪を外した。


「残りの2人も同じような考えだな、何でわかるかは俺の装備品のおかげって奴だ」


 リッシュは屈伸を軽くする。


「スバルフ、奴の装備品の鑑定をしてくれ」


 叢雲はスバルフに指示をだした、リッシュは左手で右手を隠た。


「やれやれ、外した指輪以外の装備からは何も力を感じない、ハッタリだ」


 スバルフはやれやれと首を振った。


「ただの時間稼ぎじゃねーか! くそやろうが!」


 ヤマトは槍を構えた。


「俺が炎と風だけだと思うなよ!」


 槍を地面に刺した!


「天よ地よ、火よ水よ、雷、風よ! 氷に闇よ! 我に力を与えたまえ!!」


 何処からともなく、数個の球体が現れた、炎や氷等、ヤマトが口にした属性の球体が浮いている。


全属性強化オールエフェクト!」


 ヤマトの槍に球体が吸い寄せられる、槍は七色に光始めた。


「奥義!」


 ヤマトは槍を振り上げた!

 それを見たリッシュは、左手を微かに動かした。


虹之波動レインボー・ウェーブ! 消滅之一撃イクスティンクション・ヒット!」


 ヤマトはその場で回転し、槍を振り下ろした!が、槍は振り下ろされただけで何も出なかった。


「なっ!?」


 ヤマトは発動しない自分の槍を見る、槍は七色に光ってはいなかった。

 スバルフ、叢雲の2人はそれを見て驚いた。


「やはりな」


 リッシュは欠伸をしながら、歩いて3人組に近寄っていく。

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