第三話 太陽の花を採取 前編 その8

「50メートル、オートAI、必殺有り、ノーオプションバトルです」


「短期決戦の勝負だ! みんな! 目を離さずに見てくれよ!」


 三輪車ファイターの声はワクワクしているようだ。


「二人は準備はいいか!? いいなら右手を上げてくれ!」


 ひかりと天馬はそれぞれ三輪車にまたがり、右手を上げた。


「それでは! スタートシグナルに注目だ!」



 ひかり達の前方にスタートシグナルが現れる。

 シグナルは赤で止まっている、赤が2つあって青が1つのシグナルだ。

 ピッピッと言う音が一定のリズムで会場に響き渡る。



「三輪車バトル!」


 三輪車ファイターが叫んだ!

 少ししたらシグナルの赤が1つ進み……


「レディィィィィ!」


 ドスの聞いたジャッジ合意の声が響いた!


「「ゴー!」」


 三輪車ファイターとジャッジ合意の声と共に青が点灯した!


「ファンタスティック・ロケット・スタート!!」



 ボーイが青の点灯と共に凄まじいスピードでロケットスタートをした!

 一見フライングしたようにも見えるが……

 その勢いは凄まじいく、25メートル付近まで一気に進んだ!



「天馬君! 華麗なロケットスタートだ!」


「彼のロケットスタートはいつ見ても素晴らしいです、今回もフライングはしていません」


 冷静に解説するジャッジ合意、それを見たひかりは叫んだ!


「小錦! デルタドリフトでチャージだ!」


「了解だ! ひかりアレをやるんだな!」


 小錦はスタート地点で三角形の形でドリフトをし始めた!


「おおーっと!? ひかり君その場でドリフトをし始めたぞ!?」


「デルタドリフト、この間の公式戦で編み出した必殺技ですね、太陽光をチャージするドリフトです」


 ジャッジ合意は口調は冷静だが、楽しそうな顔をしている。


「けっ! 何をするか知らんがもう終わりだ!」


 天馬は一瞬振り返った。


「ボーイ! メルヘンエンジンに切り替て一気に勝負キメるぞ!」


「行くぞコラァ!? メルヘンエンジン点火だ!」



 ボーイの進むスピードが上がった!

 ボーイが加速すると通過した後に、飴やらお菓子がバラまかれている。



「おっと!? ボーイ君が進むとそれと同時にメルヘンチックな状況になっているぞ!? そして凄い加速力だぁぁ!」


 三輪車ファイターは前のめりになる。


「子供好きな彼らしいエンジンですね、そのエンジンはメルヘン力を動力しているます、搭乗者、つまりは彼がメルヘンであるほどエンジンは力強さを増します」


 ジャッジ合意は冷静に解説しているが、お菓子を欲しそうな顔をしている。


「この勝負、貰ったぁ!!」


 天馬はもうゴール目の前だ!。


「ひかり! いいぞ!」


 小錦はドリフトを止めた!


「いくよ! 小錦!」


「よろしいですとも!!」


 ひかりはゴールに向かって進みだした!


「スーパー!」


 ひかりは思いっきり叫んだ!


「サンダー!」


 小錦も負けじと叫んだ!


「「ビックバーン!」」



 ひかりと小錦は魂を揺るがすような叫びをした! すると、小錦が軌跡を描いてジグザグに進み始める!

まさに雷が落ちるように一瞬の速さで天馬に追いついた!



「ちっ!」


 隣まで加速してきたひかり達をちらっと見る天馬。


「負けるかオラァ! メルヘンパワー全開だ!」


 天馬は更にスピードを上げた!


「こ、これは凄いぞ! スーパーサンダービックバン! 天馬君との距離を容易く縮めてしまった!」


 三輪車ファイターは目を輝かせている。


「スーパーサンダーは雷の如く素早いドリフトの連続なのですが、そこにビッグバン、宇宙を誕生させる超爆発を加えた訳です、ノーオプションなので本来の速度ではありません」


 相変わらず冷静なジャッジ合意。


「いけー!」


「負けるかオラァ!」


 ひかりと天馬はほぼ同じにゴールをした! 小錦とボーイはドリフトして制止した。


「おっと!? これはビデオ判定になりそうだ!」


「結果がでましたね」


 判定が早い。


「勝者は…」


 会場がザワザワしている。


「天馬&ボーイペアだぁぁぁ!」


 その判定に会場が歓声を上げる!


「っしゃぁぁぁぁ!」



 天馬が右手を上げた!会場が熱気に包まれている。

 だがその時、青い光が天馬を照らす!

 スポットライトのようにも見える。



「その判定、少し待ってもらおう」


「おっと!? 判定に意義を唱えるのは誰だ!?」


 三輪車ファイターが会場を見回す!


「あそこだ!」


 三輪車ファイターが指差したのは観客席の屋根の一角、スポットライトに照らされた人物が居た!


「今の勝負に異議がある」



 その人物は高そうな和服にサングラスをした青年が立っていた。

 黒く長い髪の毛であり、風に揺られている。

 隣には小錦のようなフレームの三輪車が人型になって立っていて、額には月のシンボルがあった。



「神聖な三輪車バトルに違法パーツを持ち込む悪しきライダー、汚れた心には神聖な場所は似合わない」


 何やら和服の人物は口上を言い始めた。


「その汚れた行い、この和服仮面が許さん!」


 和服仮面は屋根から飛び降り、華麗に着地。


「和服仮面様!」


 ひかりが恋する乙女のように和服仮面を見つつ小錦から降りた。


「んだテメェ!? 訳わからん事言いやがって!」


「ならば悪行を暴いてくれるわ、ムーンライト」


「フッ……了解だ」


 ムーンライトと呼ばれた三輪車がボーイに近寄った。


「月の光の前に隠し事は出来んぞ!月光波!!」


 ムーンライトはボーイに向かって手を伸ばした、手から青い光が放たれる!

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