第二話 レアスナタの世界観その7

「俺はセイザちんに合わせてるだけぜよ? セイザちんが殺すまで待ってるって言うからさ」


 リステイナは遊ぶのを止めた、ラジカセとちっちゃいリステイナはリステイナの影へと消えていった。


「私を殺す殺す騒いでるなら、ちゃんと殺してくれないと」


 セイザは雑誌とにらめっこしながらそう言った。


「そいつは無理だな、セイザの命運がここで終わるのは感じられん」


 縁はため息をしながらセイザの方を見た、セイザは雑誌を見ながらクスっと笑った。


「あら、運を司る神様に死なないって言われたら死なないわね」



 自警団が何やらガヤガヤと騒いでいる。



「どうなっているんだ!我らが神、シュクダンの加護が消えたぞ!」


「む! あそこだ! あそこに魔女が居るぞ!」


 自警団員の一人がセイザの居る方向を指差した!


「ま、待て! ならこの魔女の死体は何なのだ!」


 自警団員達は近くに転がっている無残な姿のセイザを見た、その死体は幽霊のように半透明になり消えていった。


「くっ! 魔女に踊らされたでござる!」


「だから俺は嫌だったんだ! 魔女の住んでいる町を粛正なんて!」


「お前が一番ノリノリだったじゃねーか!」


「もう駄目だ! おしまいだ! はっきり言ってやろうか? 魔女に勝てる訳がないんだ!みんな死んでしまうんだ!」


「馬鹿野郎! そんな泣き言言うために戦いを始めたのか!」


 自警団の統率が乱れている、東洋はそれを見て能力不足の部下に頭を悩ませる上司のように頭を抱えている。


「統率がとれなさすぎだ、戦闘を何だと思っているんだ」


「それはね東洋」


 リステイナは唐突におふざけ無しで話し始めた。


「戦場でまともに人を殺せる人間は少ないって事だよ、人を躊躇無く殺せる奴か割り切る奴だな」


 リステイナ唐突にかっこいい事を言い出しているが、マッサージチェアでめちゃくちゃくつろぎながら東洋に話しかけている。


「他は戦っているふりや自分が生き残る事しか考えてないよ、誰かを守るために戦うってのはこの場合外そう」


「確かにリステイナの言うとおりなんだが、お前もふざけるのを止めたらどうだ」


 東洋は深いため息をしながらリステイナを見た、東洋から見れば周りの状況が頭痛の種だらけのようだ。


「あらあら東洋さんがお疲れのようですわ、弱い者イジメは好きではありませんが…あの方々のお相手をして差し上げましょう」


 セイザは結界を解き、椅子に座るのを止めた、それを見たリステイナはマッサージチェアに癒されるのを止めて立ち上がった。



「俺はここから見ているよ、ただの兎の亜人だからな」


 縁は戦わないようだ、リステイナが座っていたマッサージチェアに座る縁。


「縁、頭痛薬はあるか? この状況に頭が痛くなってきた」


 

 東洋の声はげっそりとしていて元気が無い、縁は鞄から市販の頭痛薬

 師範の市販薬~頭痛編~

 という頭痛薬を取り出して東洋に渡した。



「市販薬ならあるよ水なし一錠、薬は用法、容量を守って正しくお使い下さい!」


「ああ、ありがとうな」


 もはやツッコミをするのにも疲れたようだ。


「リステイナ、付いて来るのは構わないですけど遊びではありませんわよ?」


「ちゃっちゃと終わらせるんだろ?」


「ええ、誰に対して殺す殺すと騒いでいたのか解らせるために一瞬で終わらせますわ」


 リステイナとセイザは自警団に向かって歩き始めた、それを見てアースカリアは団員達を鼓舞させる!


「同士達よ!うろたえるな!我らにはシュクダンの加護がある!今一度我らにちからを!」


 アースカリアは自身の血塗られた剣を掲げて雄叫びをあげた!

 が、何も起きなかった。


「何!? 何故シュクダンは答えてくれぬ! シュクダン! 我が力を貸せと言ってるんだぞ!」


 アースカリアは少々ヒステリーになりながら空を見た。


「さっき東洋が放ったのは浄歌の一本締め、人数によってはあらゆる物を浄化出来る多人数参加型浄化の儀式、そして一定時間周辺に悪しき物を寄せ付けない効果も合わせもつからな」

 

 リステイナはアースカリアの背後に立っていた、アースカリアからして見ればいきなり後ろに立たれたも同然であり、うろたえる。

 リステイナは影で出来たピコピコハンマーを持っていた。


「いつの……」



 アースカリアがごちゃごちゃと何か言おうとした時にはリステイナのピコピコハンマーでアースカリアの地面にある影の頭をピコピコと叩いてた、直撃だ。

 アースカリアは頭を叩かれように身体よろけて、後ろに倒れだし気絶したようだ。



「ヌルいヌルい、俺と戦いたかったら最低限でも影の民との戦い方を学んでからにしてくれ、ちなみに全世界の書店で対処法を記した本を発売中」



 リステイナはドッペルゲンガー、一般的な自分の影と言うわけではなく、リステイナの元々の人物が自分の影を操っているらしいのだ、リステイナは影であるためほとんどの攻撃が効かない、もちろん対処法はあるようなのだが、知らずに戦うのは得策ではない。影であるリステイナにダメージを与えられる手段を持って初めてスタートラインに立てるのだ。



「あらあら、雑に放った気絶魔法で倒れるとは思いませんでしたわ」


 そしてセイザは簡単な気絶魔法で団員を一掃した、つまりは相手が弱すぎて話にならないくらい弱いのだ。

 どの位の実力差があったかと言うと、ロールプレイングゲームで例えるならば、主人公が何処かのダンジョンを攻略し、ダンジョン攻略中に亡くなったサブキャラクターのように描写の必要がない。

 言うなれば省略しても何も差し支えないのだ、それくらい実力差がありどうでもいいのだ。

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