第二話 レアスナタの世界観その2

「ログインしなきゃ話は始まらないっすから、ログインしてから決めましょうか」


 長谷川はお茶の缶を近くのゴミ箱へ捨てた、受け付けを済ませて受け付け横のゲートをくぐる。

 今回使用する部屋は一番リーズナブルな席だ、リクライニング付きの椅子と折りたたみ式のテーブルに荷物置き場の休憩用の部屋、隣の部屋はプレイルームがある席だ。




 長谷川は荷物を置いて、シートベルトを身体に正しく装着する、正しく装着するとアナウンスで上からゴーグルが下りてくる。

 ゴーグルを気合いを入れて装着する長谷川、そして何時もの如く変なポーズでゴーグルを通して見えるログインボタンを押した!

 この瞬間から長谷川から縁へと変わる、縁の目には自分のカジノが映っていた。

 ゴーグルを通してレアスナタの世界が見えるだけであって、端から見れば独り言をぶつぶついいながらゲームをしている、ということになるが深くは考えてはいけない。



 縁はロールエリアの入り口のロビーまでやってきた、様々なプレイヤーが居る、変態じみた格好からイケメン、原始人から近未来までまさにカオスだ。

 ロールエリアの入り口のロビーには目立つ物がたくさんある、細長い時計や花壇なのに桜の木が植えてあったり、宙吊りになっている大きいベルや筋肉ムキムキな銅像等々。

 待ち合わせには困らないくらいに目立つ物がある、縁は白い石のオブジェの前で東洋達と待ち合わせをしている。



「東洋とリステイナはどこかな?」


 勇二のキャラクターはリステイナと言うらしい。

 数分もしないうちに縁に近寄ってくる男性二人がやってきた。


「よう縁、今日も相変わらず兎だな」


「東洋さん、その絡みはなんなんすか」



 縁は東洋を見た、 東洋は赤色の全身鎧を着ていて素肌を一切さらしてはいない、全身鎧の所々に青色の模様も入っている、模様というよりも鎧が傷付いた跡にも見える。

 背丈も高く全身鎧のせいか威圧感も感じられる、鎧からは紫色のオーラのような物が放たれている。



「縁さん、東洋さん、今フレンドがロール開始したらしいんですが、混ざりませんか?」



 リステイナは頭に白い布を巻いて顔は両目付近だけが見える、少々みすぼらしい格好に、黒い色のボロボロのマントを羽織っていた、マントで口元を隠している。

 どう隠しているかというと、雨風をしのぐマントではなく正装とかに使われるマントを首にぐるっと巻いている、巻いてリステイナの膝くらいまでマントは垂れている。


「時間も無いしそうするか」


 東洋は頷いてリステイナを見た。


 ロールエリアのロビーには受け付けカウンターがあり、今参加出来るシナリオの案内や開始予約等々、ロールには欠かせない受け付けなのだが、驚くのはNPCではなく運営がキャラクターを操作している。

 これは監視やロールの管理等の意味もあるが、森山ボックスの社訓の一つに



『運営がゲームを把握してなかったり、本当の意味でお客様の目線に立たなければ駄目だ』



 代々森山ボックスが守ってきた言葉と想いがあるからだ、レアスナタが好きで森山ボックスに入社する人も多い。

 運営は自分のキャラクターを使う者も多い、理由は様々だが共通しているのは『森山ボックス運営』の名前の入ったアクセサリーを付けている。

 リステイナはロールカウンターでフレンドのシナリオの合流を受け付けをし、リステイナ達は開始前にシナリオの流れを確認する。

 縁達が合流するシナリオのあらすじと流れを確認する。



『傷の魔女の娘セイザは久しぶりに隠れ家にしている場所へと帰った、隠れ家はある街のスラム街にあるのだが、セイザが帰ったその日に過激派の自警団がやってきた』



 これが、あらすじでシナリオの流れは。


『過激派自警団の撃破をすればシナリオクリア! 以降通常ロールに戻る』


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