第二話 レアスナタの世界観その1

 長谷川はバイトをしていた、彼は個人経営のゲームショップで働いていた。

 今日は長谷川と一人の青年が店番をしている。


「今日は暇だ」


 閑古鳥が鳴いている店内、今日は人がこないそんな日もあるだろう。


「今日何かあったか?」


 ふと考える長谷川、そしてため息をした、凄く暇なようだ。


「長谷川さん、今日は体感型の恋愛シュミレーションゲームの発売っすよ!」



 と、ため息を吐いた長谷川に一言いう青年。

 その青年はどこにでもいるような青年だ。

 ちなみに店長は自宅で遊び呆けている、店の奥が自宅で家自体二階建てだ。



「ああ、勇二君、今日だったか?君のハートにジョーカーの発売日は」


 長谷川は青年の方を見た、青年の名前は木村勇二 きむらゆうじ だ。


「コンセンプトは昔懐かしいドキドキを、らしいですよ?」


「ほほう」


 長谷川は頷いて勇二の話を聞いている。


「つまりは、手を繋ぐのがエロと感じたあの時に戻るって感じっすね」


「小学生かよ!」


 長谷川は勇二に右手で軽くペシッとツッコミをいれた。


「まあまあ、大人になるとそれ以上を想像したり求めたり……汚れてきますからね」


 勇二は深いため息をした。


「勇二君、そうは言うが友美さんとはどうなんだ?」


 それを聞いた勇二は考えだす、友美はこの店の店長の娘だ。


「何というか、幼なじみなんでしかも家族ぐるみの付き合いですし…まあ、それなりの…」


「勇二! 友美は泣かすなよ!」



 レジの奥の住居スペースから男性が出てくる!

 彼こそこの店の店長であり、友美のお父さん!

 名前は神無月京五郎 かんなづきけいごろう《



「あ、店長、店に来るなんて珍しいですね」



 長谷川はちょっと驚いている、それくらい珍しいのである

 京五郎は優しそうな顔つきのおじさんといったかんじだ。

 ただ、中肉中背ではなくがっしりとした体格をしている、少々ムキムキボディーである。



「友美の話をしていたようなのでつい」

 

 店長はデレデレしている、娘ラブなようだ。


「お義父さん!」


 勇二は京五郎を見る。


「ええい! 貴様に父とは呼ばれたくないわ!」


 京五郎はしっしと手で勇二を払う。


「勇二君、あなた、いちゃいちゃするなら実家でお願いしますね、お客さんが居ないからってダメですよ」


 奥から女性が出てきた、彼女こそ事実上この店の店長!

 神無月あけみである。

 あけみは歳相応に見えない美しい奥さんだ、長く綺麗な黒髪と、ナイスバディで笑顔も絶やさない人だ。

 ちなみに娘の友美は高校二年生。


「あけみさんおはようございます」


 長谷川は挨拶をした


「長谷川さん、今はお昼時よ」


 あけみはニコニコしながら長谷川を見ている。


「あなた、今日お客さんも来ないようだし、お二人を遊びに連れて行ったら?」


 それを聞いた京五郎がこう言った。


「レアスタナでもやりに行くか?」


 京五郎は期待の眼差しで長谷川達を見ている、京五郎もレアスナタは好きなのだ。


「え? また仕事しないで遊んでいいんすか?」


 長谷川はかなり呆れている。


「大丈夫よ長谷川君、今日はお客さんは誰も来ないだろうし、私一人で大丈夫よ」


 あけみはにこにこしている。


「あれ? お義母さん、友美は?」


 勇二はあけみを見た、あけみはお義母と呼ばれても嫌な顔はしていない。


「友達とカラオケ行くって行ってたわ」


「あ、そうですか」


 あけみと勇二が話をしている時、京五郎は何かを考えていた。


「よし、三時間までなら店から出そう、経費で」


 一番安いプランでレアスナタを遊べる金額は一時間1000円+消費税だ。


「何時も思うんですが、店が暇になると何故遊びに出かけるのですか?」


「それはね長谷川君、店にお客さん居ないのに働かせてたらお給料が無駄じゃないの」


 しれっとニコニコしながらそういうあけみ。


「いや、まあそうなんでしょうが…」


 苦笑いしながらあけみを見る長谷川。


「まあまあ、羽島とりあえず遊びに行くぞ! 勇二も!」


 店長はビシィっと店の玄関を指差した。


 そして、3人はレアスタナゲートへとやってきた、ここはレアスナタを体感的に操作するためのレアスナタ専用のゲームセンターだ。


「店長とは久しぶりのレアスナタですね」


「そうだったな、羽島とは最近一緒にしてなかったか」


 長谷川達は今受付待ち中である。


「店長のキャラクター設定てどんなんでしたっけ?」


 長谷川が店長をじっと見た。


「簡単に言えば斬銀と一緒に世界の破滅を目論んだっていう設定だったな」


 京五郎は腕を組んでそういった。


「でも、それって本当の悪を倒すためってやつでしたよね?」


 勇二がオレンジジュースを飲みながらそういった。


「細かく語ると時間が無くなるからな、森山ボックス公式が出したプレイヤーキャラクター大全集でも見てくれ」


 

 森山ボックス公式で出している設定資料集がある、公式のキャラクターの設定はもちろん、掲載を許可したプレイヤーの設定ものせてある。

 この資料集は書籍版と電子書籍版がある、電子書籍版は一度購入すれば常に最新版へと更新される。

 書籍版は完全受注生産で物好きしか買わない、何故ならキャラクターは常に増え続けるからだ。

 電子書籍版を買えばレアスナタプレイ中に設定の確認なども行えて便利である。



「おさらい程度に簡単に言うならば、今の東洋は傭兵部隊をまとめて少々世直しをしているくらいだな」


 京五郎のキャラクターは東洋と言うらしい。


「少々ってレベルなんすかね、店長のロール動画見ましたけど常に大規模作戦じゃないっすか」



 長谷川はため息をして、残り少ないお茶を飲み干した。

 ロール動画とは自分のキャラクターが参加したシナリオを動画として公開するサービスの一つである。

 アニメのような感覚で他のプレイヤーのロールを試聴出来るのだ、ロールプレイを動画化する時は特にこだわりが無い時は運営がいい感じに編集をしてくれる。

 PC版もロール動画として投稿出来るが、どちらかと言えば実況プレイになるのでレアスナタゲートを使用するプレイヤーがほとんどだ。



「長谷川さん、お義父さん、今日はどうします?」


 勇二は携帯をいじりながら喋っている。


「レアスナタと言ったらロールプレイだろ、ロールエリアで何かテキトーに参加なりするべ」



 京五郎は自信満々にそう言った。

 ロールエリアは公式が用意したシナリオやプレイヤーが考えたシナリオを遊べるエリアだ。

 基本的に公式が用意したシナリオは当たり障りの無い内容が多い、薬草を探してこいとかモンスターを倒せとかが多い。



 台本が有るシナリオもあって、それを演じたりもあるが、基本的にレアスナタを遊んでいる人は自分や他の人が考えたシナリオを遊ぶプレイヤーが多い。

 プレイヤーが考えたシナリオは基本的にはアドリブが多い、大まかな流れはかいてあるが、セリフが無いのが多い。

 譲り合いの精神が大事なゲームなのだ、一人で好き勝手暴れるのはシナリオを考えたプレイヤーに弾かれたりする、酷い場合は運営に強制的にログアウトさせられる。

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